今回は、株式会社アル・シェアの代表取締役 藤田浩治氏にお話を伺ってきました。
前社長の急逝により、いきなり会社の立ち上げ直しに直面した藤田氏。
それを支えたのは、亡き前社長の遺志を後世にもつなげていきたいと思う、声優業に対する熱い思いでした。
人が人を呼び、さらに人が集まる・・・。
今後もたくさんの人との縁をつなぎ、さらに声優業界が発展していく姿が目に見えるようです。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください。
株式会社アル・シェア 会社概要
会社名称 | 株式会社アル・シェア(旧 株式会社同人舎) |
代表者 | 代表取締役 藤田浩治(ふじた こうじ) |
設立 | 2012年4月2日 |
主な事業 | タレント、俳優、声優、歌手、クリエイターの出演斡旋、育成、マネジメント業務 テレビ、ラジオ、インターネット、ゲーム、コマーシャル、教材用等の各種ソフトの企画、制作、販売 マルチメディアコンテンツの企画、制作、販売、輸出入並びに広告宣伝業 WEBサイトの企画、構築、デザイン、制作、運営、メンテナンス 各種システム及びソフトウェアの企画、開発、販売 グラフィックデザインの企画、制作、販売 イベントの企画、制作及び運営、講演会、交流会、セミナー等の開催 |
社員数 | 115名(取材時) |
会社所在地 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-18-9 ハイシティ高田馬場410 |
会社HP | https://al-share.co.jp/ |
まずは、藤田さんの起業までの経緯を教えてください。
私は大学3年生の時に、声優の勉強を始めました。専門学校に1年通い、日本で1番初めに株式会社として設立した同人舎プロダクションに合格し所属しました。
その後、プロダクションの社長であり、私の師匠でもある小林修さんが亡くなり、会社自体が解散になってしまったんです。
その後、さまざまな方々にご相談したところ、「もう1度事務所を立ち上げ直したらどうか?」と、アドバイスをいただき、弊社を設立しました。
2012年に再設立しましたので、今年で11期目になりますが、同人舎プロダクションの創業から数えると、57年目の老舗事務所です。
なぜ、会社を再度立ち上げようと思ったのでしょうか?
同人舎プロダクションでは、声優として所属していただけではなくスタッフとして、声優のスケジュール管理・事務処理、養成所の運営、Webや誌面への広告発行など運営業務をしていました。
私は声優・スタッフとして、小林修さんは師匠であり社長として、長期に渡り師弟関係でつながっていました。
振り返ってみると、急逝されたこともあり、師匠がその後の会社のご意向を、社員に伝えられなかったことは大変残念に感じております。
伝統を受け継ぎ、師匠の志を継いで会社を存続させていきたいという強い思いが、会社の再設立に結び付いたのだと感じております。
改めまして「株式会社アル・シェア」の事業内容について教えてください。
弊社は大きく6つの事業に分かれていますが、その中でも3つの事業を主軸としています。
まず、アニメ、洋画、スマホゲーム、動画広告のナレーションなど、声優が出演する仕事です。
次に、将来的に声優を目指す方達の育成訓練所、私たちは養成所と呼んでいます。
声優になるための専門的な訓練方法を学び、弊社プロダクション所属を目指す育成機関です。
最後に、企業・個人事業主向けに表現力改善研修を行っています。
「株式会社アル・シェア」ならではの特徴やサービスはありますか?
先程述べました、企業・個人事業主向けに表現力改善研修を行っていることです。これは日本で唯一、弊社にしか行えない事業です。
自分の熱意や想いを人に伝えたいと思っていても、表現方法を訓練したことがなく、無意識で話しているため、想いと相手に伝わる感情にギャップが生じており、問題が起きているという場面をよく見かけます。例えば、パワハラはまさに声から起きていることが多いです。
芝居の訓練方法から培った、「感情表現を相手に的確に伝えることができるようになる」改善研修を行っています。
話すことがない法人、団体、個人事業主は存在しないため、あらゆる業種、業態の方にご受講・ご注目いただいています。
起業後、どのような苦労がありましたか?
師匠が亡くなって、いきなり会社がなくなるというところからのスタートでしたので、正直今後も声優業を続けていけるのかという不安がありました。
また、後輩達は拠り所がなくなってしまい、路頭に迷いそうになっていました。その姿を見て、「いち早く自分が事務所を立ち上げなくては!」という思いが強くなり、期間を半年空けずに、事務所に関わる色々な事業体を回って、急ピッチで立ち上げ直しを行ったんです。
今までお付き合いがあったところへの挨拶回りは件数が多く、大変でした。会社によっては、今までの同人舎と違う法人なのではないかと思われ受け入れられないこともあり、苦労しました。それを払拭するまでにかなりの時間を要しました。
さらに、元々同人舎に所属していた先輩方は半年の期間が空いている間に、他のプロダクションに移籍していました。
そのため、声優が私を含めて8名、スタッフが2名という厳しい人員で、バーチャルオフィスからのスタートとなりました。
事業が好転したターニングポイントは何ですか?
人とのつながりと、良いご縁がたくさんあったことだと思います。
声優の所属数を増やしていく際に、弊社所属の声優がそれぞれ自分の芝居仲間を紹介してくれたんです。
そして、その中から弊社に所属して、また別の方を紹介していただくというスキームが回りだし、どんどん所属者が増えていきました。
現在はスタッフ5名、声優110名と、多くの方に所属していただいております。
現在の課題は何ですか?
私は2つの課題があると考えています。
まず、声優業が職種として有名になってきたのは非常にありがたいことではありますが、声優の数が増えすぎてしまい、仕事の需要と供給のバランスが合っていない現状があります。今後の将来を見据えて考えると、このバランスを何らかの方法で改善しないと、声優業界全体が縮小する可能性があります。
次に、声優自身が、他職種を掛け持ちしながら、必死に生活している方が多い状況です。
これを改善しない限り、声優業は持続できない職種の域から脱出することはできません。
声優のスキルを活用した仕事の幅を広げ、もっと需要を伸ばしていくことが必要と思われます。
今後の事業の展望や夢を教えてください。
声優が生涯を通して声優業を続けていける環境作りをしていきたいと考えています。
結婚、出産、育児、介護などのライフイベントを当たり前にできないのが、今の声優業界です。声優を続けるために、何かを諦めざるを得ないことは大変悲しいことです。
ライフイベントで経験したことは、声優業にも役柄として活きてきます。そういった意味でも、声優業とライフイベントを両立できるようになると良いと思います。
最後に御社のPRをお願いします。
弊社では日本で唯一、プロの声優が直接指導する表現力研修「声のコンサル®」を展開しています。
思いや熱意が思ったように伝わらないことで会社やお取引先、上司部下の関係性など改善できる点は多々あります。
人間は感情で動く生き物です。表現力を改善することで相手の行動を変化させ、売上アップや社内の生産性向上につながり、人脈形成や生涯年収も大きく向上します。
ご興味のある方は、ぜひお声がけください。
藤田さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!
『ビジネスモデル2.0図鑑』 近藤哲朗(著)
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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