今回はオープングループ株式会社 取締役、大角 暢之氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | オープングループ株式会社 |
代表者 | 代表取締役 高橋 知道
取締役 大角 暢之 |
設立 | 2000年4月 |
主な事業 | スマートロボット(RPA/AI)を活用した新規事業創造を目的とした純粋持株会社 |
社員数 | 255名(2025年1月時点/子会社含む) |
会社所在地 | 東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル 3階 |
会社HP | https://open-group.co.jp/ |
事業内容を教えてください
2000年に創業し、25年目を迎えたオープングループ株式会社はインテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業を主力とし、その他様々な新規事業支援や事業創出を行なっています。
また、デジタル技術の実装、活用、効果創出にいたるまで徹底的な「伴走」を提供しており、経営効果の創出に加え、ビジネスモデルの進化にコミットする、日本初のオートメーション・カンパニーグループです。
現在、人手不足問題を起点とする経営課題が顕在化し、対応が求められています。
だからこそ、当社では「ヒトの進化を共創する」をミッションとして企業理念を掲げ、RPA/AIを活用することで、日本の労働力を増やし強化することにコミットしております。
RPAツールのBizRobo!をはじめ、当社の製品・サービスの詳細は下記URLをご覧ください。
https://open-group.co.jp/business/
オープングループでは2024年9月11日より「共創開拓プロジェクト」を始動されましたが、どのようなことをされていらっしゃるのでしょうか?
「共創開拓プロジェクト」は経営効果が証明されているRPAソリューションを起点としながら、生成系AIなどの新たなテクノロジーを融合させ、日本のDX大衆化を次のフェーズへと展開させる取り組みです。
特定の業界や地域における人手不足をトリガーとした“現場の継続性の担保”の危機に対し、当社は創業以来お客様および地域協業パートナー企業の皆様とともに、DXの大衆化、生成系AIやIoTなどの新たなテクノロジーの融合をしてまいりました。
このプロジェクトではあらゆる社会課題を直接解決し、未来を切り拓き創造する“新日本のトリガー”として、社会実装しなおされる新しい時代の『ビジネスモデル創出』の在り方の構築にチャレンジしてまいります。
共創開拓プロジェクトの第一弾として、現在「医療4.0プラットフォーム構想」を実行中かと存じます。どのような取り組みをされていらっしゃるのか教えてください
日本の医療業界は2030年に向けて医療DXが本格的に推進されていますが、これをきっかけに医療機関は従来と大きく異なる経営を行う必要性に迫られています。加えて、医療従事者の人手不足をはじめ、医療の質の地域格差、医療保険制度問題など様々な課題を抱えています。
オープングループでは、2019年より一般社団法人メディカルRPA協会を発足し、24時間辞めずに働く凸たる労働者としてロボットの共有と導入方法の標準化により、医療事務業務を中心とした医療品質担保、増収効果の創出などといった医療経営改善の成功体験を、ワンストップで全国の医療関係者様と共有することに貢献してまいりました。
そして今回、「医療4.0プラットフォーム構想」として2030年に向けた医療業界の変化に対応すべく、これまでの知見をもとに医療従事者の皆様が本当に必要な仕事に集中できる環境を作れるよう、尽力いたします。
ここからは大角様のことをお聞かせいただきたいです。学生時代はどのようなことに熱中していましたか?
私は昭和45年に広島で生まれました。当時はカラーテレビやビデオデッキも物珍しく、音楽をレコードで聴く時代でした。また電話は黒電話で、留守電機能などもありませんでした。そこから日本は高度成長期を経て、1990年の時価総額ランキングで30位までは日本企業が独占と、時代的にも右肩上がりの環境で育ち、技術の進歩を見るたびに興奮をしていました。
そして中学校・高校の友達10人で上京して学生起業をし、このまま皆と楽しく過ごすのだと思っていましたが、バブルがはじけて就職氷河期となり、大きな挫折を経験しました。就職できない状態では親にも示しがつかないですし、このまま広島に帰るわけにもいきません。就職氷河期でしたが、アクセンチュア株式会社(旧:アンダーセンコンサルティング)に内定をいただきました。
アクセンチュアでは何年お勤めされるのでしょうか?
5年ほど経験を積み、仕事に対するスタンスやキャリアに対する考え方を徹底的に学びました。日系企業では10年で経験することが、アクセンチュアでは3年に凝縮されると言われました。価値が出なければすぐにクビが切られると脅かされ(笑)、毎日必死に仕事をしていました。
その後、ソフトバンクで事業を立ち上げるために転職しました。インターネットでの損保事業を立ち上げ、
当時一緒に働いていたメンバー4人と起業して今に至ります。
社会人時代にご経験されたことで思い出に残っていることを教えてください
今でも一番覚えているのは、10日間でプログラミング言語のテストに合格しなければクビ、というアクセンチュアの新人研修です。ちなみに、クビになる、というのはあくまでも研修環境での演出で実際にクビになるわけではありません。
しかし、これまでコンピュータを触ったこともなく、教科書は英語、そして残業や資料の持ち帰りもできない環境だったため、最初の1週間は手も足も出なく、周りからの「あいつは落ちるな」という雰囲気をひしひしと感じていました。
そんな中どうしようかと考えて思いついたのが、本屋さんへ行って日本語の教科書を探すことでした。
2冊本を手に入れることができたので土日で読み込み、翌週挽回して見事1番乗りで通過することができました。
振り返ると、この研修期間にコンサルタントとしての基礎を学んだと思います。
コンサルタントの仕事は様々な業界に派遣されますが、現場で必ず価値を出さなければいけません。その業界を経験したことがなくても、現場ではプロとして成果を出さなければいけないので、短期間で知識を詰め込むのは当然ですが、会社や業界の構造を理解することが必須となります。
この研修を通して、短期間で学び現場で成果を出すこと、本質を見極めて対応する力を身につけました。
起業してから大変だったことはありますか?
経営危機は少なからずあったと思います。
勢いで起業したところもあったため、創業半年でほぼ資金が底をつき、コンサル案件を受けてなんとか会社の危機を凌いでいました。
当時、先輩経営者に週一回ビジネスについて教わっていたのですが、「テレアポが一番だ」という考えに感銘を受けました。
「ソリューションは世界中にあるのだから、それはいかようにも調達できるし別に作る必要はない。要はいかに良い提案をするかだから、直接代表に電話を掛けて提案力を磨け」というものです。
そのため、私は売る物がないのにも関わらず、売る物を考えながら同時にテレアポをしていました。
とても辛くて大変でしたが、必死になって相手にとって何ができるかを考えて都度その場で提案をしていったところ、初めて仕事を受注することができました。
どのような提案をされたのですか?
初めて獲得した仕事はアパレルの会社の顧客管理ツールをExcelで作る仕事です。
当時、ITの需要が高まっていましたが、前職での経験からベンダーに騙されている企業が多いと感じており、逆にユーザーの立場で様々なソリューションを提案すると伝えれば話を聞いてくれるのではないかと考えました。
よく物や技術、人がいないとビジネスができないと言われていますが、先に価値を考えてそこからモノをつくれば仕事になることを経験しました。
そこから会社は順調に成長を続けてきたのでしょうか?
いいえ、順調ではありませんでした。その後、新卒を採用して、新規事業の方法論を若い世代に伝え、大手企業の新規事業のセクションに売り込んでいきました。有難いことに重宝いただいたのですが、30名ほどの組織になったタイミングでリーマン・ショックが起こってしまい、ほとんどの仕事がなくなりました。
お客様も新規事業どころではなくなったため、自分たちでビジネスを持つことを考えて、BizRobo!を構想・企画しました。
新事業を始めるととても楽しく熱中しましたが、なかなか売り上げに直結しませんでした。特にシステム開発の会社にプレゼンにいくと、システム会社の仕事がなくなってしまうと思われて、出入り禁止になることもありました。しかし革命が起きる前は強烈な賛成者と反対者が出ると考えているので、これは今後すごいサービスになると実感していました。また当社のロボットを使ってくださる企業が何度もメディアで取り上げられたことで、成功する兆しを感じていました。
なぜロボットに目を付けたのですか?
日本では、労働人口不足が大きな課題です。これを解決するために、当社は人とロボットの協働を目指しました。
労働力とは労働の量・質・能力を強化することです。ロボットは24時間365日働き、ルーティンワークを得意とするので、これを活用し、人をルーティンワークから解放し、バックオフィス業務の自動化、効率化を行えばより良い職場環境を作ることができます。
オープングループではこのような仮想知的労働者(デジタルレイバー/デジタル労働者)を日本全国に提供していくことを目標としています。非効率・非生産的な業界を新しいモデルに置き換えれば、新しい未来が訪れると考えています。
どのように普及したのですか?
ロボットが一般的になる前にスタートアップ事業として私と社員1名で始め、デジタル労働者というものを作りました。当時は「時給50円で20時間働きます」というような言い方でロボットも人材であることをアピールしました。
企業の仕事はホワイトカラー・ブルーカラー・ロボットができることの3種類に分かれます。そのため、今ある仕事のうち、何がロボットに置き換えられる仕事かを考え、日本全国を営業してまわり、地方の企業で扱ってもらえるようにパートナー企業を作って普及してきました。
将来的にはパートナー企業に委託受託関係を超えたお返しができるように奮闘しています。
今後の展望を教えてください
今後も労働力を提供し、労働の質も上げていきたいです。
現在、多くの外国製の製品、サービスが浸透し、またインバウンド需要が盛り上がっています。
しかし、日本は少子高齢化が進み、人手不足であるため充分な対応ができていません。
だからこそ、オープングループではRPA/AI/IoTの活用領域を全国に大衆化することで、この問題を解決していきます。
直近では、社労士事務所をM&Aで買収し、デジタル社労士事業を始めました。今後、高齢化が進んで社労士の業務量が多くなると想像できるため、デジタルで仕事をカバーできるロボットを開発中です。
そして、BizRobo!のように「Produced by Japan」の製品や技術を世界に発信したいです。
日本製のものであれば、円安によって価格が上がることもなく、むしろ日本で低価格で販売することも可能です。中長期の共創開拓として大きなチャレンジではありますが、日本を代表する労働力を増やしている会社としての使命を果たしてまいります。
他の経営者におすすめの本を教えてください
松下幸之助さん著書の『実践経営哲学』と水木楊さん著書『爽やかなる熱情: 電力王・松永安左エ門の生涯』がおすすめです。経営するにあたっての不安は吹き飛ばされますので、ぜひ読んでみてください!
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
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