今回はギグワークス株式会社代表、村田 峰人氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | ギグワークス株式会社 |
代表者 | 村田 峰人 |
設立 | 1977年1月20日 |
主な事業 | 【マーケティング&コミュニケーションサービス】:営業代行・販売支援サービス
【フィールドサポートサービス】:導入・設置・交換・保守支援サービス 【コンタクトセンターサービス】:コールセンター運用・スタッフ支援サービス 【テクノロジーサービス】:システム・エンジニアリング開発受託・スタッフ支援サービス 【コワーキングスペースサービス(レンタルオフィス)】:不動産サービス、コンサルティング |
社員数 | 933名(グループ従業員数)※2024年10月末時点 |
会社所在地 | 東京都港区西新橋二丁目11番6号 ニュー西新橋ビル3階 |
会社HP | https://www.gig.co.jp/ |
事業内容を教えてください
ギグワークス株式会社は1996年にパソコンの家庭教師から事業がスタートし、その後多様な働き方改革を支援する会社として成長してきました。
現在は人が持っている知識・時間・スキル・経験を活かし「必要な時、必要な分だけ、あらゆる場所」で働けるプラットフォームを提供しています。
創業から現在までどのように事業を拡大してきたのでしょうか?
創業者は学生時代に家庭教師のアルバイトをしていました。丁度windows95が販売されたことでインターネットが普及しはじめた頃です。生徒の家にもパソコンがあり、生徒の父親から使い方を聞かれたので教えたら5,000円貰えたことがきっかけでビジネスアイデアが閃めいたと聞いています。そこから事業モデルを書いて、ビジネスコンテストに応募したら入賞し、起業したそうです。当時、パソコンに詳しい人は一握りでしたし、雇用するのではなく、1件教えたら報酬はいくら、というギグ的な考えで事業を拡大してきました。
他にはADSLモデムの設置やMP3プレイヤーの普及など、現地に赴いてギグワーカーが仕事をするスタイルを確立し、2003年に上場を果たしました。
テクニカルサポートのコールセンターの仕事、システム開発、システムソリューションの仕事の他、フリーランス向けのシェアオフィス、企業むけコワーキングスペースの運営もしています。また電話秘書サービスも行っています。
ギグワークとはどのような意味なのでしょうか?
ギグワークとは、インターネットを仲介して単発の仕事を請け負う働き方のことです。
当社はギグエコノミーのプラットフォーム企業として27年間、業種を問わず企業と働き手のマッチングサービスを提供してきました。すると、他方段々と柔軟な働き方を推奨する企業が増えていき、副業解禁の流れも追い風になったことで、働き方の幅が広がりました。
当社は実際に現場に赴く「フィールドサービス」を得意としています。
これは簡単にAIに置き換わるものではありません。
例えば、POSレジを新たに導入する場合、当社がメーカーの方々に成り変わり、機器の設置、設定、撤去のサービスを提供することで、メーカーは地域問わず同時に同一単価で導入が可能です。
なぜフリーランス向けの事業も展開しているのでしょうか?
フリーランスの方々が抱える課題がいくつかあると考えています。
そのため、フリーランス向け事業も、グループでは展開をしています。
誰かとチームで働くわけではないので、働いているうちに孤独感を抱える方もいらっしゃいます。そのため、コミュニケーションが生まれる空間を作りたいと考え、コワーキングスペース事業を展開していたりします。
他にもフリーランスの仕事は低報酬化が目立ちます。相手が企業だと強く言えない方も多く、また相手のプロジェクトが大きければ大きいほど自分の名前を売る機会だと受け止めて低報酬で了解してしまうことも多々あります。また、仕事の範囲を超えた内容を依頼されることもあります。フリーランスは福利厚生がありません。だからこそ当社では少額短期保険やスキルに見合った価格での仕事の受注など、ギグワーカーが安心して働ける環境を整備しています。
最近力を入れているのはどの事業ですか?
事業のDePIN化を目指しています。
子会社のGALLUSYSでは、アプリ開発を通じて、のちにそれが文化となるようなプロダクトの創造を目指しています。
言語なしで楽しむ、新感覚の写真共有SNS「ピクティア」を展開しています。ピクティアはマップ上の写真に、異なる季節・時間に撮影した写真を重ねて繋がる写真アプリです。例えば、ユーザーが空模様の写真を撮ることで、「今そこが晴れている」とか「雨が降っている」といった情報が得られます。分散型の仕組みなので、みんなが参加することが前提です。
そして、これは情報を使いたい人・売りたい人の間で売買されるシステムです。情報をいただいた人にトークンを付与します。すると付加価値が生まれていく仕組みになります。希少な撮れない風景であればあるほど、評価が高くなります。
また、SNPITという世界初のカメラNFTを利用したSnap to Earnではバトルゲームも開催しており、お金を稼ぐことができます。
障がい者雇用の特例子会社ギグワークス・アドバンス株式会社でも、メンバーに写真を撮ってもらっています。これまで稼ぐことが難しかった方でも、写真が撮れれば稼げるようになります。仕事をしてお金を稼ぐ経験は、自己肯定に繋がります。
それだけでなく、たとえばゲームとしてご夫婦で楽しんでいただければ、写真を撮るために遠出して、家族の絆も深まります。
私たちの普段の生活にプラスアルファできることを組み込むので、負担がなく、伸びていく事業だと思っています。
※DePINとはDecentralized Physical Infrastructure Networkのこと。ブロックチェーン技術を活用して現実世界のインフラを分散型で管理・運営する仕組み。
面白いですね!他にも最新技術を使っている事業はありますか?
「gigworksbasic」という採用サイトを運営しています。単発・短期の案件を柔軟に引き受けてもらえるのが大きな特徴です。参加者のスキルがある程度公開されていて、「どのプログラミング言語が使えるか」「何が得意か」といった情報が可視化されています。それによって企業側も、求めているスキルを持った人に、必要なタイミングで仕事を依頼することができます。
働いた実績や評価に応じてトークンを付与し、そのトークンを通じて参加者同士が利益を享受できる“トークン・エコノミー”の仕組みです。
詳細は下記URLをご覧ください。
ここからは村田社長のことをお聞かせください。学生時代に頑張ったことはありますか?
蝶々マニアで、ずっと昆虫採集をしてきました。大学ではアメリカへ留学し、昆虫学を学んだ後、環境科学についても学びました。標高2000メートルを超える山々で研究をしていましたね。
学生時代から起業を考えていましたか?
学生時代から複数の事業に携わっていました。友人が事業を始めたので、バイヤーとして日本で人気になったスニーカーやジーパンをアメリカから送っていました。
帰国後はどのようなキャリアを歩みますか?
昆虫については趣味でしたので、専門家になって食べてこうと思っていませんでした。
しかし、当初は「エコ」や「環境」など知っている領域に関する事業に携わろうとしましたが、長続きはしませんでした。
その後、勤めていた会社から出向してエスビーアイ・プロモ株式会社(現 SBIリアルマーケティング株式会社)で働き、転籍してネオ・コミュニケーションズ・オムニメディア株式会社で取締役に就任しました。その後、「この会社を良くしてきてほしい」と言われ、株式会社ウェルコム・パートナーズ(現SPRING株式会社)の代表取締役に就任します。
しかし、この会社を上場企業に売却する話が出てきました。お客様からは社長として経営を続けてほしいとの要望があり、勤務先の社長からは「ちゃんと腰を据えて経営しなさい。お金は出してやるから」と言われたことで、社長を続けることになりました。
社会人時代の経験で、役に立っていることはありますか?
役員をやっていた会社での経験が印象深いです。社長がほとんど出社しなかったので、私が社長に代わり事業をまわしていました。ところが、社長からは社員が私の言うことしか聞かなくなった、私に会社を乗っ取られたという意見がありました。精一杯仕事をしていただけだったので、その言葉がとても悔しく、そこから営業だけでなくもっと色々と法的な知識を得る必要性を感じて、勉強を始めました。今ではAIや検索機能でなんでも調べられますが、当時は地道に勉強する必要がありました。
どうしてギグワークスに関わるようになったのでしょうか?
当時、私が社長を任されていた会社の道を挟んだ向かい側にギグワークスがありました。前任の社長とは知り合いで、当時のやっていた事業で連携できそうな部分があったので、「こういうことで提携できませんか?」と提案に行きました。すると「それよりも、うちの社長やってくれ」と逆に提案されて、条件と話がまとまり、今に至ります。人と人とのご縁でチャンスをいただきましたね。
ギグワークスの経営者として経験したことのなかで、大変だったことはありますか?
今がまさに大変です。web2からweb3に切り替えようとしていますが苦労しています。日本社会にweb3がなかなか根付かないこと、また、日本の法整備が追いついてないはがゆさを感じています。また、暗号資産を胡散臭いと思う方もいるので、どのように信頼を得ながらビジネスを行うか試行錯誤しています。みんながやっていない分野だからこそ、ビジネスチャンスもありますし、ノウハウも他社より先行できる部分があります。
ギグワークスを今後どのような会社にしたいですか?
当社の存在意義は、「人の真価を発揮する」ということをテーマに掲げています。昔アルバイトで携帯電話を販売していたことがあるのですが、その時に一生懸命やっていたら、バイト仲間から「時給一緒なんだから、そんなに頑張らなくていいじゃん」って言われました。頑張っても報酬が変わらない仕組みだと、誰も本気になれません。たくさん売った人がたくさん報酬を得られる方が、みんなやる気が出るし、自分の持っている力も最大限に発揮できると思います。しっかりと報酬が設計されていれば、人はもっと真価を発揮できると思っています。Web3の仕組みを活用すれば、自分の働きや実績、貢献度がトークンなどで可視化され、報酬にも連動されます。自分の価値を出せない人にとっては、少し生きづらい社会になる可能性もありますが、誰もが奮い立っていく必要があります。
また、「日本という国の中で、どうやって生産性を高めていくか」を考えていきたいです。人口を増やすことや移民の受け入れを拡大することは国全体の対策になりますが、企業が担える部分は働き方の多様化とIT・AIの力を活用した効率化の2点です。
将来的には、Web3の発展によって、これまで想像もしなかったような働き方も可能になると思っています。アバターがNFT化されて、自分の代わりに働くような時代が来るかもしれません。人が現地に行って行うような仕事も、ロボットやAIなどの技術に変わる可能性もあります。どんなに技術が進んでも「人の真価とは何か」「どこで人が一番力を発揮できるのか」を問い続ける会社でありたいです。当社の柔軟性とスピード感を大切に事業展開していきたいです。
おすすめの本はありますか?
エリヤフ・ゴールドラットさん著書の『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』です。生産管理の手法が書かれていますが、他の職種にも応用できる内容です。
ぜひご覧ください!
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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