今回は株式会社ホットスケープ代表、前野 伸幸氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社ホットスケープ |
代表者 | 前野 伸幸 |
設立 | 1991年3月 |
主な事業 | 事業内容
イベントプロデュース ファシリティマネジメント プロジェクトコンサルティング |
社員数 | 52名 |
会社所在地 | 東京都港区虎ノ門1-16-4 アーバン虎ノ門ビル8F |
会社HP | http://www.hotscape.co.jp/ |
現在の事業内容について教えてください
当社はイベントに関する仕事をしており、イベントの主催や施設を作る際の支援、また施設の貸し出しを行っています。意外とイベント会社で全方位的に網羅してる会社はなく、珍しい業態です。特に取引先には行政や大手企業が多く、お客様との直取引を中心としています。イベントというと広告代理店をイメージされるかと思いますが当社では98%ほどが直取引で行っており、大手広告代理店が介在することは33年間のうち1回もありません。当社ではイベントの担当が1人決まるとチームが作り上げられ、そのチームがお客様とずっと寄り添って3ヶ月間から1年かけてイベントを作り上げます。イベント当日を迎えるまで伴走していきますので、リピート率が高い特徴があります。9割はリピーターで埋まっており、その他ご紹介でお仕事を頂戴しています。
どのようなイベントを企画されているのでしょうか?
創業当初は広告宣伝費に含まれない表彰式や入社式のような社内でのイベントの企画を狙っていきました。最近ではスタートアップ企業の支援イベントや社会課題問題を解決するカンファレンスが増えています。当社のお客様の84%がBtoB系の会社で、オンライン対応もしております。実はBtoBのイベントは表には出ていませんが意外と多いんですよね。コロナの影響でオンラインイベントの企画も行うようになり、今まで250本以上のオンラインイベントを開催してきました。リアルイベントであれば年間で150本ほど担当しています。最近では皆さんがリアルイベントの価値を再認識し、とても需要がありますね。イベントでのコミュニケーションを重視していく傾向が強く、触れ合う場所を大切にしています。私たちもお客様と一緒に一生懸命ベストを探りながらイベントを作っています。
イベント会社を運営する上で大切なものは何でしょうか?
当社は特殊な機材を持ってるわけでもなく、パソコンと人脈さえあればできる仕事です。イベントの仕事はお客様の要望を応えるために会場の手配からコストの管理、スケジュール組みを行うプロダクションマネジメントです。だからこそパートナーシップが重要で、お弁当屋さんを始め350社と連携し、その中から1つのイベントを仕上げてくベストチョイスが必要になっていきます。イベント成功のためには細かい調整が必要で、会場によって持ち込みの可否確認や、コンセントの位置、バックヤードなどすべてを確認しています。使いづらかった際はイベント会場にフィードバックをすることもあります。
イベント会場にフィードバックをして変わったことはあるのでしょうか?
例えば、六本木ヒルズの会場を借りた後に森ビルへフィードバックを行ったことで、虎ノ門ヒルズが新設される時にイベント会場の設計のコンサルティングを依頼されました。利用者側の視点を置いた会場設計をしており、森ビルでは当社の社員が六本木ヒルズ・虎ノ門ヒルズ・表参道ヒルズに常駐しイベントを請負っています。また、運営受託だけでなく営業の見直しにも対応しています。他にはフェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎県)内の施設の機材のリニューアルや、2023年11月末にオープンする麻布台ヒルズの一角もコンサルティングをしています。
他に何か貴社ならではの取り組みなどはありますか?
内覧会の仕掛けづくりに取り組んでいます。会場を貸すだけなく、新しい会場の使い方・見せ方を提案しています。例えば、来場者にゴーグルを付けてバーチャル映像を映し出したり、3Dスキャンを取り入れたりしています。他にもアイランダーサミット石垣を主催しており、参加者だけでなく住民の方を巻き込んだイベントを企画しています。
PRされたいことはありますか?
有難いことに忙しい状態が続いており、積極的に人材を募集しています。イベントは様々な知識が必要ではありますが、お客様のために自分に何ができるか考えられるホスピタリティがあれば、一緒に働いていけます。BtoBに特化した直取引が基本のイベント会社なので、スケジュール管理は担当者が責任を持ちます。だからこそ、自分でコントロールできれば働きやすい環境を作り出すことができます。また、イベントは終わってしまえばお客様との成功体験がきちんとできるのでやりがいを感じられるところも魅力の1つです。
学生時代はどのようにお過ごしでしたか?
高校は千葉県の進学校に通っていましたが、あまり勉強ができないタイプでした。その代わりに文化祭や部活で目立っていましたね。高校時代はバンドでボーカルを担当しており、ミュージシャンに憧れていました。しかしミュージシャンになるのは厳しい世界だと思い、少しでもコンサートに関われる音響の仕事を目指すようになりました。高校卒業後は、音響の専門学校へ進み新卒では音響のエンジニアになりました。
社会人時代に思い出に残っている仕事はありますか?
音響の仕事では展示会や企業イベントにも参加するようにったのですが、ある展示会で私のメンターになる方と出会いました。展示会を主催していたのがマーケティングリサーチの会社の方で、主催の会社の朝礼や指示出しがとても丁寧で他のイベントに比べても長けていると感じました。そこから音響ではなくて、イベント全体を作り上げるところに興味が向いていきました。
その後起業されると思いますが、会社設立のきっかけを教えてください
平成3年3月に私が在籍していた会社が解散してしまいました。当時27歳で、30歳になったら独立したいと思っており、タイミングが合ったので起業しました。事業計画はなかったのですが、企業と直接取引することとイベントで生計立てることは決めていました。
起業してから大変だったことはありますか?
リーマンショックがあり、その後東日本大震災が起きた際はとても大変でした。
特に東日本大震災の後は解散を考えたこともありました。ちょうどそのダイミングで、森ビルから声がかかり踏み止まることができました。
起業してから大変なことが多かったと思いますが、経営する中で常に考えていることはありますか?
イベントそのものが当社にとってどういう存在か、人の役に立つかを考えています。人生を変えるような出会いにイベントが活用されることもありますし、特に採用やスタートアップ企業のイベントは普段だったら出会えない人たちが出会えて、活気と熱量を生み出す仕掛け作りができます。
私たちは居心地の良さや、いかにコミュニケーションを取りやすくするかを意識してイベントを作っていて、そうした下支えが世の中に大きな影響を与えることに繋がっていると考えています。
私自身は小さい事業をやっていますが、もしかすると世界を動かすようなことに通じていると思うとモチベーションになっていきます。社会問題を解決するような影響を少しでも与えられるのであれば、私が事業をしている意味がありますね。
今後の展望はありますか?
新型コロナウイルスが発生してから、多くの企業からイベントに関して相談を受けています。今まではイベントの会場内の設計を考えていましたが、これからは街の部分にも目を向けていきたいと考えており、地域創生や都心部などの街づくりに関わってみたいです。私たちの経験や知識が役立てる可能性がありますね。
他には人材育成の部分にも力を入れていきたいです。私は今年59歳になり、一般企業では定年退職の年齢でもあるので、イベント業界全体の活性化を視野にいれて動きたいと考えています。今後の日本は観光業が重要視されているので外貨を稼ぐために外国人が参加するパーティやホテルでの企画を打ち出せればと思っています。
また、イベント関係の職種に就きたい学生にどうやって仕事をするか、キャリアプランを伝えたいですね。実は2023年8月に大学生を対象にイベントの仕事体験ができる機会を設けました。今後は大学生を対象とした単発イベントのスタッフを採用したり、イベント関係の仕事がしたい学生を集めて窓口的な役割をしていきたいと計画しています。特に当社はビジネス系のイベントを多く企画しているので、学生がアルバイトで参加すれば社会勉強にもなり、学生の未来の一助になると思っています。
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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