今回は、株式会社プログレス・アイの代表取締役、本多博昭氏にお話を伺ってきました。
世の中がどう変わろうが自分の力で生きていける力を身に付けたいという思いから、30年あまりにわたってコンサル業界に携わってこられました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!
株式会社プログレス・アイ 会社概要
会社名称 | 株式会社プログレス・アイ |
代表者 | 代表取締役 本多博昭(ほんだ ひろあき) |
設立 | 2007年(平成19年)4月2日 |
主な事業 | 人材育成・マネジメント全般にわたるコンサルティング業務 セミナー等、教育研修の企画運営業務 教育やセールス、経営に関わる各種マニュアル・テキスト・ツールの開発業務 |
会社所在地 | 〒612-8419 京都市伏見区竹田北三ツ杭町45 アイビービル4-A |
会社HP | https://progress-eye.co.jp/ |
まずは本多さんのご経歴を教えてください。
私が卒業したのは1992年です。バブルが崩壊してこの先どうなるのかなという雰囲気での就職活動でした。会社説明会に50社ほど行って、面接もたくさん受けました。有名な会社や大企業に就職したいと思っていたのですが、途中で考えが変わりました。そういう会社に入っても意味がないと思い始めたんです。
今は良い会社だとしても、将来は分からないと思ったんです。仮に自分が50歳になって、もし会社が倒産したり、リストラに遭ったり、どこかに買収されたりして、会社から放り出されたら生きていけないなと思いました。
だから、世の中がどう変わろうが、あるいは会社がどうなっても、自分がちゃんと生きていける、そういう仕事に就かないと危ないなと思ったんです。
どういう仕事や業界がいいのかなと考えたときに、経営コンサルタント、コンサルティング業界が目に付きました。企業経営のアドバイスをする仕事なので、いろいろな経営感覚が養われて、世の中がどう変わろうが自分の力で生きていけるのではないかと思いました。
それで、コンサル会社に入社しました。そこでは、自動車業界、金融業界、メーカーさんなどを相手にコンサルやセミナー、あとは営業など、いろいろな仕事をさせてもらいました。そこで14年半勤めました。
コンサル会社を退社して、2007年4月に株式会社プログレス・アイを設立しました。4月から17期に入りますが、振り返るとあっという間だったなという印象です。
起業したいという思いはいつ芽生えましたか?
就活の中で、定年まで勤める路線もあるけども、どこかのタイミングで独立や転職の選択肢もあるなと考えていました。世の中がどう変わろうが、どんな状況にも対応できるようになりたいというのが動機でした。
株式会社プログレス・アイの事業内容を教えてください。
実は今、法人で受けている仕事と、個人で受けている仕事があります。お客様によっては、個人契約ができないので法人で受けたいというところがあるからです。
法人としての仕事は、主に金融の業界です。セールスマンや店長にセミナーや研修、それから実地訓練と言いまして、セールスマンと一緒に私が現場を歩いてトレーニングする仕事をしています。
あとは、中小企業さんや大学です。就活のために面接のトレーニングをしたり、インターンシップの学生さんを受け入れたりしています。
それから、創業セミナーです。事業を起こしたい、独立したいサラリーマンや学生さん、主婦の方を対象に研修会をしています。これが法人で行っている仕事で、全体の8割を占めています。
個人での仕事としては、商工会連合会、商工会議所等の公的支援機関で、経営相談、補助金の検査、窓口などがあります。あとは、いろいろなセミナーの運営をしています。これが2割くらいを占めています。
御社の特徴や強みを教えてください。
株式会社プログレス・アイの特徴は、営業や宣伝をしないところです。だから、仕事は全部リピートと紹介だけでしています。
コンサルティングの内容としては、セールスのいろいろな手法とかテクニックの話は当然しますが、どちらかというとメンタルブロックを外してあげることがメインです。従業員やセールスマンの方の心構えやメンタル面をサポートしています。
今の時代、情報があふれかえっているので、売り方やセールスのテクニック、商品知識は簡単に手に入るんです。それが分かっていてもうまくいかないのは、結局はメンタルブロックが問題なんです。
自分の心にやましいところがあるとか、あるいはストレスを感じながら仕事をしているとか、あとは目標やノルマに追い立てられているとか、そこのメンタルブロックを外してあげるというのは、実はとても大きいです。
だから、具体的な話法をメインにはしていません。「お客様を自分の親だと思ってしゃべってください」「自分の親ならどういう説明を、提案をしますか?」とよく言います。それが一番胸を張って仕事ができる状況で、自分が本当にしてあげたいようにする、これが一番成果が出るんです。
ただ、短期的には業績が下がることがあります。いろいろなマーケティングやセールスのテクニックを使った方が目先は売れるんです。だけど、事業は1年で終わるものではないので、永続しないと意味がないですよね。駆け引きとか、対決するとか、奪うようなセールスではなくて、本当に相手を身内だと思ってアドバイスや提案をしてくださいと言っています。
ですから、短絡的に売りたいというご依頼はお断りしています。あとは、応酬話法というものがあります。これは何かというと、お客様が嫌がっている、あるいは断っている、これを説得するための話法のことです。これはニーズがあるのですが、私は自分がされたら嫌なのでやっていません。
仕事を選ぶというとおこがましいですが、自分自身が本当に役に立てるところで仕事をしているという感じです。
起業後、苦労したことは何ですか?
営業も宣伝もしないので、当初はお客様が僅かしかいませんでした。当然、売り上げも少なかったです。そうすると、貯金がどんどんなくなって苦しくなりました。銀行口座がマイナス(貸越)になってそれが限界に来て生命保険を泣く泣く解約したり、そこはつらかったです。
それで一時、副業もしていたんです。アメリカや中国から雑貨を輸入してネットで販売していました。毎月10万、20万、30万とだんだん売り上げが上がってきて、なんとか生活をつないでいました。
そうこうするうちに本業がようやく増えてきたんです。下手したら物販のほうが儲かるなという状況も見えてきたんですけど、自分が本当にやりたいことではなかったので、本業に集中しようと思いました。
ただ、そのまま物販を中途半端にやめてしまうと面白くなかったので、月に100万円売り上げ達成したらやめようと目標を決めたんです。そしたら本当に100万円売れた月があったので、それで完全にやめました。
今から思えばそこまで苦労したわけではないんです。ただ、当時は未来がどうなるか分からなかった。夜中に汗びっしょりで目を覚まして、この仕事が切れたら次はどうなるんだろうか、とうとう住宅ローンの返済が行き詰まるな、という追い込まれるような苦しい思いは経験しました。
あとは、自然災害やコロナで、セミナーや研修が全部飛んでしまったことがありました。セミナーや研修というのは、半年くらい前から依頼をいただいて、打ち合わせをして、プログラムを決めて資料を作るのですが、いざそういう災害が起こると全部消えてしまいます。そういう不安定さは常にありました。
コロナでいうと、一時仕事の半分をリモートに切り換えることで乗り切りました。ただ実地訓練はできませんから、コロナ前と比べると売り上げは27%減で、今後はゆっくり回復できるかな、という状況です。
私は「自分はビジネス芸人だ」と言っています。引き合いや需要がなくなったら終わりだからです。リピート・紹介があるうちは頑張って、それがなくなったら廃業でもいいかなと思いながら16年以上やっています。
株式会社プログレス・アイで現在、課題となっていることはありますか?
同じ企業様から毎年同じ研修のご依頼をいただくことがあります。その場合、先方さんも何割か毎年入れ替わるので、初めて聞く方と、私の話を聞くのが数回目の方が混在しているんです。すると、レベルを上げてしまうと初めて聞く方はついてこれないし、かといって初級編ばかりしゃべってしまうと、数回目の方は満足しないということが出てくるんです。
ですから、何度聞いても喜んでもらえるような研修にすることが大事だと思います。角度を変えながら基本を話すことで、飽きずに何度も聞いてもらえること、これが一つの課題です。
その他の課題というと、自分の健康は替えが効かないので重要だと思っています。これから年齢的にも、健康管理には気を付けないといけないなというのはあります。
今後の未来の展望・夢を教えてください。
実は今やっている自分のコンサルティングの仕事が不要になっても良いと思っています。それがこの世にとってすごく良いことだと思っているからです。他人にお金を払って相談することがなくなるわけですから。
売り上げ目標を達成して、やりがいを持って年収を上げていく、そういう自立した方が多くなるといいですよね。そういう良い世の中になればいいなと思っています。
本多さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』 リンダ グラットン(著)、アンドリュー スコット(著)、池村千秋(翻訳)
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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