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株式会社ビーズ代表 細野 尊史氏

  • 07/07/2025
  • 07/01/2025
  • 仕事
  • 96回

今回は株式会社ビーズ代表、細野尊史氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 株式会社ビーズ
代表者 細野尊史
設立 1985年
主な事業 店舗    美容室10店舗、メンズサロン(理容室)1店舗、ブライダルサロン1店舗、ネイルサロン3店舗、

リラクゼーションサロン2店舗、フェイシャルビューティ(アイラッシュ)2店舗 ※店舗併設サロンあり。

社員数 200名
会社所在地 愛知県半田市花園町3-12-12 メゾン花園205号
会社HP https://bsgroup.jp/

 

 

事業内容を教えてください

株式会社ビーズは「ビューティーライフプランニング~お客様も美容師も生涯ビーズで~」を経営基盤に、美容室を全国に19店舗展開しています。

当たり前のことですが、人は必ず年を重ねる生き物です。年齢を重ねれば支持をしてくださるお客様の年齢も変わり、自分もお客様も生活状況が変化します。その全ての変化に対応し活躍し続けるのが、ビューティーライフプランニングです。

ビーズではお客様にもスタッフにとっても変化に応じて無理なく関われる美容室を目指しています。そして、必ず生まれてから死ぬまでの間に、ビーズには絶対どこかでお世話になるイメージ付けをしていきたいと考え、邁進しています。

 

それぞれのサロンについて教えてください

ビーズの運営する美容室にはヤングサロン、ミドルサロン、シニアサロンと年代別にサロンがあるのが特徴です。

ヤングサロンは「動」「活気」「元気」がテーマで、美容師もお客様も若く、中学1年生位から独身終了までの方をメインターゲットにしています。最近は若者の就職率が下がっていることもあり「ヤングサロン」の出店は控えていますが、若い世代が活躍できるような「ヘアショー」や「ファッションショー」といったイベントでの発信に力を入れています。

 

ミドルサロンは、「美の生活企画」がテーマの美容室です。

子どもが出来ても美(きれ)いなママでいてほしい、お父さんも一緒に〝家族サービス″的に使える便利なサロンでありたい、という思いから、ヘアーだけではなく 爪、顔、人生の中で出会うそれぞれのイベント等全ての場面でお役に立てる総合サロン〝ビューティーモール″として運営しています。

ちなみに、平成8年に日本で初めて商業施設に託児所を作ったのが当社です。

子育て世代向けの取り組みとして、働くお母さんもお子さんを連れてきて出勤しています。託児の先生が常駐しているので、子どもを抱っこしながら面接に来た方もいます。9割以上が主婦の美容師で、仕事と家庭を両立しやすい環境を整えています。

 

そしてシニアサロンは「ビューティリラクゼーション〝美の寛ぎ〝」がテーマの、高齢のお客様のお悩みにフォーカスした美容室です。高齢になると白髪や脱毛、病気による副作用など、センシティブな課題が出てきます。そのため、プライベートな空間でお客様とキャリアを積んだ女性美容師がゆっくりとした時間を過ごせるよう工夫しています。。

また、サロンに来ることが難しい方のために、介護施設への送迎もしております。

 

経営する中で力を入れていることはなんですか?

若者の育成に力を入れています。なぜなら、美容業界はここ10年以上、若年層の離職、なり手不足が深刻な課題になっているからです。だからこそ、当社では小さい頃から将来の夢に美容師になりたい人を1人でも増やしたいと思い、様々な取り組みを行っています。

正直、美容師の仕事はカットの技術だけでなく、接客力や営業力も求められる総合的な職業です。しかし、一通りの技術を習得して独り立ちするまでに10年はかかるとされています。そのため収入がなかなか上がらずに早期離職を選択する人も少なくありません。

現在、ユニクロをはじめ、他業種はすでに30万円の水準を超えているところもあり、美容師という職業に魅力を感じてもらうためには収入の面も水準を上げる必要があります。特に、美容師になっても食っていけないと思われていると、これからどんどん美容師になりたい人口が減ってしまいます。

美容師は国家資格であるのに、他の国家資格と比べると給与は最低のラインです。根底が変えられないのであれば、当社が変えるしかないと思い、「初任給30万円」という目標を掲げています。

 

若い世代に美容師の仕事を意識してもらうために、その他どのような取り組みをしていますか?

2016年から「美容万博」を開催しています。子どもの段階で美容の楽しさに触れてもらうことで、自然と意識や知識が育つと思っています。また、美容師のキラキラした面だけではなく、裏側の難しさを知ってもらうこともこのイベントのテーマです。

また、名古屋市の「若宮商業高校」では、「デュアルシステム美容分野」を立ちあげ、在学中から美容の座学と実地研修を行っています。

将来的には、美容師になりたい子どもには高校までの間にある程度のカリキュラムを提供して、美容室にバイトに行ったときに即戦力になる人材を育てていきたいです。

というのも、美容の専門学校に2年間通うと300万円ほど学費がかかりますが、これは一般のサラリーマン家庭では払うのが厳しい金額ですし、今後美容師がお金持ちの人たちだけの職業になっていくのも違うと感じています。

偏差値の観点から見ると、美容師を目指す学生の平均偏差値は40前後です。机に向かって1つのことをコツコツ積み上げることができない子が多い印象があります。親の収入の問題で塾に入れなかったり、ネグレクト的に放置されたりする家庭環境の方も多く、これらが離職率が多い理由になっていると思います。

教育に力を入れることでこうした負の連鎖を断ち切れる可能性もあると思っていることから、当社では美容師という仕事を多くの子どもたちに知ってもらえるよう、精力的に活動を行っています。

 

ここからは細野社長のことをお聞かせください。学生時代に頑張っていたとこは何ですか?

野球部に入っていましたが、運動が得意ではなかったです。リレーの選手に選ばれたこともありませんでした。

しかし中学に入って突然、急に運動ができるようになっていきました。野球部に入り、1学年上の先輩たちとプレーするほどになりました。

しかし、目が悪かったことから高校入学後は野球から陸上へ転向しました。高校3年生の時には実業団とは一緒にトレーニングしていましたね。しかし、交通事故に遭い、夢が破れてしまいました。1年間はリハビリ生活を送り、外にも出づらい日々を過ごしました。

ですが、ある時いつもと違う道を歩いてみたら、新しくできた美容室に「美容師募集」という張り紙がしてあるのを見つけました。お店に入って聞いてみると「うちでも美容師になれますよ」と言われたその一言で、即決してこの道に進むことを決めました。

 

すごい行動力ですね

美容師に行き着くまでの1年間、自分に何ができるのか、何がやりたいのか分からず模索していました。水中であれば身体に負担がかからないだろうと思いリハビリも兼ねてスイミングスクールで働き始めたことがありましたが、泳げないのでインストラクターにはなれず、監視員としてプールサイドに立ち続けたりと、「俺なにやってるんだろう」という経験もしましたね。

しかし、将来について真剣に考えた時に、体育・技術・家庭科の成績が「5」だったことを思い出し、手を動かす仕事に向いているのではないか?とは思っていました。

 

昔から社長になりたいと思っていましたか?

いいえ。のらりくらりいろんなご縁があって行き着いた先が経営者でしたね。

また、最初から「美容師になりたい」といった職業への理想がなかったからこそ、ここまで続けてこれたのかもしれません。ですが、お客様から「ありがとう」と言われる嬉しさがやりがいにつながり、美容師として仕事を続けてこれたのだと思います。

 

これまでのキャリアを教えてください

最初に働いていたお店で2年ほど経った時、下を育てる経験を積みたいと考えて上司に「アシスタントは入れないんですか?」と聞きましたが、きっぱりと「入れない」と言われました。その時、人を育てる気がないのでは自分も何も学べないと感じたことから思い切って環境を変えることを決意し、大きい店舗に移ることにしました。

大は小を兼ねるという観点から大きいお店を経験しておけば、小さいお店もやれるのでは、と思ってのことです。

実際にそこで働き始めると、向上心のある人が多く、朝5時に起きてチラシを配って、夜11時まで働いた後に練習する毎日でしたが、仲間と一緒に成長してる感じでたのしかったですね。美容院なのに男性ばかりで変な集団でしたが、良い仲間たちでした。

 

過酷な環境でありながらも、お仕事が楽しかったのですね

はい、数年は一日の睡眠時間が1時間ほどでしたが苦ではありませんでした。そして急な人員不足のなかで、23歳にして店長になりました。チラシの作り方から集客、運営、お金の回し方まで全部このときに学びました。

また、60坪の美容室になると掃除に1時間以上かかります。時間もお金もなく、寝る間も惜しんで働いていました。

ですが、マルチ商法に巻き込まれたこともありましたし、スタッフが3人しかいないのに800万円の売り上げを作ることを求められたり、給料も40万円ダウンしたりと理不尽なことも多く、自分で独立する道を選びました。

 

美容院を開業したのでしょうか?

美容院を出してしまうと競合してしまうので、ペット美容室を始めました。きっとワンちゃん見て癒されたかったんでしょうね。

しかし2000万近くの借金を抱えてしまい、車を売って何とか返済しながらも、店舗内での人間関係が崩れてしまったりととても大変でした。自由契約だったにも関わらず、スタッフに説明が行き届かず誤解を生み、自分の立場がなくなっていきました。辞めたくても借金があるから辞められない。そんな時、元々知り合いだった今の会社の前社長に声をかけられ、1年後に辞めることを告げて、ペットの美容室から撤退しました。

 

どのように再スタートしたのでしょうか?

ビーズグループのフランチャイズ店舗として、300万円という小さな資金を元に美容室をスタートしました。開業したペット美容室を放置した状態だったのでそこをリフォームして始めましたが、お店の外観が美容室にはあまり見えなかったため、お客様が店の前を通って目が合った瞬間に走って逃げていくなど先行きが不安になることもありました。

しかし、最終的には月商400万円まで成長しました。当時は借金返済に向けて、死に物狂いで働いていましたね。

 

株式会社ビーズの社長になった経緯を教えてください

仙台で開催されたビーズグループの勉強会に参加したのですが、そこで得たヒントを持ち帰り、2〜3ヶ月で売上が300万円増加しました。そして、「自分の力で出した店で成果を出さなければ意味がない」と思い、新店舗をオープンしました。そこでの成果が認められたことで2017年頃から社長交代の話が出始め、2021年に社長に就任しました。

飛び級のような昇格だったため、社長就任当初は自分の関わりの薄いエリアや、前社長との信頼関係の強いスタッフとの距離をどうするのか、周りのフランチャイズオーナーとどう調和を取るのかなどを考え、「美容師の時の給与半分で社長の給与に設定する」宣言して信頼関係を作っていきました。

社長のスタートは社長見習いになりますし、お金目当てで社長になったわけではないことを認識してもらいたくて行動に移しました。

 

社長になってから大変だったことはありますか?

前社長は一人一人と向き合うスタイルで接していましたが、店舗が増えていく中で時間が足りなくなり、私は店舗に入ることをやめる決断をしました。というのも、何かあったら社長に頼りすぎていた習慣もあり、成長の機会損失があったのではと考え、「店舗内の出来事は店舗内で解決してほしい」という方針に変えました。

 

経営をする上でどのようなことがやりがいですか?

今までやってきたことの点と点がつながり、今の形になっています。点を打ってる時は理解されないのですが、しっかりと今やるべきことをやっていくことを大切にしています。そして、点と点が結ばれて成功したときに、みんなから感謝されるのは、やりがいですね。

 

今後の展望を教えてください

売上100億円を目指しています。将来的により良いビーズの姿になっていけるよう、その時々に合わせて最善の選択を取っていきたいですね。

個人的な展望としては、夢がなくても食べていけるし、楽しく生きていけるよと伝えていきたいです。世の中は夢があることが素晴らしいとされていますが、私の人生を伝えることで、夢のない人にも勇気を与えていきたいです。楽しく生きて目の前のことをしっかりやっていたら、成功できることを体現していきたいです。

 

経営者におすすめの本はありますか?

私が書いた本の『魔法の第一印象~~会った瞬間に心をつかむ技術』がおすすめです。努力が苦手な人、自分を努力家だと思ってない人にこそ読んでほしい1冊です。

私はカットの練習よりも、街を歩いてすれ違う人たちを見て、「この人に似合う髪型は? カラーは? 服は?」と瞬間的に何パターンもシミュレーションする練習を繰り返し、遊びと仕事と勉強をミックスしてきました。

この遊びと仕事と全てを贅沢にわがままにとろうとした瞬間に全てを手に入れたと感じたことから、このような内容の本を書きたいと思いました。しかし、大衆的なテーマではないので、まずは見た目の話を書いてみようと思い作ったのがこの本です。

本書では、色の心理学や視覚的ブランディングの話も多く書いています。「なぜその色を着ているの?」と聞かれて答えられない人は多いですが、色には人の心理を動かす力があり、コントロールができます。

本に書いてあることを実践すると、その人が成し遂げたい未来を手に入れることができますし、ビジネスでも使える情報が満載なので、ぜひ読んでみてください!

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4910616160

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。

企業出版のノウハウを活かした記事制作を行うことで、社長のブランディング、企業の信頼度向上に貢献してまいります。