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株式会社KEY ROLE代表 兼吉ともこ氏

今回は、株式会社KEY ROLEにて代表を務める、兼吉ともこ氏にお話をうかがいました。

社長の履歴書だけの特別なインタビューです!

ぜひご覧ください!

 

会社名称 株式会社KEY ROLE
代表者 代表 兼吉ともこ(かねよし ともこ)
設立 2014年3月17日
主な事業内容 人材紹介事業、

人材採用活動業務の委託・受託・請負、支援、カウンセリング、

イベント、セミナー、研修会の企画運営

会社所在地 〒108-0023

東京都港区芝浦4丁目10-1

会社HP https://keyrole.co.jp/

 

 

まずは起業までのご経歴をお聞かせください。

海外に関わる仕事に就きたくて、商社を中心に就職活動をしていましたが、希望していた商社への入社が叶わなかったこともあり、大学卒業後は住友系の機械メーカーに一般職として入社しました。

夢破れたかなと思っていたんですが、配属された部署の課長が輸出の仕事をされており、その方に誘われて、入社まもなく輸出の仕事に携わることができたんです。念願だった海外に関わる貿易の仕事が楽しくて仕方なかったので、独学で貿易実務検定を取得したり、他社の貿易担当の方を捕まえてお話を聞いたりして、自分でキャッチアップしながら働いていました。

海外出張の機会もいただけてすごく楽しかったんですが、ふと「この仕事の、どの部分を魅力に感じているんだろう」と思って見直してみたときに、取り扱っている機械部品そのものよりも、人と人との間を調整することが得意だということに気付き、「モノ」より「人」に関わる仕事に興味を持ち始めました。

 

その後、35歳過ぎに結婚して、転職してキャリアを磨くか、子供を産むか悩んだ時にキャリアカウンセラーに相談したことがきっかけで、妊娠中にキャリアカウンセラーの資格を取得して、40歳のときにその会社を退職しました。

半年ほど専業主婦を経験した後、人材会社に就職したいと思っていたものの、未経験のためなかなか決まらずに、外資系の保険会社に営業職として入社しました。私が仕事に没頭しすぎたせいか、娘に吃りの症状が現れたので、入社から5ヶ月で慌てて退職したのですが、卒園間近まで吃りが残ってしまったこともあって、自分の働き方をやわらげようと思いました。

そこで、18時退社が決まっている契約社員という形で、キャリアカウンセラーとして人材業界に足を踏み入れました。その後、2014年に立ち上げたのが株式会社KEY ROLEです。

 

元々、起業したいという思いはお持ちだったんですか?

具体的に起業をイメージしていたわけではなかったんですが、何となく自分で何かやってみたいという思いは大学時代からありましたね。でも、きっかけとしては、自分自身がワーキングマザーとして転職活動をした際に、苦労した経験が大きかったと思います。

 

実は、人材会社で私が所属していた人材紹介部門が、会社都合で部門クローズになり、その後は第二新卒の採用の仕事をしていたんです。そのときに、やっぱり、ワーキングマザーの方々をサポートしたいな、と思うようになりました。

子どもを産むとキャリア形成に変化が生まれるので、悩まれる方も多いんです。悶々と悩みながら働き続ける方や、ゆるやかなキャリアを望み、仕事での責任を減らしたい方、仕事のモチベーションを保つことが難しいという方もいらっしゃいました。元々の人材紹介部門では、短い期間ながらも、営業同行や求人媒体企業との打ち合わせ、求人票作成など一連の業務を経験させていただいたので、問題なく起業に踏み切れました。

 

個人的には、大人が生き生きと仕事をしていないと、子どもたちは「仕事ってあんまり楽しくないものなのかな?」というイメージを持つと思うんですよね。親の背中を見て育つ子どもたちのためにも、親世代が生き生きと働ける環境が大切だと思うので、大人をサポートすることで、親世代のウェルビーイングを実現させていきたいという思いがあります。私自身も子育ての真っ最中なので、家庭内で日々実験を繰り返しているんですけど、今では、その事例を皆さんにフィードバックしているような感じですね(笑)。

 

株式会社KEY ROLEの事業内容をお聞かせいただけますか?

『幸せに働く人を増やしたい』という軸で、三つの事業を行っています。

 

一つ目が、起業のきっかけにもなった人材紹介の仕事で、売り上げとしてもこちらがメインになります。

 

二つ目が講座や研修、セミナーなどの講師と企画、運営です。2017年に、ウェルビーイング心理教育アカデミーというところでナビゲーターの資格を取得したんですが、こちらの「ウェルビーイングベーシック」というウェルビーイングの基礎知識を学ぶ講座と、「ストレングス・アプローチ」という、自分自身の強みへの理解を深めて活かしていく講座や研修を行っています。あとは、研修会社から、キャリアやコミュニケーション、女性の復職支援の講座を依頼されることもありますね。

 

そして三つ目がキャリアカウンセリングです。ブログや、たまに掲載していただいているメディアをご覧になった方から、月に数名ほどホームページ経由で、あとは以前カウンセリングを受けてくださった方々からリピートという形でご依頼をいただいています。

 

お客様は、企業様と個人の方ではどちらが多いですか?

人材紹介会社なので両方からのご依頼がありますが、私の場合は企業様への営業を行っていないので、入社した方がその会社の人事担当者に繋いでくださるケースや、以前お取引した企業様や、知人からの紹介を元にご依頼いただいています。あとは、提携しているアライアンスパートナー企業からご相談いただくこともありますね。

 

求職者の方々については、以前転職のサポートをさせていただいた方からのリピートや、その方のご友人、ブログやメディアをご覧になった方からのご相談が多いです。転職サイトの媒体経由での応募やスカウトもありますが、新規の方からのご依頼は、毎月10名程度とさせていただき、少人数の方に対して、きちんと最後までサポートさせていただけるような体制にしています。

それから、講座を受講される方としては、専業主婦の方、フリーランスなどの個人の方、海外在住の日本人、最近はウェルビーイング経営の広がりに伴って、経営者や役員、管理職、人事・総務、ブランディング担当者など、法人単位で受講してくださる方も増えて、年齢、地域、性別が多様なメンバーになってきています。

 

これまでに苦労されたエピソードがございましたら教えてください。

まず一つ目が、起業を決めたときですね。人材紹介を通してワーキングマザーの支援をしたいと思っていた反面、40歳から私自身がキャリアチェンジして、経験や業界全体の知識が浅かったので、アドバイスしてくださる方を探すのが大変でした。講演会で講師の方に直接お声掛けして名刺をいただき、その方の著書を読んで感想を送ったり、それで親しくなった方にメンターをお願いしたり、私が思う理想に近い形で人材紹介事業をされている大先輩に、レクチャーしていただいたりしました。とにかく積極的に行動することで、アドバイスしてくださる方を探したという感じです。

 

あとは、一人企業なので、応募者の方の面談と、子どものインフルエンザが重なってしまったときは本当に困りました。ただ、その方の応募がたまたまアライアンスパートナー企業経由の求人だったので、ご担当者に事情をお話ししたところ、「代わりに面談するよ」と言ってくださったんです。わざわざ弊社まで来て面談してくださって、本当に助けられました。そのときに、周りの人に頼ること、そして頼れる相談先を前もって見つけておくことの大切さを感じました。

こうして振り返ってみると、学びや新たな場がきっかけでできたご縁が今でも繋がっていて、その方たちに助けられていることが多いですね。実は東京商工会議所の会員なんですが、会員イベントに一度だけ出たときに知り合った方たちと未だに仲良くさせていただいたり、アライアンスになったりしているので、そういうご縁が長く続くのはすごくありがたいです。起業後5年ぐらいから、ご縁が円環してご紹介が増えたようにも思うので、長く続けることは大切だと感じます。信頼していただくことで、様々な方からの協力も得られて、自動的に上手く回っていくんだなと実感しています。

 

今現在、課題に感じていることはございますか?

皆さんにウェルビーイングをお伝えしている以上は、自分自身が自然体で、ウェルビーイングな在り方でいるよう心掛けています。例えば、働きすぎないように気を付けなければと思っています。今は在宅が多く、一日中仕事ができてしまう環境なので、仕事のペース配分を意識して、心と身体に余裕を持つことを心掛けています。

 

起業して3年目ほどで、子宮頸がんの検査に引っ掛かったことがあったんですが、そのときに、「まだ死ぬわけにはいかないな、これからも家族と一緒に長く過ごしていきたいな」と思ったんですよね。だからこそ、日頃から自分にしかできない仕事を最優先し、自分でやる業務と周りの方に頼る業務の線引きを意識するようになりました。自分で営業しないと決めたこともその一環ですし、アライアンスパートナーや税理士さんや社労士さんを含め、信頼のおけるプロにお任せできることはお願いするようにしています。おかげさまで、少し余裕を持ちながら、バランス良く働けるようになってきました。

とは言え、仕事は大好きなので、ついPCに手が伸びてしまうんですよね。家族との約束や食事の準備など、時間が決まっている予定があることで、ハッとして手を止めることもあります。家族で定期的に旅行に行くのですが、そういう意味では、家族が私の働き過ぎを防止してくれる存在ですね。ありがたいなと思います。

 

今後実現したい夢や、未来の展望がございましたら教えてください。

今後は、皆さんが「幸せに働くためにはどうすれば良いのか」、「どのように自分らしいキャリアを個人選択していくのか」を学び、考える機会を増やす活動をしていきたいと思っています。

そのために、ウェルビーイング心理教育アカデミーで知り合った仲間たちとともに、ウェルビーイング・キャリア研究会を立ち上げました。キャリア理論とウェルビーイング研究のエビデンスを結び付けることで、幸せな働き方について、学術的な側面からもお伝えしたいと思っています。その上で、皆さんがご自身のキャリアをしっかりと考えられるように、視野を広げたり、視座を高められる機会を作っていけたら嬉しいです。

ウェルビーイング・キャリアを世の中の当たり前にして、自分で自分のキャリアを柔軟に選択し、多様な形で、楽しく生き生きと働ける人を増やしていきたいですね。

 

兼吉さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』 クレイトン・M・クリステンセン(著)、ジェームズ・アルワース(著)、カレン・ディロン(著)、櫻井祐子(翻訳)

クリステンセン教授がすべてのビジネスマンに贈る人生のジレンマを乗り越えるための1冊!
本書は『イノベーションのジレンマ』をはじめ、多数の名著を著した技術経営の大家クレイトン・クリステンセンが、これまで自身が教えてきた経営戦略を人生訓に落としこんで語る1冊。2007年に心臓発作、そして2年後にガン(悪性腫瘍)、さらに2010年には脳卒中で倒れたクリステンセン教授。戦略論や経営学の分野では最高峰にある教授が、抗がん剤と戦って髪が抜け落ちた体に鞭打ち、最後の授業で何を伝えたかったのか。本書のもととなった「HOW WILL YOU MEASURE YOUR LIFE?」(HBSに掲載された論文)は、HBS史上最多のダウンロード数を獲得した。Amazon URL

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!