今回は株式会社まゆ月代表、島田史子氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社まゆ月 |
代表者 | 島田史子 |
設立 | 2010年 |
主な事業 | エステサロン |
社員数 | 2名(取材時) |
会社所在地 | 東京都中央区銀座4丁目14−7 |
会社HP | https://www.mayuzuki.jp/ |
事業内容について教えてください
現在の事業は2本立てになっています。
1つ目は日本の大切な文化を次の世代に残していくために、たくさんの方に知っていただき少し粋に楽しんでいただくこと。
そのためには健康でなくてはいけないというところで、2つ目は女性も男性も健康で美しい、健康寿命を延ばす内面美容の事業をしています。
事業の中でPRしたいことなどはありますか?
2022年1月に和と粋の世界へ繋がる扉として「和遊粋美人塾」を会員制で立ち上げました。会員さんは敷居が高かった和文化を、楽しく体験し、身近に触れていただく事ができます。さらに特典として当社の取り扱いの健康食品などが割引で購入できます。趣味としての楽しみや、ビジネスマンの教養としてぜひご興味持っていただけたら嬉しいです。
学生時代に熱中していたことはありますか?
子供の頃は体が弱かったので、運動クラブには入れず美術クラブに入部しました。また様々なジャンルの本をたくさん読んで過ごしました。
学生時代はアルバイトに専念していたと思います。レコードと書籍を扱っているお店で接客の仕事をしていました。当時はレコード会社の社員の方がお店に来て、新作を置いていってくれるので、自分で選曲をしてお客様の反応を見るのが面白かったです。自分のかけたレコードの曲をお客様が予約してくれたり、おすすめのレコードを紹介するのが楽しかったですね。また美容にも興味があって、アルバイト代はほとんど化粧品に消えてるぐらい様々な化粧品を試していたので、友人からは「雑誌より詳しいね!」と言われていました。
高校卒業後はどちらに進学されるのでしょうか?
人をサポートする仕事に興味があったので、専門学校のビジネススクールで秘書の勉強をしていました。秘書の勉強を通して誰かのために先回りして準備することが今の仕事に活きています。ビジネススクールでは英語を求められます。とても苦手科目だったのですが、歌舞伎を観に行った話をスピーチした時に先生からとても褒められたのを覚えています。
昔から歌舞伎が好きだったのでしょうか?
私のはとこが歌舞伎役者澤村宗十郎と結婚したので、母と一緒に歌舞伎を観に行ったのがきっかけでご縁をいただきました。その時歌舞伎を見たのは初めてだったので、男性が女性よりもしなやかで美しい事はすごい衝撃でした。楽屋にご挨拶に伺ったときお風呂上がりのガウン姿のおじさんをを見て、「この男性が、あの綺麗な女性になるのだ」と驚き感動しました。歌舞伎の世界生きる一歩となりました。
どういった経緯で歌舞伎役者の番頭になられたのでしょうか?
はとこが名古屋でインテリアや食器を販売するお店を経営していて、とても興味があったので手伝いで働いていました。その際に、歌舞伎の名古屋公演があり澤村宗十郎受付の助っ人をお店から出してほしいと、はとこから依頼を受け、私が御園座に通って受付の仕事を1ヶ月間することになりました。受付でお客様にご挨拶の品を渡したり、楽屋に行ってご挨拶をするうちにどんどん歌舞伎の仕事が好きになりました。仕事が終わった1ヶ月後に、澤村宗十郎から「お前さんは歌舞伎の仕事に向いているね。よかったら東京に来て私の番頭をしなさい。」と声をかけられました。
それが23年にも及ぶ番頭生活の始まりでした。最初は入ったばかりで何をすれば良いか分かりませんでしたが、澤村宗十郎のお母様が私に礼儀作法を指導してくださいました。礼儀作法は形ではなく心で接しないとお客様を心地よくすることができないことを学びました。また素敵な着物をお召しになっている方も多く、コーディネートや所作、きれいな着付けなど、様々なことを歌舞伎座という学校で学んだことが、今の私を形成しています。
そこからキャリアチェンジなどされるのでしょうか?
澤村宗十郎が亡くなった時に、自分でしたいことが見つからず困っていた際に、お客様であった化粧品会社の社長にお声をいただいて、プラスロン株式会社で働くことを決めました。学生時代からずっとお化粧品が好きで、番頭時代も給与の半分がお化粧品に消えていくほどに研究していたので、化粧品会社に入れるならちょっと勉強してみようかなという気持ちでした。
プラスロン株式会社は通販の化粧品会社でしたが、銀座にアンテナショップを作りたいということだったので、銀座店店長になるべく銀座店オープンの準備の傍らメイクやカラーコーディネーターの学校に行ったりエステを勉強もしました。銀座店店長として働きその後は本社で人の管理や教育をするなど専務取締役も兼任しました。他には、NPOでフェイシャルスタイリスト協会を立ち上げて副理事の仕事も同時に担当していました。
すごいキャリアアップですね。仕事をする中で苦手なことはあったのでしょうか?
歌舞伎の世界で接客などのキャリアを積んでいたので、アナログで最初なかなかパソコンがうまく使えませんでした。パソコンで打ち込むだけの業務報告でも1時間ぐらいかけたこともありました。最初のうちは働き方の文化の違いを感じるとともに、今まで歌舞伎の世界で澤村宗十郎という傘に守られて、外の世界を知らずにぬくぬく育ってきてしまったのだなと自分自身を振り返りました。
起業されたのはどうしてでしょうか?
10年間プラスロン株式会社で仕事をしてきて、会社が大きくなるのを見て「この会社は私がいなくても成り立つようになったな。私がすべきことは他にあるのではないか?」と思うようになりました。今まで培ってきた美容や健康に関することでサロンを始めたいと考えて、最初はエステサロン銀座まゆ月を始めました。
歌舞伎座の近くで開業したので、歌舞伎役者さんと偶然会う機会も自然と増えていきました。歌舞伎役者さんたちの頑張りを近くで見るようになって「私も一般の方に日本文化をもっと伝えていきたいし、歌舞伎への敷居を低くすることで、歌舞伎役者さんたちに貢献したい!」という恩返しの気持ちが芽生え始め、サロンで和文化を教えたり一緒に観劇に行ったりする事業を始めました。
起業する中で大変だったことはありますか?
東日本大震災ですね。事業がお客様に定着してきたと思った矢先に東日本大震災が起こり、私の会社だけでなく日本全体が全てストップしてしまいました。ようやく1年経過したところで、突然事業が止まってしまいかなり大変でした。また新型コロナウイルスでも困難な経験しました。もちろんエステは営業できませんし、藤原紀香さんや片岡愛之助さんとのトークショーなど大きなイベントを予定していましたがすべてキャンセルになってしまいました。
困難の時にどのようなマインドでいたのでしょうか?
27歳の時に胃がんを患い、余命3ヶ月の宣告を受けました。がんになった時に、くよくよしていても同じ毎日を送るんだったら笑顔で楽しく過ごしたほうが良いなと思うようになり、今はがんを克服して30年以上経ちました。だから東日本大震災や新型コロナウイルスのつらい期間もなんとかなるんだ、ケセラセラの精神で乗り越えています。常に前向きに次は何をしようか、良いことがあるんじゃないかと考えて過ごしていると不思議と道はひらけていきます。生かされている意味を考えながら、人生に無駄な
ことは一つも無いと、日々神様に感謝をして私に今できること、しなければならないことをやっています。
今後の展望はありますか?
1人でも多くの方を健康にしていくこと、和の文化をたくさんの人に知っていただくことです。今後は、男性のビジネスマン向けに発信していくことを考えています。歌舞伎を観劇したり、日本文化を知ることでリラックスでき、オン・オフの切り替えができると思いますし、歌舞伎の中にも企業戦略のヒントがたくさんあります。ビジネスの場面でも海外の方を接待する際に役に立つなどビジネスアイテムの1つとして捉えてほしいです。 歌舞伎は敷居が高いと思われがちですが、江戸時代は庶民の娯楽でした。新型コロナウイルスや色々な問題で会社を守ることに集中される方が多いですが、文化に触れることで遊び心がでてきます。そういった気持ちをビジネスマンには忘れないでほしいですね。
また、お子様向けに歌舞伎体験やお茶、着物、礼儀作法を教えていきたいです。小さい頃から少しでも文化に触れていく機会を設けて日本文化の大切さ楽しさを知り、一人でも多くのお子さんに文化を牽引する人に育ってもらいたいと願っております。
他の経営者におすすめはありますか?
元マイクロソフト社日本代表の成毛眞さん著書の『ビジネスマンへの歌舞伎案内』です。
著者が英語を習う前に歌舞伎を学べとまでおっしゃってますので、ぜひご一読いただいて歌舞伎デビューしていただきたいです。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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