今回はサイクラーズ株式会社代表、福田 隆氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | サイクラーズ株式会社 |
代表者 | 福田 隆 |
設立 | 2020年9月1日 |
主な事業 | グループの事業の統括
グループの経営の統括・戦略の立案 グループの法務、財務、経理、人事等の統括及びグループ会社からの当該業務の受託 グループのIT戦略・企画及びグループ会社を含む共有システムの維持管理 グループの広報活動に関する企画、立案、実施 グループのコンプライアンスに関する監視 グループのEMS、ISMS業務の補完 リサイクル業界に関する調査研究及びその受託並びにそれに付帯又は関連する業務 |
社員数 | 204名(取材時、サイクラーズグループ全体) |
会社所在地 | 東京都大田区京浜島2-20-4 |
会社HP | https://www.cyclers.co.jp/ |
事業内容についてのご説明をお願いいたします
当社は循環型経済モデルというサーキュラーエコノミーを志向することをビジョンとして、あらゆる会社を循環させる企業集団を形成しています。事業会社の中には1902年創業と歴史のある、東港金属株式会社があります。また新しい取り組みとしてリサイクル系のIT事業を行うトライシクル株式会社を2018年に設立しました。このように古い部分と新しい部分やリアルな現場とITを使った会社を組み合わせることでサーキュラーエコノミーが実現します。
特に、私たちはリサイクル業界自体を大きくアップデートしていこうと思っています。リサイクル業界のDXを推進するために、トライシクル株式会社はでは電子契約サービスやBtoB版の中古品マッチングプラットフォームを作っています。
サイクラーズ株式会社はどのような役割なのでしょうか?
サイクラーズ株式会社が親会社として統括し、その傘下に東港金属株式会社、TML株式会社、トライメタルズ株式会社、トライシクル株式会社が事業会社としてあるというイメージですね。今後会社が増えていった時を考えて持株会社制の会社にしました。
学生時代に熱中したことはありますか?
学生時代を通して人格形成にかなりの影響があったのはラグビーですね。中学1年生から大学4年まで10年間ラグビー部に在籍していました。私は良いプレーヤーとは言えませんでしたが、自分の不得意なところで勝負するのではなく、得意なことを伸ばすことをラグビーから学びました。
大学では何を学ばれていたのでしょうか?
成城大学の経営学科を卒業しました。父が家業を経営していたので、将来のことを考えて経営学部を選択しました。同級生は新卒で大企業に就職することを目指していましたが、私は気が向いたら家業を継ごうかなと漠然と考えていました。そのためゼミでは会計を中心に原価計算などを勉強していました。
会社員時代で記憶に残っているお仕事はありますか?
私はミネベア株式会社(現ミネベアミツミ株式会社)、EMCジャパン株式会社(現DELL-EMC株式会社)で会社員として働いていました。とても楽しかったですね。今から振り返ってもとてもハッピーな期間でした。
最初に勤務したミネベア株式会社はBtoBの部品メーカーでした。お客様は日立製作所やソニー、日本アイ・ビー・エムなどの一流の会社です。プロのバイヤーやエンジニアに商品を売り込んでいく仕事はロジカルシンキングの勉強になりました。お客様からデリバリーのスケジュールや技術的な要望を着実でスピーディに応えることが仕事に直結し、とても面白かったです。愚直にお客様に向き合いロジカルに考えた結果として、日立製作所と日本アイ・ビー・エムの2社から表彰をいただきました。
素晴らしいですね。順風満帆な会社員生活ですが、なぜ家業に戻られたのでしょうか?
そうですね。2002年2月1日に家業である東港金属株式会社に入社しました。入社当初は現場に配属され、会社に関して勉強をしていました。入社から3ヶ月ほど経った時に会社が大口のお客様をロストしてしまいました。その穴埋めをするために私が営業職に転換することになりました。社長の息子でもあったので、気合いを入れて仕事をしました。効率的に仕事をするためにスクーターを購入し、営業をしていましたね。当時はインターネットもないので、紙媒体を見たり飛び込み営業をしたりしました。やってみると意外と飛び込み営業の成果率が良く、トップセールスになることができました。
営業から社長に就任された経緯を教えてください
私が入社して半年で社長であった父が急逝し、私が4代目の社長に就任しました。最初は会社の改善や営業活動を主体としていました。
廃棄物処理施設やリサイクル設備の事業を進めている中で、東京でリサイクル事業者としての強みは何か考えるようになりました。東京だと場所も狭いし、地方にも勝てないという現実がありました。しかし東京の特性を活かし、エンジニアがいるITを使ってリサイクル業界に勝負した方が良いのじゃないかと考え始めました。そこから私が学校に通って、AIのロジックを学びアルゴリズムを作りました。勉強する中でリサイクル業界のITの遅れを感じ、トライシクル株式会社を2018年5月に設立し、翌2019年1月「ReSACO(リサコ)」というプラットフォームアプリをリリースしました。
社長に就任されて大変だったことはありますか?
2007年に東港金属で千葉にリサイクル工場を開設しました。工場が稼働し始めた時は資源バブルで景気が良かったのですが、その直後にリーマンショックが起きて景気が悪くなってしまいました。工場がオープンしてすぐに景気が変わってしまったので、立て直し対策に必死でした。
トライシクル株式会社での「ReSACO」の立ち上げもすごく苦労しました。将来的にはポテンシャルが高いのですが、現実的なキャッシュポイントやマネタイズ、売上を常に考えていました。マーケット自体も大きいわけではないので、今後広げていかなければならないところが難しかったです。個人の中古品は出品者の利益になりますが、BtoBの中古品は自分のポケットマネーになりませんし、PCや機械を売る際には細かい説明などあり、それを煩わしいと感じる方が多いのが事実ですね。ハードルが低くなるような中古品の形態を考えないといけないと思っています。
苦労はどのように乗り越えていったのでしょうか?
千葉のリサイクル工場では対策は効率改善、生産性改善をしました。リサイクル事業は製造業の要素が薄くて処理業になってしまっているので、細かい対策を積み上げる習慣がありませんでした。ですので、色々な生産性改善をしていくことで目に見えて効率的になり、結果が変わっていきました。最終的には設備稼働率は2倍以上に増えていきました。
また3年ほどかけて6回の値上げをしました。値下げをして売り込んでいくのではなく、私たちの価値をしっかりと伝えてお客様にサービスの良さを分かっていただくように努めました。商品の値上げをすることで、その利益を現場の作業員の働く環境や給与に還元したり、将来のための研究費にしたりしています。
「ReSACO」に関しては現在カーボンニュートラルがキーワードになっています。中古品をリサイクルすることで、環境負荷低減や実質温室効果ガスゼロの方面から企業のメリットを打ち出していきたいと思っています。
今後の展望を教えてください
循環型経済モデルを続けていきたいです。江戸時代は循環型社会と言われていました。具体的にいうとロウソクは使うと溶けてしまいますが、溶けたロウを集めて職人が作り直すと新しいロウソクになります。他にも肥料や草履を直して使うようなリサイクル手法がありました。このように江戸時代から日本に根付いた文化の先にサーキュラーエコノミーがあるので、私たちは新しくITを使って、良い部分を残した形にしていきたいですね。
そしてリサイクル業界のDX化を進めているので、 全力で他の企業もサポートしていきたいです。
経営者におすすめの本はありますか?
成毛眞さん著書の「成毛眞の超訳・君主論 」です。
君主論はマキアヴェリが書いた本ですが、歴史書のため原本を読むのはとても難しいですので、現代版に訳されているものを選ぶのがおすすめです。マキアヴェリの本は面白く、ローマ時代の君主に関して検証しています。君主の考え方や実践方法が学べます。
混迷の時代を生き抜くには、いまこそマキアヴェリを読め! 元マイクロソフト社長にして書評ブログのカリスマ・成毛眞が、帝王学のバイブル『君主論』を大胆に解釈。超実践的な人心掌握術を、自らの経験談を交えて指南する。明日から使える超実用書。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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