今回はドクターメイト株式会社代表、青柳 直樹氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | ドクターメイト株式会社 |
代表者 | 青柳 直樹 |
設立 | 2017年12月8日 |
主な事業 | 夜間オンコール代行™
日中医療相談 介護職向けe-ラーニング |
社員数 | 89名(取材時) |
会社所在地 | 東京都中央区東日本橋三丁目7番19号 東日本橋ロータリービル9階 |
会社HP | https://corp.doctormate.co.jp/ |
現在の事業内容を教えてください
ドクター・医療・介護の連携を行い、介護施設向けにオンラインで医療ソリューションを提供しています。当社では「ドクターメイト」といって主に2つのサービスを展開しています。日中勤務の介護施設スタッフが専門医にオンラインで相談できる医療相談と、「夜間オンコール対応」といって介護施設の夜勤スタッフが私たちの医療チームに相談できるサービスです。
他にも新しい事業として、介護施設の医療教育をeラーニングで行えるシステムもあります。
社名のドクターメイトはどういった意味でしょうか?
世間の病院や医師のイメージは、トップに医者がいてその下に看護師、介護士、患者と続いているように見られてしまっています。しかし私たちは、すぐ横で生活に寄り添ってくれる医者を想像してほしいと思って、ドクターに「メイト=友達」という言葉を加えてドクターメイトとしました。
学生時代のエピソードを教えてください
私は小学生の頃から医者になりたくて、中学・高校と医学部を目指しながら勉強に打ち込んでいました。小児喘息で病院にお世話になったり、私の祖父が膜下出血で病院へ運ばれたりしたことがきっかけで、医師という職業に出会って、憧れを持つようになりました。
医学部に合格後、中学校の恩師から「医者になれたとしても、普通の医者になるな」と言われたことを思い出し、大学時代は留学したり本を読んだり、資格を取ったりと意識を高く持ち、とにかく行動していました。
また大学6年間は軟式テニス部に所属し、部活を通して社会性を学びました。チームで何かを成し遂げることに喜びや楽しさを感じ、私にとって部活は一番大切な時間だったかもしれないです。
医師になってから患者様とのエピソードで思い出に残っていることはありますか?
私の勤務していた病院では、高齢者の入院が多く、治療が終わってからすぐに退院できる方がなかなかいらっしゃらなかったです。そのため、ご家族と退院の調整や、家で介護ができるよう説明する仕事もあり、介護と医療の連携に問題点を感じていました。自分の中で課題を感じてモヤモヤしながら日常を過ごしていました。
幼い頃からの夢である医者として働いていたのに、起業に至るのはどうしてでしょうか?
ある時、学生時代の部活の先輩から「異業種交流会をするので手伝ってほしい」と連絡がありました。手伝いを通してスタートアップ企業の方々に出会い、社会課題を解決するために起業することを知ったことで、今まで自分が課題として考えていた介護と医療の連携を事業として解決できないか考え始めました。実験的に介護施設に医療チームに相談できるサービスを使ってもらうと「助かる」「こういうサービスが広がると嬉しい」とお声をいただき、きちんと事業化させていこうと思ったのが始まりです。
起業してから1番の苦労はなんでしょうか?
ビジネスでは私が良いと思うものではなく、顧客が良いと思うものでないと受け入れてもらえないことが、理解はしていてもなかなか実践レベルにまでは持っていけなかったことです。
どういう意味かというと、医者という立場で仕事をする場合、例えば治療法を提案すると、患者様は基本的に医師の提案を受け入れてくれます。しかしビジネスになるとそうではありません。
私が良いと思うものでも顧客の皆様にとって価値があるものでないと受け入れてもらえないのです。そのため、顧客にとっての価値は何なのかを考えて、顧客が主語でビジネスを進めないといけません。
創業当初は、このことを頭では分かっていてもなかなか実践できなくて、2年程は苦しみましたね。
どのように乗り越えたのでしょうか?
現場の方から「介護では夜間の課題が大きい」という話を聞いていました。初めのうちは夜間の提案をお客様から受けても、「日中に介護サポートできた方が良いのではないか」と突っぱねていました。しかし、お客様が興味を持ってくれることを提供するのが企業としての使命なんじゃないかと気がついて、夜間のサービスの提案をすると事業が成長していきました。やはり実際にお客様の声を取り入れていくことで、私の考えも変わっていきました。これまでに9回もサービスの方向転換をして試行錯誤しています。
他にサービス内で工夫されていることはありますか?
介護施設向けの夜間対応は病院と対応が異なり、知識やスキルよりもコミュニケーションが重視されます。だからこそ当社では厳しい採用基準を設けています。さらに採用されたスタッフは、数ヶ月間しっかりと研修を受けてもらうことで、お客様にクオリティの高いサービスを提供できています。
新人スタッフ側もいきなり現場に出ると負担になってしまいますし、内部でのフォロー体制を整えれば、サポートを受けながら仕事をしていけます。特に介護の夜間勤務は、働くスタッフを最小限にしているため、なるべく他のところで心的負担がないようにしていますね。
介護施設の医療教育をeラーニングではどのようなことが学べるのですか?
当社は日頃から介護士の方から相談を受けています。その相談内容をもとに動画5分で医療が学べます。動画はレベルごとに分かれ、学ぶ内容の道筋がたっており、自身のレベルの認知や将来のキャリアパスも一緒に考えることができます。
今後の展望はありますか?
高齢社会が進む中で、医療は医療、介護は介護と隔ててしまうのではなく、医療と介護が重なるようにしていきたいです。そのためにもITやデジタルの力を使いながら、医療と介護の連携をスムーズに今後も展開していきたいです。介護を提供する人も介護を受ける人も「自分らしい介護」の実現ができると思いますし、介護施設の運営を良くしていくことで、業界の持続可能性を高めたいですね。
日本は高齢化の最先端ですので、日本で良いモデルケースを作っていけば世界の課題解決に繋がっていくと考えています。高齢者の介護医療は社会保障費で大部分を占めています。高齢者の介護医療の問題を解決し、国として未来の世代の教育費に予算を回わしていくことも目標にしています。
何かメッセージはありますか?
これからの介護業界はいかに医療的なサポートができるかが差別化のポイントになっていきます。医療も整えたいと考えている介護施設には、ぜひ当社のサービスを使ってほしいです!
経営者におすすめの本はありますか?
尾田栄一郎さん著書の『ONE PIECE』です。主人公であるルフィのリーダーシップ像は、事業を行う上でも非常に参考になると思います。同じ船に乗って、同じ目的を目指して集まったメンバーがいるんですが、実はやりたいことがそれぞれ違います。メンバーとしてやりたいことと、船として向かってる行き先が一致している「仲間集め」はマネジメントをしていく中でも非常に重要だと思っています。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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