注目キーワード
  1. 創業
  2. 二代目
  3. 社員
  4. 家業
  5. お金

医療法人ONE 理事長 きくち総合診療クリニック院長 菊池 大和氏

  • 01/16/2025
  • 01/13/2025
  • 人材
  • 96回

今回は医療法人ONE 理事長 きくち総合診療クリニック院長、菊池 大和氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 医療法人ONE きくち総合診療クリニック
代表者 菊池 大和
設立 令和元年5月1日
主な事業 内科、外科、救急科、心療内科、循環器内科、呼吸器内科、胃腸内科、アレルギー科、整形外科、小児科、リハビリテーション科、脳神経外科
会社所在地 神奈川県綾瀬市深谷中7-18-2 ライズモール綾瀬1F
会社HP https://kikuchi-geclinic.jp/

 

 

事業内容を教えてください

医療法人ONE きくち総合診療クリニックは開業して8年目(2025年1月現在)の総合診療クリニックです。「いつでも、なんでも、だれでも まず診る」をスローガンに掲げ、専門分野にこだわるのではなく、患者さんがどんな症状でも、自分の健康が心配になったら受診しようと思っていただけるクリニックを目指しています。

0歳の赤ちゃんから高齢の方まであらゆる症状に対応し、夜は20時まで、土日、祝日も診療を実施するほか、送迎バスを用意するなど、地域特性に合わせた経営を行っており、神奈川県綾瀬市民の約44%が受診するクリニックにまで成長しました。(2024年6月時点)

現在は日々の診療の他、日本の地域医療を守るため、自身がロールモデルとなり「総合診療クリニック」「総合診療かかりつけ医」の普及に注力しています。

 

総合診療かかりつけ医とは具体的にどのような存在なのでしょうか?

「総合診療かかりつけ医」とは、「総合診療・救急診療を通じて、地域医療に最大限貢献することを目的にしているクリニック」を経営している医師である私が作った言葉です。

総合診療かかりつけ医は「いつでも診る」「なんでも診る」「だれでも診る」医師のことを指します。

このような医師が日本に増えることで、崩壊の危機に直面している地域医療を救うことができると信じております。

 

しかしながら、現状、総合診療クリニックも総合診療かかりつけ医の数も全く足りていません。

医師の専門性が高まり、耳は耳鼻科、骨は整形外科、心臓は循環器内科、というように症状が出ている身体の部位ごとに異なる医師が診療しますが、専門的な治療を受けられるというメリットもある反面、断片化してしまい、病気を見逃してしまったり、無駄な薬が処方されたりと様々な問題も生じています。

他にも、高齢者の方は様々な病気を抱えていらっしゃるので1日に複数の病院にかからないといけなかったり、家庭内で感染があった場合親御さんとお子さんで別々の病院にかからなければいけなかったりと、患者さん側の負担も増えてきています。加えて、患者さん自身が自分の症状から何科を受診すればいいのかを判断して病院へいかなければいけないため、そこがハードルとなり早期発見が遅れるケースを数多く見てきました。

超高齢化社会に突入したことで、患者だけでなく医師の高齢化も進み、10年後、20年後はさらに医師不足が顕著になる可能性が高い状況です。

だからこそ、ご家族全員が1つのクリニックを受診でき、また、体の全部を見てもらえるクリニックが必要なのです。

単に診療を行うだけでなく、地域住民の健康を総合的に支える存在を増やすために、書籍をはじめ、様々な媒体での情報発信を積極的に行っています。

 

ここからは菊池先生のことをお聞かせください。幼い頃から医師を目指していましたか?

小学校高学年の頃、シュバイツァー博士の伝記を読んだことをきっかけに、漠然と医者という職業に憧れていました。そして、高校生の頃、進路を決めるときにシュバイツァー博士のことを思い出し、医師になろうと決めました。

しかし、ただ「医師になりたい!」と思っていただけだったので、具体的に「こういう医者になりたい」「この分野を極めたい」といったビジョンは全く持っていませんでした。

そして医学部に入った後、本格的に将来の専門を選択するタイミングで外科を選びました。なぜ外科を選んだかというと、なんでも治せる医者になりたいという明確な夢を持っていたからです。外科を選べば自分の手で疾患を治せる医師になれるだけでなく、広い知識を身につけられるところに魅力を感じました。

なお、当時は開業しようとは全く考えておらず、将来はどこかの病院で手術をして生きていくと思っていました。

 

勤務医時代にどのようなご経験をされましたか?

救急センターで勤務していた時の経験が強く印象に残っています。

救急センターでは、手遅れになった患者さんがたくさん運ばれてきます。

「1週間前にかかりつけ医に行ったけど、薬をもらって『大丈夫』と言われた」と言われた患者様が腹膜炎や大腸がんといった深刻な病気に進行してしまっていることを日常的に目の当たりにしました。

そのとき、もっとかかりつけ医がしっかり診断していれば、助けられたのではないかと感じたことで、自分が開業して手遅れになる患者様を減らしたいと思うようになり、開業について悩み始めました。

 

開業に踏み切ったきっかけを教えてください

やはり「人生は自分のやりたいことをやるのが1番だ」と思ったからです。外科の手術も救急もすごくやりがいがあり、患者さんが元気になった姿を見るのが嬉しかったので辞めることは考えていませんでした。しかし、今後高齢者が増えるにあたって「もっと検査を充実させ、患者さんとしっかり向き合う医療を提供したい」という思いが強くなっていったため、開業することにしました。

 

開業してからどのような苦労がありましたか?

医者であれば診療のことだけで良いのですが、経営者として働くのは初めてだったので、分からないことが多くありました。

様々なトラブルや課題が見えてきて悩むこともありましたが、専門家や税理士と一緒に相談しながら労働や人件費の問題について話し合い、都度解決しています。

 

経営者として大切にしていることは何ですか?

私たちの仕事は、患者さんが来院してくださらないと成り立ちません。経営者として利益を上げることも必要ですが、医師としては患者さんの病気をしっかりと治し、健康な生活を送れるようにしなければなりません。ここには矛盾が生じるかもしれませんが、基本は医師としての使命を貫いています。医師と患者は信頼関係がとても重要です。今後も「ここのクリニックに行けば安心」と言ってもらえるように日々精進しています。

また、スタッフが働きやすい職場環境を整えることも大切にすることが、結果として良い医療に繋がると考えています。

このやりがいのある総合診療かかりつけ医を、若い先生方に知っていただき、将来の日本の医療を守っていきたいです。

 

今後の展望を教えてください

今後はスタッフを増やして、365日朝から晩まで対応できる診察体制を実現できるよう邁進いたします。当クリニックに来れば何でも診れるようにしたいです。

もちろん、患者さんが気軽に来れるあたたかい雰囲気を崩さずに、地域住民の身近な存在であり続けたいと思っています。

大きな展望としては、「総合診療かかりつけ医」がいることを当たり前の世の中にしていきたいです。総合診療かかりつけ医がいることで、安心して暮らすことができます。

そのためにも、私自身がより知識を身につけ経験を重ね、総合診療かかりつけ医のロールモデルとして若い医師のサポートができるよう、精進いたします。

 

最後にご著書の紹介をお願いいたします

2024年12月4日に『「総合診療かかりつけ医」がこれからの日本の医療に必要だと私は考えます。』を出版いたしました。

今回お話した、私のこれまでの経験の他、日本の地域医療の課題を掘り下げ、未来を共に築くための内容がより詳細に書かれております。この本を通して、若い医師や医学生に総合診療に興味を持っていただきたいです。

ぜひご覧ください!

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4774520268

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!