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株式会社andUS代表 廣岡 伸那氏

  • 06/30/2025
  • 06/30/2025
  • 人材
  • 80回

今回は株式会社andUS代表、廣岡 伸那氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 株式会社andUS(アンダス)
代表者 廣岡 伸那
設立 2012年6月1日
主な事業 コスメ事業

美容サロン向け化粧品の製造・販売

ソリューションサービス事業

美容サロン向けソリューションサービスの提供

ラボラトリー事業

美容サロン向けサービス・商品の研究開発

メンバー数 30名(取材時)
会社所在地 富山県富山市根塚町3丁目8-7
会社HP https://corp.and-us.jp/

 

事業内容を教えてください

株式会社andUS(アンダス)では美容サロン向けの化粧品メーカーとしての仕事を中心に、経営支援や教育、会計支援を行っています。

当社は単なる化粧品メーカーではなく、美容サロンオーナーさんのサポートをしているところが特徴です。化粧品が売り切れるまでのサポートはもちろんのこと、信頼を築くことができたら経営の教育もお伝えしたり、会計の支援も行っています。化粧品を入口にしながら経営ソリューションを扱っている会社です。

 

どうして美容サロン向けの経営ソリューションを始められたのでしょうか?

前職では化粧品会社に勤務しており、仕入れていただいたものを最後まで販売しきれるようサポートをしていました。その際に確定申告が必要とのことで、お手伝いをしました。これが原体験となっています。

なにか戦略があってこの事業を始めたわけではなく、オーナーさんのお困りごとを解決したいと考え、真剣に向き合った結果、この事業が出来上がりました。

また、BtoBのプロフェッショナル向けの化粧品会社は、卸した金額が成果になりますが、当社の場合は消費者の方に使って頂き、喜んでもらうことをゴールとしています。だからこそ、卸してくださっているサロンには、在庫がなくなり、お客様のリピートが生まれるところまでサポートを行っています。

 

会計サポートはどのようにお客様に提供していますか?

当社の商品さえ仕入れていただければ、美容サロンの経営に特化した教育コンテンツと会計・財務支援サービスである「Fice(ファイス)」を月額1,950円~ご提供しています。会計ソフト「Freee」と公式提携しており、コンサルティング会社や会計事務所に設定していただくより、とてもお得に利用できます。

なぜこのサービスを提供しているかというと、サロン経営のすべての不安・悩みは、出遅れた会計状況からくる 収益性の不透明さが原因だからです。そのため継続して使って頂けるよう、忙しい個人事業主の 美容サロンオーナー様の声をもとに開発しました。

当社はサロンに高額商品を売っていただくのではなく、化粧品である程度の利益を確保できれば、粗利益の中でお客様をサポートできる体制を整えています。

https://corp.and-us.jp/service/fice

 

美容サロンのオーナーさんをサポートするために、どのようなメンバー教育を行っていらっしゃるのでしょうか?

昔は良い商品を出せば売れました。しかし、今は良い商品にプラスアルファの要素が必要です。だからこそ、メンバー1人ひとりの個性や専門性のトレーニングが必要になっていきます。そのため当社では全メンバーが入社3年以内に化粧品検定2級以上、ファイナンシャルプランナー3級以上、ビジネス選択理論能力検定3級以上を取得するようにしています。

化粧品検定は当社の商品だけでなく、一般的な化粧品の知識を身につけるためです。ファイナンシャルプランナーは、個人の資産形成を学べますので、サロンオーナーに数字面でのアドバイスができるようになります。オーナーさんのほとんどが個人事業主でお店のお金がダイレクトに家計に影響するため、サポートをするうえでとても大切なものとなっています。ビジネス選択理論能力では、ビジネス上の関係構築ができるようになります。

当社のメンバーはミッション、ビジョン、バリューに共感して全国から集まってきていますし、人柄もとても良いです。加えて、お客様から見ても専門人材が美容サロンをサポートする体制が整っているからこそ、メンバーへの信頼が厚く、多くのサロンに選ばれているのだと思います。オーナーさんからも「子どもを就職させたい」という嬉しいお言葉をいただくことが多いです。

 

現在、採用を募集しておりますので、当社にご興味のある方は下記より詳細をご覧ください。

HP URL:https://corp.and-us.jp

採用 URL:https://corp.and-us.jp/recruit

 

ここからは廣岡社長のことをお聞かせください。学生時代に頑張ったことを教えてください

バンドをやっており、ギターの弾き語りやライブをしていました。人前で話すことは昔から数多く経験してきましたね。当時の私は、プロとして仕事がしたいと思っていました。

そのため、就職活動は見送ろうかと思っていましたが、バイト先のバーのお客様に人事の方がいらっしゃり「音楽は新卒ブランドで1回就職して辞めてからもできるよ。新卒ブランドは今しかない、就活は自分の市場価値知る上でやった方が良い」と仰っていただきました。この言葉がきっかけとなり、音楽は途中で諦めて、就職活動に専念しました。

就活をいざ始めてみると、プレゼン練習やSPIを勉強を一生懸命して、内定を数社いただきました。その中でも、面白そうだったのが化粧品会社ばかりで、直感で惹かれていると自分で感じましたね。知り合いの美容師の方にも相談していたので、化粧品業界が身近にあったのだと思います。

 

美容は昔から興味があったのでしょうか?

美容への興味に関して今から話すことは、コロナ禍に思い出し、この業界で絶対に役に立つ存在になるために頑張ろうと腹を決めたきっかけの記憶です。

私は小学校入学直後、自分の名前が書けずに教室を飛び出したことがあり、学校では変な目で見られていました。そして5月のゴールデンウィーク中に家族何組かでバーベキューした際、事故に遭いました。眉毛とまつ毛、前髪が全部燃え落ち、顔面を火傷しました。連休明けに顔中ガーゼだらけで学校に行ったのですが、そこから壮絶ないじめにあいました。

夏休みも誰とも遊ばずに過ごしていたのですが、9月になると髪の毛が少しずつ生えてきて母が見るに見かねて美容院を予約してくれました。美容師のおばさんが色々と話かけてくれて、最後に「スッキリしてかっこよくなったよ、学校が楽しみだね」と声をかけてくれました。その言葉で初めて学校行きたいと思えるようになりました。学校にいくとクラスの女子が「あれ、髪切ったの?スッキリしたね」と声をかけてくれました。髪を切ったのをきっかけに、いじめに本格的に立ち向かって前向きになれました。

だから私にとって美容師はとても大切な存在なのです。成長する過程で、常に人生のライフイベントの横に美容師がいました。

 

新卒でご経験されたお仕事について教えてください

私は入社した会社で社長になるのを目指しており、会社の商品を片っ端から使って勉強していました。

新卒の時は、化粧品のサンプルを持って一般住宅に訪問販売をしていました。その場で話をして、化粧品サンプルをお配りし、その場で化粧品を注文していただく仕事なのですが、関係ができたお客様にお友達を呼んでいただいてスキンケアレッスンをしたりと、売上をどんどん伸ばしていきました。化粧品を女性にお届けすることによって、笑顔をいただける仕事が好きでした。

僕自身も外見コンプレックスを持ってたので、とても楽しかったです。

また、ホスピスに訪問をして、ボランティアで女性の患者様にお化粧をする仕事も経験しました。認知症の方でも化粧をすると、一瞬記憶が戻ることがありました。美容の力に触れる、本当に一生物の経験をしましたね。

 

どうして起業されたのでしょうか?

東日本大震災があった時に、復興支援ボランティアで福島に行ったことが起業をするきっかけとなりました。

今後、自分がどこでこういう目に遭うか分からないと思った時に、ふと実家を思い出しました。自分の家族と疎遠のまま人生が終わったら後悔すると思い、仕事を辞めて帰ることを決断しました。

そして、妻のマツエクサロンを法人化する必要があったことから、当社を設立しました。元々化粧品会社で仕事をしながら、妻のサロンのサポートを行っていたのですが、行動力が素晴らしく、あれよあれよと業績が上がったことで法人化することになりました。

また、会社名はデザイナーの兄が考えてくれました。色々とヒアリングを受けた結果、私は頑張る人のサポートをするのが好きだったので、「主役のあなたと共に」「あなたの為に案を出します」という意味を持つ「and US(アンダス)」と名付けてくれて会社のロゴも作ってくれました。起業後の3年から5年ぐらいは名前負けをしていましたが、社名に自分が近づけなければ辻褄が合わないと頑張りました。自分自身が満たされて、人にサポーティブに関われて、誰かを主役にできる日本社会になってほしいと思っており、その一助を担えるよう、邁進しています。

 

仕事をしてきて大変だったことはありますか?

最初の5年間は人間関係で悩みました。とにかく未熟だったので、売り上げを上げることだけに集中していましたが、そのせいで人間関係のヒビが入ってしまい、メンバーVS私たち夫婦の構図になっていました。

そのため、1回リセットしてちゃんと会社として出直そうと、全員に退職してもらうというハードな決断をしました。

そして、そこからは自分たちがもっと会社として・社会にどんな貢献ができるのか考えた上でやってかないと生き残れないなと勉強して学んでいきました。私と妻の強みを掛け合わせて何かできないかということで、今の形態になりました。

2012年から2019年まで、努力して、勉強して、身を粉にして我慢して、真面目にコツコツやりましたが、全然うまくいかないため、私は成功者に選ばれなかったんだなと感じていました。しかしやっと2019年12月にようやく化粧品事業で単月の黒字が出た時に、達成感を感じました。しかし、成功者の階段1歩上ったところで、新型コロナウイルスが拡大しました。

 

売上は下がるのでしょうか?

はい。しかし、私はこの時にしっかりと決断をしました。今までは夫婦経営だからとか、富山でやってるし、地方だし、日本の景気がよくないしと、自分の中で言い訳がありました。しかし、美容サロンの人たちが大変なとき、「今、恩返ししないといけない。全て行動に移すぞ」と決めて経営をしていきました。覚悟を決めてからは経営はV字回復していきました。

 

経営する上で大切にしていることはありますか?

人間万事塞翁が馬なので、うまくいっている時は、まずくなった時どうするかを考え、まずい時はこれをチャンスと捉えるようにしています。現在は、上場を目指しているので会社をぐっと厳しい状況に追い込んでいます。私は高い目標を設定して自分を追い込む挑戦をしています。環境を作って強くなってきたタイプなので、今のスタイルが合っています。

 

今後の展望を教えてください

まず大前提として、今後も美容サロンのコミュニティを全国規模でどんどん強化していきたいです。ですが、これは大前提のもので、私が本当にやりたいのは、「人が人を支えられる社会」をつくることです。具体的には「サポーティブ・リーダー」と呼んでいる、誰かを主役にできるような、満たされた人たちを100人作りたいと思ってます。社内にも、お客様の中にも、そういったリーダーをどんどん増やしていきたいです。

andUSは美容サロン経営者・従事者のひとりひとりの「経営の独り」に寄り添い、自力解決をサポートし、サポーティブ・リーダーとして活躍いただき、地域のお客様に肯定的影響力を拡げていきます。

 

おすすめの本を教えてください

『ビジョナリーカンパニーZERO』は、8回以上読んでいる大切な本です。会社組織がバスだとすると、バスの行き先を決めてから人を乗せるというのは一般的な会社経営です。ビジョナリーカンパニーゼロでは、まず行き先を決める前に誰をバスに乗せるかを重視しています。この本の影響を受け、私はまず誰を当社に入れるかが重要だと思っています。また、自ら従いたくなるような技術がリーダーシップであると書かれていますので、まだまだ勉強中ですが、リーダーシップもさらに身につけていきたいです。

ぜひ読んでみてください。

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4296000322

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!