今回は株式会社コヒラ・パーソンズ・プロジェクト代表、小平 尚典氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社コヒラ・パーソンズ・プロジェクト |
代表者 | 小平 尚典(こひら なおのり) |
設立 | 1981年7月27日 |
主な事業 | 写真家・メディアプロデューサー |
社員数 | 1名(取材時) |
会社所在地 | 〒150-0011
東京都渋谷区東3-25-4-601 |
会社HP | http://nkohira.shopdb.jp/index.html |
事業内容を教えてください
当社の事業内容は多岐に渡ります。写真撮影や動画撮影、ドローンチームのプロデュースや、メディア関係のプロデュースをしています。メディアプロデュースは単行本など自分の読みたい本を作っています。またメディアコンサルタントの仕事では、企業がどういった形でメディア対応すべきかの相談も請けています。
早稲田大学理工学部では10年以上、他の大学でも客員講師として講義を担当しています。私のメインテーマは25年間アメリカにいたことを活かした内容です。知財としてパーソナルコンピュータはどうやって生まれて、今後どうなっていくのかを基盤にWeb1.0、Web2.0、Web3の流れを汲んで生徒に教えています。
学生時代の思い出を教えてください
高校時代が一番楽しかったですね。進学した高校は北九州の新設校で私は4期生として入学しました。先生の年齢も若くとても活気のある学校でした。私は軟式テニス部に入部して、今でもテニス部のメンバーと付き合いがある程仲が良いですね。夏はテニスを頑張っていましたが、冬は背が高かったこともありラグビー部にも呼ばれていました。
高校時代は趣味が多く、その中の1つとして九州鉄道友の会の青年部長をしていました。小学校から鉄道少年で乗り物が好きでした。蒸気機関車がなくなるというニュースを聞いて徹底的に九州の機関車の写真を撮りに行きました。独学で3年間、写真の勉強をしたのが私のカメラマンとしての原点です。一つのことにハマると深く入っていってしまうタイプでしたね。当時はアルバイトをして買ったフィルムカメラを駆使して、九州の蒸気機関車を全部網羅しました。
大学はどちらに進学されたのでしょうか?
日本大学芸術学部写真学科に進学しました。元々新聞記者に憧れていて、父に進路を相談すると「今の時代はできるだけ武器を持っていた方が有利になる。好きな写真記者になるために、好きな写真を専門にしてはどうか?」と提案を受けました。写真学科は簡単に受かると思っていましたが、倍率が高いと知りそこから半年は一生懸命に受験対策をしました。
大学時代はアルバイトをされていたのでしょうか?
原宿の主と言われるようなファッションに強い友人が誘ってくれて、原宿の「milk」というアパレル店で働きました。デザイナーがパターンをおこした洋服を生地と一緒に工場に届け、工場で縫った商品をお店に届けるという仕事を2年間していました。九州の田舎から出てきた私にとって、最先端のファッションの仕事をする事は本当に面白かったです。当時は電車が初乗り30円の時代で、私の給与は時給250円でした。女性が多く在籍していて雑用やプライベートでも飲みに連れて行ってくれて刺激の多い仕事だったと思います。
そのアルバイトも面白かったんですが、「このままではいけない!」と思って、アパレルの仕事を辞めて小学館のスタジオで働くことにしました。2年間のアルバイトでプロの仕事を近くで感じることができました。小学館の社会人ラグビーチームに入ったり、飲みに行ったり、撮影旅行を楽しんだりとノンストップな大学生活でした。
大学卒業はどのように過ごしていたのでしょうか?
大学卒業の頃にオイルショックが起きて、就職難になってしまいました。五木寛之さんの『青年は荒野をめざす』をいう本を読んで冒険してみよう! と思い、卒業式の日にロンドンに行くことにしました。1人っ子だったので、どのぐらい1人で耐えて生きていけるのかを試してみたい気持ちもありました。
ロンドンではラッキーなことに強者な友人を見つけ、アパートや仕事を紹介してくれました。そのおかげでとても楽しいロンドン生活を送ることができました。カメラは3台持っていったので、当時生まれたパンクコンサートなどに行っていろいろな角度からパンク・カルチャーを撮影して社会派写真家としてデビューしました。
ロンドンから帰ってきて何をされたのでしょうか?
雑誌創刊ラッシュの波にのり、すごく忙しくシャッターをたくさん押しました。運よく印税が入ることになり株式会社を設立。自分をアピールするのに個展を開いたりしました。
その後、新潮社から新しい雑誌の創刊に誘われました。元々ジャーナリズムをやってみたかったこともあり『FOCUS』の創刊メンバーの一員になりました。『FOCUS』では腕利きのベテラン編集者がいて、彼らに鼓舞され一人前の写真家にしてくれたと思っています。しかし6年間バリバリ働きすぎて自分自身が消耗してしまいました。大好きな仕事でしたが、写真週刊誌戦争が起こり記事の内容が芸能ネタや不倫ネタに偏っていきました。ふと限界を感じて、海外に勉強するためにアメリカに行くことにしました。33歳でそれなりに稼いでいたにも関わらず、1回キャリアを0(ゼロ)にしました。
アメリカではどのようにお過ごしだったのでしょうか?
家族3人でスーツケース2個で入国。お金がなくなったら帰国しようと。そのうち日本でのメディア経験者がいなくて仕事が入るようになって忙しくなっていきましたが、IT革命の真っ只中にいた自分がとても良かったです。後半はわがままに自分のスケジュールで仕事ができるので世界中飛び回りました。
気がついたら二十五年も経っておりました。
その後どうして日本に帰国されるのでしょうか?
私の両親の体が悪くなったことを聞いて、急遽日本に帰り介護生活を始めました。今まで好きなことをやってきたお詫びに介護を完璧にやりたいという思いからインターネットを使ってコンサルタント業を始めました。
そんなこんなで時代が変わり、デジタルカメラが主流になり雑誌も衰退し始めて、仕事が無くなっていきました。昔は「よし、仕事をしよう」と思えばどれだけでも仕事があったのですが、どんどん紙媒体がなくなりデジタル化が進みカメラマンの仕事が多様化してきました。
どのように苦しい時代をのりこえたのでしょうか?
まずは自分で「今は我慢の時代だ」と言い聞かせました。写真で稼ぐのが難しいのでネットワークを活かしてあの手この手を考えて書籍のプロデューサーにシフトしていきました。仲間にとても恵まれて良い仕事ができたと思っています。それは根本に「愛と友情がないと成功しない」という信念があるからです。友達のためや思いやりがなければ仕事は長続きしません。私が渡米してシリコンバレーで学んだのは、仲間を集めて成功してくことです。もし私がシリコンバレーで何をしたいと友人に言えば、その友人は力になれる人を紹介してくれます。そしてその友人が困ったときは私が私の友人を紹介します。基本的にギブアンドギブの人生観でいるようにしています。
今後のご展望はありますか?
色々なことに挑戦していきたいです。
写真というコミュニケーションツールをうまく使って何かをしていきたいですね。私の写真のテーマは「Wish you were Here(ここにあなたといられたら)」です。大切な人と眺めて語れるような写真やコミュニケーションの場を作っていきたいです。写真は未来を撮ることができません。撮った瞬間に過去になります。ご飯や日常を撮ることで美しい思い出や貴重な記録が残せるので、写真とコミュニケーションを融合させて欲しいです。
またZ世代にパーソナルコンピュータが良い友達になるように伝えていきたいです。過去の検証してきたものを未来に繋げていきたいですね。
素敵ですね。近々写真展は開催されるのでしょうか?
2022年11月14日(月)~12月11日(日)までは、代々木上原にあるファイアキングスカフェ・ギャラリーでスティーブ・ジョブス展The Thinkers IIIを開催いたします。
また、2022年11月18日(金)~11月25日(金)まで、富士急・富士山駅ギャラリーにてJapan Trail写真展を開催します。
皆さまぜひお越しください!
経営者におすすめの本を教えてください
私がプロデュースした3冊をおすすめしたいと思います。
1冊目は中村修二さん著書『怒りのブレイクスルー 常識に背を向けたとき「青い光」が見えてきた 』です。中村さんはたった一人で発光ダイオードを発明しました。残念ながら日本からアメリカへ流出してしまいました。日本人のモノづくりの知力を知ることができます。
2冊目はトム佐藤さんの著書『マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方 』です。マイクロソフトはグローバルスタンダードをどのように作っていったのかを学ぶことができます。
3冊目は片平恭一さん著書の『あの日ジョブズは』です。ジョブズがどんな人間だったのかを映し出している本です。アップルコンピューターは、アートとテクノロジーとリベラルアーツの交差点にあります。日本企業もこのような考え方を目指してほしいですね。
21世紀の光といわれる「青色発光ダイオード」を開発して、ノーベル賞に最も近い男と評される著者が、日本を離れて実感した、この国の企業や教育の矛盾点。新しい日本と日本人の誕生を熱望する書。
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没10年! アップルを創業し、コンピュータを「友だち」にしてポケットに入れ世界を変えた男、その希代の起業家がたどり着いた先は? 300万部超の大ベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ』の作家・片山恭一が、スタンフォード大学ライブラリーにセレクトされた写真家・小平尚典の貴重な41枚の写真を得て描く、「世にも孤独な男」のバイオグラフィー。 【Amazon URL】 |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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