今回はシーエヌシー株式会社代表、海保 学氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | シーエヌシー株式会社 |
代表者 | 海保 学 |
設立 | 2014年6月10日 |
主な事業 | カフェの企画開発・運営受託
社内カフェ/フードサービスの提供・運営受託 ウェルネス/環境 事業 食・カフェを中心としたビジネス開発 |
社員数 | 290名(アルバイト従業員含む)*2021年1月現在 |
会社所在地 | 東京都品川区東品川2-2-20
天王洲オーシャンスクエア ネスレ日本株式会社内 |
会社HP | https://cnc-corp.jp/ |
現在の事業内容について教えてください
当社はネスレグループの業務用のコーヒーを取り扱い、カフェサービスの企画・運営事業をしています。またブランドのプロモーション展開をしたり、カフェサービスを提供したりしています。
カフェサービスとはどのようなものでしょうか?
カフェサービスとは通常の飲食店の経営ではなく、社会問題に対して訴求するようなソリューションサービスです。2023年8月7日から後楽園の駅ビルに「クラフト」をテーマにした新たなレベニューシェアモデルを作りました。レベニューシェアとは当社と他の会社様が相互に協力して事業を行い、収益を分配するビジネスモデルです。地元産業だけでなく駅ビルなども協業した形になっています。
店舗の名前は「クラフト&テロワージュ」と言って、お客様が体験したことが自分のものになり、一緒にブランドを作っていく仲間になることを目的としています。秋保ワインや仙台にある漢方のお店「運龍堂」が開発したクラフトコーラやレモネード、特産物のチーズを使ったケーキ、有機クッキーなどの風土を感じられる商品を販売しています。地方の作り手からすると、このカフェが東京のアンテナショップになります。作り手とお客様が一緒にお話をしてコミュニケーションを生み出す場になってほしいと願っています。
現在は、東北をピックアップしていますが全国の地域と一緒に取り組んでいきたいです。レベニューシェアモデルは作り手が一緒のベクトルで、私たちに共感してくれているからこそできると思っています。飲食で働く人たちも地方の方も社会に貢献できることを知ってほしいです。そして今後は地方創生が必ず必要にはなってきますので、私たちの挑戦を他の地域の方にもPRしていきたいです。
学生時代について教えていただきたいです
高校時代はアメリカに留学しました。中学3年生の時にサマースクールを体験したことがきっかけで、海外に興味を持ち、高校1年生の中盤で、アメリカの全寮制の学校に行くことを決めました。インターナショナルスクールに通っていたので、他国の音楽や芸術、食事に触れる機会があってとても面白かったですね。
高校卒業後は今まで勉強してきたことを実体験で学びたいと考えて、2年間ほどニューヨークで過ごしていました。日本では、ひたすら勉強しますが、学びが深掘りされてないと気が付きましたし、改めて「日本ってこうだったなあ・・・」と考える機会になりました。特に感じたのは、日本での飲食店の海外であればチップを貰えてある程度稼ぐことができるので、ギャップを感じていました。
社会人になってからはどのような経歴になるのでしょうか?
父の紹介でヨットハーバーを開発している会社に入社しました。アメリカで特許を取得した亭板浮き桟橋のシステムを日本に輸入設置施工する会社でした。若いうちから富裕層に触れるチャンスがあったのは本当に良かったです。
3年間勤めて、食器屋や外食チェーンを扱う会社に転職しました。
学生時代はカフェでアルバイトをしていましたので飲食に対して興味があり、実は自分の居場所は飲食業にあるんじゃないかと思っていました。転職先は外食チェーン店でありましたが、仕組みを重視した会社でした。サービスはアメリカで経験しましたが、仕組みを学びたいという思いが強かったです。
食材をどうやって仕入れ、調理してお客様に提供するかを実際に見て勉強することができました。店長やエリアマネージャーを経験して、セントラルキッチンがどうなっているのかも見学できました。その後、六本木のカジュアルレストランに転職しました。
何歳で独立されたのでしょうか?
飲食業に転職した23歳ごろから「30歳で独立しよう」と漠然と考え、無謀にも30歳で独立しました。東京の麻布で日本フレンチの店舗を構え、20坪ぐらいの小さなレストランバーを経営していました。最初はとても調子が良かったのですが、リーマンショックで廃業に追い込まれてしまいました。その時、はじめて今まで直観でしか経営をしてこなかったと気がつきました。私は勉強が得意なタイプではなかったので、すべて肌感覚で経営判断をしていたことを反省し、それからマーケティングやマネジメントを勉強し始めました。
飲食業界は物を作って販売する単純なビジネスモデルです。お客様に連絡して来てもらえば飲食業はまわっていくだろうと簡単な考えをしていました。ピンチになった時にどういう資金調達をして、乗り越えるべきなのかという知恵がありませんでした。お客様を喜ばせたいという気持ちだけで経営していたので、リサーチや計画性、プランニングなど管理はしていませんでした。しかし、失敗からマーケティングを学び、どの業界でも基本的に仕事のやり方は一緒だと思っています。昔と今、未来タスクを細かく落とし込んで1個ずつ進めていけば、基本的に仕事は進んでいくと思っています。
飲食業を廃業されて、現在の形態になったのはどうしてでしょうか?
廃業に追い込まれてから、様々な会社のお手伝いをしたり、飲食店を開業したい方にコンサルタントしたり、野菜の流通をしている大田市場の企業再生をサポートしたりしていました。そんな時にネスレの社員の方にお声がけいただき、現在の事業がスタートしました。
外食産業は雇用形態を含めて一般企業に比べると個人事業主も多いので、労働条件が悪いんですよ。まだまだ給与水準も低く、何とか状況を変えられないかと思い、ネスレさんのプロモーションで当社が上手くいけば、ビジネスモデルを他社へ提供できるのではないかと思い参画しました。
起業して大変だったことは何でしょうか?
起業してから数年後にネスカフェ スタンドを引き継いだ際は大変でした。当初ネスカフェ スタンドは、単発でイベント会社が担当していたそうです。もっとネスカフェ スタンドをネスレスタンダードにやっていこうという話になり、当社にお話が来ました。今まで数十人の会社だったのが、ネスレに事業参画してから、いきなりスタッフが100人以上に増えて、とても大変でした。ネスレのブランド効果もあって、アルバイトを募集すると大量に人が採用されますが、離職も多いので負担が大きかったです。
どのように乗り越えたのでしょうか?
マニュアル作っている時間もなかったので、スタッフとは基本方針だけ決めて、細かくコミュニケーションを取るようにしました。スタッフはチャットツールで私やマネージャーとダイレクトで繋がることが出来るので、すぐに問題解決ができるようにしていました。何か不安なことや困ったことがあればすぐに聞いてもらえる体制を整えました。マニュアルは覚えてしまえば見ないことが多いので必要ないのではないかと思っていたので、共通化しているものに関しては簡易的に作っていますが、分厚い読みもしないマニュアルは今も作っていません。大変だったことを乗り越えて、意思決定の速さが当社の企業文化になっています。
どうしてコミュニケーションを基本としたマネジメントにされたのでしょうか?
アメリカに滞在した経験からコミュニケーションの大切さを実感していました。アメリカではダイレクトに意見が言える環境があります。特に私はNYに滞在していたので、ちょっと黙っていると取り残されている感がありました。しかし日本人は同調していく共感性を大切にしています。だからこそしっかりと意見を言える人材で会社を固めていきました。
今後の展望はありますか?
私たちが目指しているのは空間と人を媒体化していくことです。例えば、劇団四季や映画のように、俳優は脚本を演じ、最大限に世界観をつくるという部分が、飲食店にも似ていると考えています。飲食店においても、メニュー=脚本、スタッフ=演者、小物=備品のように置き換えて考えると、演劇や映画と同じようにお客様を惹きつけることができると思っています。
このようなカフェやスタッフがいる店が媒体となれば、新たな価値創造ができると考えています。
また、カフェを媒体化することによって新しいビジネスモデルを作って社会に溶け込んでいきたいです。特に地方では表現することや伝えることが苦手な作り手の方がいます。そういった方の伝道師みたいな役割をしていけば媒体価値が生まれると思っています。飲食業に価値を見い出すことができれば、業界全体で必然的に給料が上がっていくと思っています。新しいビジネスを作ることで、1つの会社に縛られるのではなく雇用の自由化も実現できます。
他の経営者におすすめの本はありますか?
柴田秋雄さん著書の『日本でいちばん幸せな社員をつくる! “やさしさ”を大切にしたら、人も組織も生まれ変わった』です。柴田さんのノンフィクション物語は、日本らしくてとても共感できます。私の中で採用基準は「優しい人」と決めています。人は余裕がないと人に優しくできないので、自分が幸せでいることはとても大切なことだと思っています。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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