今回は株式会社スモールウィン代表、小山匡子氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社スモールウィン |
代表者 | 小山 匡子 |
設立 | 2021年10月27日 |
主な事業 | 化粧品技術/コンサルティング事業
茶道思考/ビジネス研修運営事業 |
会社所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区松見町 4 丁目 944-25 |
会社HP | https://www.smallwin.jp/ |
事業内容を教えてください
化粧品の技術コンサルティングと茶道の精神をビジネスに応用した研修の2本柱でビジネスを行っています。
また、お茶の魅力を余すことなく使った「茶みゆ」というハンドクリームを製造しています。
ハンドクリームの開発は経営者としてやっていく、という覚悟を決めた商品でもありました。自分の持っている知識をビジネスに活かせる自由度があり、開発はとても楽しかったです。茶畑と提携しており、SDGsの要素もある商品です。ご興味のある方はぜひ下記リンクより商品をご覧ください。
学生時代に夢中になったことを教えてください
私は8歳から茶道を習っており、茶碗を扱う機会がよくありました。茶碗の形や釉薬の色・流れに興味を持ち、セラミックを学ぼうと大学は工学部に進学して化学の研究を行っていました。工学部に進学する女性は少ない時代でしたが、友達と一緒に化学の反応や温度管理について話し合って研究に打ち込めて楽しかったです。
サークル活動では競技スキーに取り組みました。スキーは1人で滑るイメージがありますが、実際はみんなで合宿に行ったりフォローし合ったりして切磋琢磨しながら成長をします。競技スキーを通して、仲間意識や技術を磨くために努力することを学びました。思い返すと、学生時代から自分の興味のあることに一生懸命になってしまうところは、今も変わっていませんね。
社会人はどのようなキャリアからスタートするのでしょうか?
新卒で味の素株式会社に入社して、化粧品原料の研究開発・テクニカルサービスを担当しました。大学入学前はセラミックに興味を持ち化学の道を選びましたが、大学時代に化学の中でも様々なジャンルがあることを知りました。そこで界面化学の面白さを知って、界面活性剤を勉強できる研究室に入りました。界面活性剤は洗剤や化粧品、食品の乳化剤の研究に繋がっており、研究していたことを活かせる会社に就職を決めました。味の素株式会社では部署やポジションを変えながらも研究に関わり、博士号も取得しました。
その後、転職をされるのでしょうか?
そうですね、2回転職を経験しました。一回目は味の素株式会社のような大企業の歯車として働くのではなく、もう少し自由度のあるベンチャー企業で働きたいと思い転職を決めました。大学発のベンチャー企業でしたが、博士号を持っていたこともあり、とても歓迎してくださいました。しかし、ベンチャー企業は資金繰りや基礎的なところが固まっていないので自分たちで作っていかなければならず、なかなか自分のやりたいことがやれないと知りました。加えて、環境を整えるためにはお金が必要なのだと勉強になりました。明日会社があるかどうか分からない状況だったので、もう少し落ち着いた会社に転職しようと考え、3社目は食品の原料や乳化剤のビジネスを中心に扱っている会社で働きました。
社会人時代に思い出に残っていることはありますか?
私が新卒の時に「わくわくしながら毎日研究してなきゃ駄目だよ」と話しかけてくださる45歳ぐらいの先輩社員がいました。彼との出会いはとても大切だったと思っています。
物と物を混ぜてどうなるかという実験でも「どうなるんだろうか」とわくわくして待つか、会社としての指示として待つかでは心の持ちようが違いますよね。新しい界面活性剤の研究開発の仕事があり、みんなで話し合って意見を交わして、わくわくしながら作り上げました。開発したものが販売された際には1つの成功体験につながりました。今でも販売されている洗顔フォームやシャンプーの商品に私が開発した界面活性剤が使用されているのをみると嬉しくなりますね。
研究のやりがいはどんなところにあるのでしょうか?
考えてきた結果が数字や現象に出てて、オリジナリティが具現化された時ですね。文献にはこうやって書いてあるけれど実際にやってみたら全然違うことが起こるんじゃないかなと推測したことに対して、予測通りの結果が出たときは面白いです。
どうして独立されたのでしょうか?
研究職として長年キャリアを積んできましたが、50代になって研究をマネジメントをしたり、技術的な視点でお客さまにアドバイスする営業のような仕事をしていました。バックアップ中心の業務を通して、新しいものを作っていく仕事は若い人には敵わないからこそ、もっと若い世代の育成に力を入れていきたいと思うようになりました。今まで自分が培ってきたことを他の方に伝えて、それがきっかけとなって新たなものを作っていただく、そんなサービスを提供したいと思い独立しました。
茶道思考を伝える研修は、どのように始めたのでしょうか?
私が前職で課長職になった時から、将来の経営者になるための研修を受けたり、ビジネススクールに通ったりしていました。そこで、ビジネスでは人と人のつながりや周りの人に感謝することの大切さを学びました。その時にビジネスと茶道の世界は共通するのではないかと自分の中で一致して、独立後に皆様に考え方をお伝えしたいと思うようになりました。
起業してから大変だったことを教えてください
ビジネスに茶道の思考法は応用でき、ビジネスの課題解決に繋がるに違いないと自分では分かっているのですが、お客さまにどのように伝えれば良いのか分からず試行錯誤しました。
ビジネスと茶道との距離が遠いので、事業内容の作り込みに苦労しましたね。
どのように乗り越えたのでしょうか?
当初は茶道を習いたくないビジネスマンに、茶道思考を研修で発信をしていかなければと思って研修内容を考えていました。しかし「お茶に興味がある、弟子になりたい」というビジネスマンの方が何人かいらっしゃって、様々なニーズがあることを知りました。そこから、茶道を通じて大切なことを皆さんに伝えていこう、と思えるようになり、少し肩の力を抜いて仕事ができるようになりました。
茶道思考のイベントではどのようなことをするのでしょうか?
茶室に入ったことがない方、経営者やビジネスマンを対象に、まずは私を知っていただける活動をしようと考え、定期的に茶会を開催しています。
茶道は武将たちがのし上がっていくのに使ったツールだったという歴史や、禅の精神が関係していることなど茶道とビジネスの親和性をお伝えし、また実際に体験をしていただきます。
茶室の空間で、まず静かに座って心を落ち着かせ、そしてお茶を介して「いっぱい召し上がってください」「美味しかったです」というコミュニケーションが生まれるので、相手と心を通わせることができます。茶道はフォームが決まっていて難しいと考える方がいますが、しっかりと自分と向き合うことで新しい発想が生み出されることもあります。
今後の仕事のヒントとなる内容を盛り込んでイベントを開催しているので、ぜひお気軽にご参加ください。
今後の展望を教えてください
茶道思考を経営者の方に知っていただき、皆さんの仕事のヒントにしていただきたいです。 ある弁護士の方が独立するタイミングで茶道の知識を持っておきたいと私の研修を受講してくださいました。茶道思考を学ぶことで日本文化や知識などが深まるとともに、落ち着く時間もできたと教えていただきました。 コミュニケーションの質を高めるセミナーを行っているので企業研修に活用できると思います。
また、茶道だけをやっていると世の中の流れに疎くなってしまうので、技術コンサルとしても働き、最新の情報をアップデートしていきたいです。
経営者におすすめの本を教えてください
稲盛和夫さんの『稲盛和夫の実学―経営と会計』です。
稲盛和夫さんも工学部の化学科の出身です。自分が会社を作ったときに、何とかなるだろうと思っていましたが、しかしこの本を読んで甘かったと思いました。やはり会計を知らなければ経営していくことは難しいですね。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
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