今回は株式会社あしたのチーム代表、赤羽 博行氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社あしたのチーム |
代表者 | 赤羽 博行 |
設立 | 2008年9月25日 |
主な事業 | 人事評価制度の構築・運用「あしたのチーム®︎」 人事評価クラウド「あしたのクラウド®︎ HR」 1on1コーチング「あしたのコーチ™」 パフォーマンスデザインプラットフォーム「Cateras®™」 |
社員数 | 150名(取材時) |
会社所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 13F(WeWork内) |
会社HP | https://www.ashita-team.com/ |
事業内容を教えてください
株式会社あしたのチームは「誰もが “ワクワク” 働ける世界を創る。」をビジョンとし、人事制度の構築、見直しからクラウドの導入・運用までワンストップで提供しています。
現在は大きく4つのサービスを提供していますが、その中でも今後特に注力していきたいと考えているのが「Cateras®™(カテラス)」というサービスです。組織の成果を最大化するパフォーマンスデザインプラットフォームで、従業員一人ひとりの可能性を捉え、自律的な成長を促すことで、経営を前進させる組織基盤の形成を後押ししています。
「Cateras®™」がどのようなサービスなのか、詳しく教えてください
人事評価を起点としたクラウドシステムとコンサルティングによって、個の主体性と組織の連携力を高めていくサービスです。現場の成果プロセスを変革し、組織全体が自律的に成長する環境になることを目指していきます。
私自身のこれまでのキャリアとして、人事制度のコンサルティングとSaaSプロダクトの開発・運用の両方に携わってきましたが、ツールを導入して解決するほど人事の課題は簡単ではないと感じています。何よりも大切なのは、きちんと運用をすることです。そのため、「Cateras®™」では場や働き方の異なる個々の能力を定量的、定性的に測る基軸として人事評価を用い、従業員が自身のパフォーマンスを自律管理できる環境を提供することで、組織による成果の最大化を支援します。
また、人事評価から自律型組織の基盤を形成すると同時に、その過程で得られる解像度の高い人材データによってさまざまな人事課題を解決するための機会創出に貢献します。
「Cateras®™」は現場のパフォーマンスを上げるためのアプローチと捉え、どのような企業でも導入できるのでしょうか? それとも、すでに評価制度がある企業に向けたものですか?
管理職の育成・社員の成長に困っている企業様をサポートしていきたいと考えているため、評価制度の有無はそこまで重要ではありません。掛け算の考え方で、何かが足りていない会社でも、仕組みがないからこそできることは何かを考えていきます。当社はワンストップで制度の設計・運用・ツールを提供し、課題解決を目指しますが、あくまでも仕組みや制度は土台として捉え、企業様ごとに状況に合わせて提案をしています。
そして、「Cateras®™」では「働く誰もが、主人公に」なる世界を目指しています。
経営の抱く想いと従業員の向かう道が重なりあい、その場に身をおく一人ひとりが主人公となって「働く」が「冒険と成長の物語」へと変わる組織となるよう、「人とテクノロジーによる組織支援」を進化させ、一人ひとりのパフォーマンスが向上し、自律的なチームを築くための仕組みづくりを広げていきたいと考えています。
ビジョンに共感いただき、ご興味を持ってくださいましたら、ぜひ下記よりご連絡ください。
「Cateras®™」の詳細はこちら:https://www.ashita-team.com/cateras/
お問い合わせはこちら:https://www.ashita-team.com/cateras/form/contact.php
ここからは赤羽社長のことをお聞かせください。学生時はどのようにお過ごしでしたか?
部活動はほとんど経験せず、アルバイトばかりしていた学生時代でした。当時は新卒の初任給よりも稼いでいたと思います。
人に何かを教えるのが好きだったので、塾講師と家庭教師をしていました。家庭教師は口コミで広がったこともあり、多いときには同時に3人の生徒を受け持っていました。また、夜の時間が空いていたので、カラオケの夜勤もしていました。休みなくほぼ毎日働いていましたね。
どうしてそんなに働いていたのでしょうか?
空いている時間がもったいないと感じていたからです。昔から、隙間の時間があると何かしていないともったいない気がしてしまいます。
ちなみに、これだけ働いていましたが貯金をしようと思ったことは一度もありませんでした。やりたいことをいつでもできる状況を作っておきたいと思い、そのためにお金を稼いでいましたね。
学生時代は教師になるのを目指していらっしゃったのでしょうか?
はい。昔から勉強を教えるのが好きでしたし、生徒に教えていく中で漠然といつか教師になりたいと思っていました。しかし、大学1年生の時に単位があまりにも取れなかったため、大学から「2年目からは教職課程に進めません」と通告されてしまいました。生まれて初めて「世の中って厳しい」と感じましたね。
結局、これがきっかけで教師の道は諦めましたが、結果的にコンサルタントになり、今の仕事と巡り合えたので良かったと思っています。
新卒ではどちらの会社に就職されたのでしょうか?
最初に就職したのは、株式会社オービックビジネスコンサルタントです。
当時は「世の中が変わるくらい便利なものを作って、特許を取りたい」という夢を持っていました。また、画期的な発明をして一儲けしたいという下心もありましたね。
内定を頂いた頃はWindows95が出たばかりの時代でしたが、私はなぜかMacを買っていました。ゲームばかり触っていましたが、ITの将来性を感じていたことから、全員がパソコンで仕事をしていく時代の到来を見越してソフトの部分を学びたいと考え、就職を決めました。
しかし、大学では化学を専攻していたので、周りは製薬会社や化学プラント、薬品メーカーなどに就職する人が多かったですね。私もMRの内定をいただきましたが、待機時間が長いと聞いたことから、待つのが苦手な私には向いていないかもと思い、IT業界の道を選びました。
新卒ではどのような仕事をしていましたか?
最初は営業として採用されました。しかし「新人研修で成績が良ければ、希望の部署に行ける」と知り、とにかく全力で頑張りました。そして念願だった開発部門に配属をしてもらえました。
印象的なのは、SaaSのプロジェクトに関わらせてもらったことです。当時はまだ業界内でも黎明期で、会社として初めてSaaS型ソフトをつくるプロジェクトに呼んでもらいました。
その後、転職をされますか?
2002年にスカイライトコンサルティング株式会社に転職しました。
前職では年功序列で評価制度がなかったため、自分よりも圧倒的にできない先輩がいても追い抜けないことにもどかしさを感じていまし、なかなか評価されませんでした。しかし、この経験から正当に評価される環境が自分を成長させてくれるのでは?と思い、転職をしました。またソフトウェア開発はお客様の課題に関われますが、もっとその上流にある課題そのものに向き合いたいと思い、コンサルに転身しました。
印象に残っているお仕事を教えてください
総合商社の新規事業立ち上げ支援です。総合商社が母体となってベンチャー企業を立ち上げて、事業をグロースさせていく経験を積むことができました。今振り返っても貴重な経験だったと思います。
他には、ソフトウェアの請負開発をしている会社がPaaS、SaaS事業に乗り出す際のサポートを行ったのも印象的でした。40億円の投資をして、60億円の売上を目指すというスケール感のあるプロジェクトだったので、上場企業がどのように意思決定をするのか、裏側を見ることができて勉強になりましたね。コンサルタントという立場でありながら、CFOやCEOに近い視点を持たせてもらえました。
どうして今の会社と関わることになったのでしょうか?
実は当社の創業者は私の幼稚園・小学校時代の幼なじみの親友です。
「出資してくれないか」と頼まれて、内容も業績もよくわからないまま出資したのが、この会社と関わることになった最初のきっかけでした。
初めは出資の話だけでしたが、そのうち「事業を手伝ってほしい」と言われるようになり、コンサルの仕事をしながら夜や土日に少しずつ稼働して事業を手伝うようになりました。その後、社外取締役として二足の草鞋を履いている状態から徐々に関わる部分が増えていき、2014年に会社を辞めて常勤取締役に、2020年に社長に就任しました。
社長に就任した当時のご状況を教えてください
会社の資金が4ヶ月後には尽きることが目に見えているかなり厳しい状況でした。
しかし、当社の事業が単なるコンサルでもなく、単なるSaaSでもなく、人や働くということに深く関わる事業である点で、何よりもやる意義があることだと思っていました。
新卒時代から年功序列に対して強い違和感を抱いてきたことから、働くことの課題を解決するビジネスには絶対に未来があると確信しましたし、自分が全ての意思決定ができるポジションに着くことができればこの事業は絶対に成功するという自信があったので、迷わず社長になることを決めました。
経営者になってから大変だったことを教えてください
資金がショートしそうになったことです。社長が代わったからといって、急に資金が潤沢になるわけではありません。そのため、資金ショートと常に隣り合わせでした。
また、2014年に常勤取締役として私が参画した時点の社員は10数名ほどでしたが、そこから一気に拡大し、ピーク時には240人近く雇用したことがあります。
しかし、社員の雇用を守りきれずに、早期退職制度をせざるを得なかった時期もありました。200人以上いた社員が最終的に120人まで減ったこともありました。会社が潰れそうになる状況の中で、どんどん人が辞めていく光景を目の当たりにした時はとても辛かったです。
あしたのチームでは、どのような軸で組織づくりをされていらっしゃるのでしょうか?
自律型人材を育てるのが私の組織づくりの考え方です。社員に対してゴールを決めて、共有したら自分で考えてもらうことを徹底しています。細かく指示をしてしまうと人は育たないため、信じて任せることを決めています。ですが、「任せる」と決めたからには、最後に責任を取るのは社長だと認識し、日々仕事と向き合っています。
どのような基準で採用していますか?
採用は量より質だと考えています。自分で考えて行動できるかどうかが全てだと考え、指示待ちのスタンスの方、受け身の方かは振る舞いや会話の中で見ています。面接の中で100パーセント見抜くのはとても難しいですが、当社に入った時の伸び代を見るようにしています。
今後の展望を教えてください
今後は制度面だけでなく、社員一人ひとりの「やりがい」や「働きがい」にアプローチする「Cateras®™」をもっと展開したいです。労働人口が減っている中で、この社会問題は今だに解決されていません。1人ひとりのやりがいをフォーカスして、誰もが主人公になっていくことが、社会課題の解決になると思います。
今後はAIを活用しながら事業展開していきたいです。
おすすめの書籍はありますか?
稲盛和夫さんの『生き方』がおすすめです。会社の経営でも稲盛さんの考え方を大切にしています。若い頃に読んで、考え方とか行動が変わった一冊です。今でもワクワクして働けるのはこの本のおかげです。
赤羽社長の仕事のワクワクはどこから来てるのでしょうか?
私は、毎日ワクワクしています。なぜなら、新しいことにチャレンジして、サービスを世の中に産み落としたいと思っているからです。また人が成長しているのを見るのは本当に楽しいです。個々のキャリアとか可能性に光を当てることのできる当社のサービスをもっと拡大していきたいと思い、邁進しています。
稲盛和夫著『生き方』 |
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企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。
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