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紫雲山 宝瑞院  沼田榮昭副住職

 

今回は紫雲山 宝瑞院 、沼田榮昭副住職にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

 

会社名称 宗教法人 宝瑞院(山号 紫雲山)
代表者 住職 杉浦 英雄

副住職 沼田榮昭

設立 1539年~1593年の間に設立、開祖は虎角大和尚(号は穏蓮社安誉)
主な事業 新しい仏教寺院(メタバース分院の設立を準備中)
会社所在地 本堂建設予定地 住所:〒314-0146 茨城県神栖市平泉2137-7

登記上の所在地 住所:〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-8-14

会社HP https://hozui-in.or.jp/

 

 

紫雲山宝瑞院について教えてください

宝瑞院は約450年の歴史を持ちます。1923年の関東大震災の際に、過去帳などの資料が焼けてしまい、杉浦家(ご住職の家)にある資料では108年前までしか遡れません。浄土宗の大本山増上寺の塔頭寺院として江戸城内に建立され、増上寺の移転に伴い、虎ノ門に移転しました。

宝瑞院は、従来のお寺とはコンセプトが異なります。生活に寄り添う普段着のお寺を目指しております。

具体的に申し上げますと、荘厳な仏教の世界と、日常のビジネスや恋愛といった世界の、架け橋になるお寺を目指しております。

本格的な仏教に触れたい方には、他のお寺や僧侶をご紹介いたします。

日本の仏教はハイレベルですが、日常生活に活かすのが難しい面があります。私はビジネスの世界が長く、仏教をどう活用するか、試行錯誤を繰り返しました。その積み重ねの中で、「仏教は凄いな!」とも思うようになりました。仏教の正規の修行を積めば、良い僧侶にはなれます。ただ在家(僧侶ではない一般の方)が現実に活かすには、広い視点と別の角度からの努力が必要と私は思います。

 

 

学生時代頑張ったことはありますか?

東京大学の文科三類に進学し、文三劇場という課外活動でお芝居の世界に出会い、自分で劇団を作るほど打ち込みました。勉学では能楽の松岡心平先生(現在東京大学名誉教授)にお世話になりました。先日他界された観世流の浅見真州先生をご紹介いただき、ご自宅に通わせて頂き個人レッスンを受けました。本当に贅沢な時間を過ごしました。

お能もある種の「メタバース空間」で演じます。真言密教の修行も「メタバース空間」の構築からはじまります。謡(うたい)は声明との共通点が多く、日本人の宗教感覚の源流とも考えられます。

 

 

卒業後はどこに就職されたのでしょうか?

学生時代は芝居で生きるつもりで、就職する予定はありませんでした。しかし先輩から色々アプローチを頂いて、その中の1つである大和証券に入社しました。大和証券の人事部の部長さんに感銘を受けて、「こういった人生の勉強ができる会社なら面白いかもしれない」と考え就職を決めました。当時の証券営業は過酷な世界でしたが、若い時分に経験できて大きな財産になりました。

 

 

思い出に残る仕事はありますでしょうか?

最初は渋谷支店に配属され、その後人事部に異動しました。本社勤務は勝手が分からず戸惑いました。その後株式公開を指導する公開引受部に配属されました。専門性の高い部署で、経験のない私には案件が回って来ませんでした。「ここで頑張らなければ」と思い、営業の方にもお願いをして、自力で案件を集めました。そのうちに仕事のスキルが付き始め、お客様の信頼も頂けるようになりました。

1番の思い出はフューチャー株式会社(東証プライム:4722)の上場です。厳しい仕事でしたが、自分の力を出しきった満足感があり、「大和証券ではもう、これ以上の仕事はできないな」と感じました。

ここで培ったノウハウが、楽天やサイバーエージェントなどのネットベンチャーの上場で活きました。

 

 

独立後はどのような仕事を行なっていたのでしょうか?

ファイブアイズ・ネットワークス株式会社というIPOコンサル会社を設立しました。この会社はIPOをしたい発行会社のみならず、IPO業務に参入したい証券会社のコンサルティングにも力を入れました。

東証マザーズなどの新興市場が創設され、日本のIPOのハードルはグッと下がりました。ただ当時は、高度なIPO業務を遂行できる主幹事証券会社が大手証券会社(野村、大和、日興)+αに限られておりました。専門人材も大手に偏り、経験者の組織的なサポートがないと、証券会社にとっては参入の難しい業務でした。

多くの問題がありましたが、自分の古巣でもある大和証券のライバルを作らないと、日本のIPOが前に進まない、そんな気持ちになりました。前例のない、市場があるかどうかも見えない業務でした。勝つ自信はありませんでしたが、私以外に適任者もいませんでした。私は負けても、日本の証券業界や日本のスタートアップが勝てばいいじゃないか、いつも自分に言い聞かせておりました。今は多くの証券会社がIPO業務に参入し、IPOの専門人材も流動化しました。結果的に会社の経営には失敗して、関係者には多大なご迷惑をおかけしました。口にしてはいけない言葉かもしれませんが、私なりには悔いのない仕事でした。

 

 

そこから仏門に入られるきっかけはあったのでしょうか?

ベンチャー企業の社長さんとお付き合いしていると、どんなに真剣に仕事に取り組んでいても、景気や時代の波に翻弄され苦しむことがあります。孤独で誰にも相談できないので、占いに頼る人たちも多いのです。こうした経営者と腹を割って話をするために、私も占いを勉強しました。

霊能者のブレーンを持つ経営者もいらっしゃいました。そこで私は真言密教も学びました。占いや霊能が悪い訳ではありません。ただ経営課題を直視せず、非論理的な世界に依存する心情では、経営の推進力が大きく減殺されます。仏教を学ぶことで、株式公開のロジック、経営のロジック以外の引出を持つことができて、クライアントである社長たちと、様々な観点から経営にメスを入れる自信がつきました。

 

宝瑞院に勤めたのはどうしてでしょうか?

杉浦英雄住職の杉浦家と、私の友人の家が、70年にわたるお付き合いをされておりました。その友人を通じて私も、寺院承継の相談に乗っておりました。先代の杉浦昭雄住職(英雄住職の父)の病状が悪化した折に、「お前もお寺を手伝ってくれないか?」と、お声をかけて頂きました。実は永年、55歳になったら仕事を引退して僧侶として生きたいと考えておりました。これも仏縁と思い2021年、57歳にして副住職に就任いたしました。

英雄住職は引きこもり、就任して半年は、ほとんど会話がありませんでした。何も進まないので業を煮やし、ある日、抗議のメールを差し上げました。すると本当に心に浸みる、素敵なご返信を頂きました。自分には理解できなくても、人の行動には様々な背景があります。決して表現される事のない、英雄住職の美しい心を伝える手段として、私はメタバース寺院を構想しました。

 

 

副住職になって苦労などはありますか?

期間が短いのでまだ苦労はありません。ただ自分の修行と、お寺の経営・運営とでは、大きな差があると感じます。自分の修行なら、自分が納得すれば十分ですが、今は他人に伝える立場です。大切なことでも、自分が表現できないこと、できていないこともいろいろ見えて来ます。

また仏教の力を改めて感じます。今までは経営やお金儲けの一環として、仏教の話をしておりました。今は普通に仏教の話を依頼されます。時折とても感動して下さる方がいらっしゃいます。その気になれば簡単に勉強できる仏教ですが、あまり知られていないんだな、と思うことも多いです。

まだまだ仏教にはポテンシャルがあります。

 

 

メタバース寺院とはどのようなものなのでしょうか?

メタバースの意味は広いので、メタバース寺院を今後、どのようなものにするかをみんなで考えていきたいと考えております。メタバースの発想には一般に、DAO(分散型自律組織)とかWEB3といった概念が包括されます。簡単に申し上げれば、階層を取り払い、ネット上のプロトコル(規格・規則)に則り全関係者が平等に運営に参加する共同創造のプラットフォームです。

この考え方は、仏教にも通じます。真言密教の曼荼羅はDAOと似ていると思います。

座禅や墓参をメタバース化する事例は出て来ましたが、DAOやWEB3を絡める事例はまだ見かけません。

 

 

今後の展望を教えてください

メタバースで盛り上がるのは20代から30代前半の人たちです。この世代にとって仏教は、過去の遺物である場合が多いようです。仏教を理解する世代は、メタバース、とりわけDAOやWEB3を身近には感じません。私たちがその架け橋をつくれたら、多くの方々に必要とされるメタバース寺院になると思います。

勝つのは私たちではなくても、日本であり、日本の仏教です。スピードは追わず、世代間のギャップを丁寧に埋めながら、宝瑞院DAO(分散型自律組織)の担い手を育て上げて、世界に発信していきたいと考えております。

彼らこそが新しい宝瑞院の、そして日本仏教の担い手、法華経の言葉を借りるなら地涌の菩薩(じゆのぼさつ:現世に常住する無数の菩薩)だと思います。

漫画やアニメが強い日本は、メタバースは経済成長のチャンスでもあります。私たちはメタバース化を進める過程を全部オープンにして、日本のメタバース産業の進展にも全力で寄与していきたいです。

 

 

宝瑞院にくる方に向けて何かメッセージをお願いします

宝瑞院は皆様のお寺でありたいです、ぜひ気軽に足をお運び下さいませ。

仏教×メタバース(DAO&WEB3)を、ご自身の目的意識の中で、自由に取捨選択してみてください。ご自身の関心に応じて運営にも参加してみて下さい。決めるのはすべてご自身です。

 

 

経営者におすすめの本はありますか?

成功哲学の元祖・ナポレンオン・ヒル博士の「悪魔を出し抜け!」をおすすめします。著名な「思考は現実化する」の翌年(1938年)に書かれましたが、世間の反発を恐れた親族の反対で70余年封印され、日本では2013年にようやく公開されました。「人類の98%は悪魔の支配下に生きている」と衝撃的な記載がありますが、悪魔を出し抜いて2%に入る方法論が率直かつ具体的に記載されております。言葉の使い方は異なりますが、仏教にも通じる考え方と思います。

ナポレオン・ヒル生誕130周年記念出版!
あらゆる自己啓発書に影響を与え続けている『思考は現実化する』を発表した翌年である1938年に
書き上げながら、親族の反対により70余年封印されていた「悪魔」との対話。
人間の「意識」がもつ可能性を解き明かすナポレオン・ヒル幻の新刊。AmazonURLhttps://www.amazon.co.jp/dp/4877713115

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!