今回は株式会社FIQスタイル代表、勅使河原 祐子氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社FIQスタイル |
代表者 | 勅使河原 祐子(てしがわら ゆうこ) |
設立 | 2021年7月 |
主な事業 | 1. ファッションスタイリング事業
2. 人材育成、能力開発のための教育事業 3. 各種講演、セミナーの企画及び開催 |
社員数 | 1名(取材時) |
会社所在地 | 東京都中央区銀座一丁目22番11号 銀座大竹ビジデンス2階 |
会社HP | https://www.fashion-iq.com/ |
事業内容を教えてください
株式会社FIQスタイルでは「好きを形に、得意を価値に」をミッションとし、ファッションスタイリング事業を展開しています。「パーソナルスタイリスト」が一般のお客様へスタイリングサービスを提供する他、スタイリストの育成も行っております。
ファッションが持つ人生を変える力を伝えることで、やりがいを感じながらイキイキと働き続ける女性を増やしたいと考え、日々邁進しております。
パーソナルスタイリストとはどのような存在なのでしょうか?
パーソナルスタイリストは一般の方のためのスタイリストです。
一緒にお買い物に行かせていただき、お客様の最適な洋服をトータルで考えご提案しています。「どんな服を買えばいいのかわからない」「手持ちの服がうまく活用できない」「どんな組み合わせが自分に合っているの?」というお悩みが多く、客観的な意見がほしい方から依頼をいただきます。また、全部お任せの方や基礎を知って自分でコーディネートを組めるようになりたい方もいらっしゃいますので、ご要望に合わせて柔軟にサービスを提供しているところも特徴です。
どんなお客様が多いですか?
年代は幅広く、30代・40代が全体の8割で、20代から60代の方にご利用していただいております。またライフイベントに合わせた提案が多いですね。主婦の方で「子どもの授業参観に何を着ていけばいいかわからない」とか、「家族との旅行で少しおしゃれしたい」といった日常のイベントに合わせてご相談くださる方も多いです。講師業をされている方や経営者、会社員の方など、人前に立つ機会が多い方が見せ方をブラッシュアップしたいとご依頼くださるケースもあります。会社員のお客様は昇進したり、部署が変わったりと節目のときに依頼を受けることが多いです。
洋服が好きで、スタイリストとして独立されたい方は多いと思います。どうしたらファッションを仕事に独立できるのでしょうか?
ファッションの知識だけでは仕事にならないのが、難しいところですね。最初は、私もファッションの知識さえあれば大丈夫だと思って始めましたが、蓋を開けてみたら全然上手くいきませんでした。
ファッションの仕事で独立のためには、3つの大切なポイントがあります。
1つ目は、サービスを提供する相手はファッションの専門知識でなく、実用的な知識を求めていることを認識すること。2つ目は相手が求めていないものを提案しても意味がないので、ヒアリングが9割と思うくらい、相手の話を丁寧に聞くこと。
そして、3つ目がビジネスとして成り立たせる土台作り、ビジネス設計をすることです。「誰にどんな価値を提供できるのか?」をしっかり言語化し、伝えられるようにするところからスタートするのが大切だと考えています。
この3つ全てが総合力として備わっていないとお仕事にはならないと考えています。
どうしてファッションの仕事を始めたのでしょうか?
私は8歳のとき、父の仕事の関係でアメリカに引っ越しました。最初は言葉も通じず、学校に行くのが辛かった記憶があります。3年半過ごしましたが、自分の意志ではなかったのであまり馴染むことができませんでした。ただ、自分が気に入っている洋服を着ると勇気が出て少しだけ前向きな気持ちになりました。そしてある日お気に入りの服を着て登校したら、周りの子が声をかけてくれたんです。一気に距離が縮んだ感覚があり、洋服に貢献できるようなことをしていきたいと思うようになりました。
洋服にはパワーや可能性が秘めており、もっと世の中は良くなり、充実感を持って生きていけると思っています。
しかし、まだまだ「誰かに服を選んでもらう」文化は日本では根づいていません。料理教室があるように、掃除を外注するように、服選びも「自分ではできないから誰かにお願いする」選択肢が当たり前になるようにしていきたいです。スキルシェアのように、全部自分でやらなくても良いところは他人に任せたら身軽に生きていけるのではないか? と考えています。
素晴らしいお考えですね!
ファッションとは、無頓着な人にとっては「ファッショニスタなどの一部の人が楽しむもの」と定義しているかもしれません。学生時代は渋谷や原宿に買い物に行っても、社会に出て、子育てをするととりあえず着てればいいよねという感覚になってしまいます。男性でも、自分の適正なファッションが分からず、マネキン買いをする人が多いです。しかし、ファッションは衣食住の一部で、生きていく上ですごく大事なパーツです。自分が変わると、家族やパートナーにも良い影響が出るので、実際にお客様からも「QOL(生活の質)が上がった」と言っていただけることがあります。
ここからは勅使河原社長のことをお聞かせください。学生時代の思い出はありますか?
昔から洋服が好きな子どもでした。
母親が洋服好きで、2つ上の姉がすごく可愛い服を着ているのをみて、うらやましいと思っていました。というのも、私は小さい頃はちょっと太っていて、姉のおさがりが入らず、スキーウェアのようなモコモコの服を着ていたそうです。
少し大きくなってからも洋服は大好きで、千葉県に住んでいましたが渋谷や原宿で買い物をしていました。
しかし高校卒業後は立教大学の社会学部に進学しました。ファッションの専門学校に進みたいという思いがありましたが、自分には無理だろうと思って諦めていましたね。また、通っていた高校が進学校で、周囲の目もあり断念しました。ちなみに、社会学部を選んだのは、ファッション誌の編集やメディアの仕事につながれば、という思いがあったからです。
新卒はファッション業界に進まれるのでしょうか?
いいえ、金融の道を選びました。就職活動ではアパレル業界を視野に入れていたものの、「営業は向いてない」「どうせ無理」と早々に諦めていました。そして入社後は外国為替の部署で働きました。職場では規律や礼儀、コンピュータースキルなど、社会人としての基礎を徹底的に学びました。そのため、次の職場がとても自由に感じましたね。
どちらに転職されるのでしょうか?
生意気にも「30歳までこの今の働き方するのは違う」と思ったことや、アパレルをやってみないと一生後悔するなと感じて、社会人2年目の時に夜間の専門学校に通い始め間ました。アパレルの専門的な知識がなかったので、最初はユナイテッドアローズでアルバイトからスタートし、少しずつ自分なりにキャリアを積み上げていきました。地道な仕事ではありますが、データを分析して提案して、会社の売上を伸ばす仕事が好きでした。
社会人時代に将来経営者になりたいという気持ちはありましたか?
新卒で入った会社の同期に「いつか起業したい」と話していたみたいですが、具体的なことは何も決まっていませんでした。組織の中で働くことが苦手なのではないかと思っていたので、社長の選択肢があったんだと思います。
そこからアパレルで少しずつ経験を積ませていただき、最終的にこのパーソナルスタイリストにたどり着きました。
最初は個人事業主として開業し、スキルシェアの一環で服選びをお願いするのが当たり前の選択肢になる未来を作りたいとの想いで法人化しました。法人化した方が私の考えが世間に広まり、信用力も大きいと感じたことも理由の1つです。
経営者の仕事で大変だったことを教えてください
日々挑戦の連続ですね。
「パーソナルスタイリスト」はまだまだ社会的な認知が低く、「何をする仕事?」と尋ねられることも多いです。そのため、知っていただくきっかけをいかに自分がたくさん作っていけるかが重要だと考えています。
自分が名刺がわりになっているので、SNSだけでなく、経営者が集まる会で情報交換をして積極的に自分の口で発信をしていくようにしています。まだまだ自分の考えるゴールには遠いですが、その分伸び代があると思っています。
今後の展望を教えてください
今後はスタイリング事業と育成講座の二本柱をさらに伸ばしていきたいと考えています。
育成に関しては、同じ志を持って一緒に走ってくださる仲間の存在が欠かせません。共感してくださる方々とチームを組みながら、より強い組織づくりを目指しています。育成講座はいま私がメインで担当していますが、将来的にはこの講座をしっかり主催できる方をさらに増やしていきたいです。
そして、これからは「パーソナルスタイリストってこういう仕事だよね」といった固定概念を壊していきたいと思っています。実際に私たちの受講生の中にも、撮影をメインに活動している方や、お稽古レッスンのような形でスタイリングを教えている方など、独自のスタイルで仕事をしている方が増えています。
技術だけでなく「自分らしいスタイリスト像」を見つけてもらうことを大切にしています。
私も人と比べて落ち込んだことがありますが、最終的な形はみんな同じにはなりません。1つひとつの困難を乗り越え、好きなファッションを武器に、自分らしい一人前のスタイリストがどんどん増え、クライアントに対してもその人らしく輝くためのサポートをしている。そのような人たちが日本全国に溢れた状態にしたいです。
ライバルは増えるかもしれませんが、業界が盛り上がった方が幸せにできる規模が広がると考えています。だからこそ、自分で主体的に考える力を身につけてほしいと思い、指導にあたっています。
おすすめの書籍を教えてください
ジェームス・W・ヤングさん著書の『アイデアのつくり方』をおすすめします。とても薄く、30分もあれば読めてしまうような本ですが、アイデアを生み出すためのエッセンスがつまっています。既存にあるものを組み合わせるだけで、アイデアってこう新しいものになることが書かれており、読めば読むほどこの本に尽きるなと感じる1冊です。
ぜひご覧ください!
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投稿者プロフィール

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