今回は株式会社ボーテ代表、柏野 紗耶加氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社ボーテ |
代表者 | 柏野 紗耶加 |
設立 | 2014年1月15日 |
主な事業 | デンタルエステサロンの運営、セミナー・研修の開催、
オーラルケア商品の開発・販売等(子会社ラビット) |
社員数 | 32名(取材時) |
会社所在地 | 大阪市中央区東心斎橋1丁目8−11-2601 |
会社HP | https://beaute10.com/ |
事業内容を教えてください
株式会社ボーテは三本柱で事業を展開しています。
1つ目は治療を一切しない予防審美専門のクリニックの運営です。
ホワイトニングやマッサージ、歯周病予防のクリーニングなどのメニューを用意しています。
特にホワイトニングは年間1万件の症例数があります。セルフホワイトニングとは異なり、歯科医院でしか使えない薬剤を使用するため、元々の歯の色以上に白くなるのが特徴です。
2つ目は歯科衛生士に向けた研修・コンサルティングです。北海道から沖縄まで17人の講師が在籍し、年間600件のクリニックに訪問しています。研修内容はホワイトニングや人間関係を良くしていくチームビルディング、接客など様々です。自分の医院で実績を出してないと研修でお伝えすることできないと思ってるので、自分達のクリニックの運営にも力を入れています。
3つ目は物販事業です。ボーテオリジナル商品の販売開発を子会社化(株式会社ラビット)し、幹部に経営を任せています。
https://beaute.easy-myshop.jp/c-member-login?redirect_url=..%2Fc-item-list
知覚過敏予防の商材や歯茎マッサージのジェルなどを自社で開発して、クリニックに販売しています。今後は海外の商品を日本に輸入し、他院にも提供していきたいです。国内でまだ利用されていない素晴らしい商品を、私たちのクリニックを通じて届けていきます。
株式会社ボーテでは自立した働く女性の育成を目指し、事業を展開しています。
どのように店舗を増やしていかれたのでしょうか?
現在、6店舗を展開していますが、それぞれの店舗はご縁が繋がり開業しています。
例えば、東京・目黒の店舗は、もともとお世話になっていた歯科医師の先生が経営するクリニックが閉院することになり、M&Aの形で引き継ぎました。すべて、価値観の合う方々とのご縁によって広がっています。
今後は北海道・東北だけでなく、名古屋や九州にも拠点を広げていきたいと考えています。
現在運営しているそれぞれの店舗の詳細は下記よりご覧ください。
目黒店 https://beaute8.com/meguro
枚方店(辻村矯正歯科内) https://beaute.com/hirakata
心斎橋店 https://beaute8.com/
現在の事業は3本柱で運営されていると伺いましたが、起業当初からその構想はあったのでしょうか?
20歳の頃から「28歳で起業する」という目標を立てて、実際に28歳の時に起業できました。
厳密に言うと、当初は「歯科医院を開業する」という目標でした。ですが日本の法律では歯科衛生士が歯科医院を開業することはできません。
そのため、他の道を模索し独立を控えた時期に「スタッフを育成をしてほしい」という要望があったことから、フリーランスで歯科衛生士の教育に携わるようになりました。起業して一番力を注ぎたかったことが教育だったこともあり、教育を中心にしながら、サロン事業を展開し、外部での研修も実施するという形に発展していきました。
研修内容についての詳細は下記よりご覧ください
ここからは柏野社長のことをお聞かせください。学生時代はどのように過ごされていましたか?
得意なことがあったり、継続的に何か取り組んでいたことがない幼少時代だったと思います。そして、学生時代は学校には行くものの、ちょっと悪さをしているような不良少女でしたね。
6歳のときに母親が離婚して経済的に苦しい状態が続き、中2から20歳まで祖母が育ててくれました。そのため、歯科衛生士の専門学校は自分の力で行きました。
自己肯定感の低さや劣等感を昔から抱えており、逆にそれが自分を突き動かす原動力になっていたとも思います。しかしながら、人見知りで、人の目を気にすることが多かったです。
なぜ歯科衛生士を目指したのでしょうか?
歯科医院でのアルバイトがきっかけです。元々通っていた歯科医院で高校1年生から専門学校卒業まで働いていました。歯科衛生士を目指した理由を正直に言うと、手に職をつけよう、資格を取ろうと思ったことがきっかけで、何かすごい熱意があったから、という理由ではありません。
20歳で資格を取得し、歯科医院で3年働いた後に大手フランチャイズ歯科医院で5年働き、その後起業しました。
なぜ起業しようと考えたのでしょうか?
20歳のとき、2度目の父の借金を背負うことになった経験があり、そんな時に私を支えてくれた女性がいました。その方がアチーブメントという会社の研修を受けており、20歳の11月に私も研修に参加させてもらいました。能力開発や自己啓発の研修で、「もし何の制限もなかったら何をしたいか?」という質問がありました。そのときに、私は「自分で事業を起こし、経済的に豊かになって家族を守りたい」と強く思ったのです。そこからも、その思いは消えることなく、起業を考えていました。
しかし、自分の中で実績を積むには7〜8年は必要だと考えて最初は就職を選びました。奨学金制度の関係で地元で働くことが決まっており、そこで歯科衛生士としての基本を学びました。その後、「自分が起業するなら、大きな組織の中で伝説を残すくらいの結果を出すべきだ」と思い、大手のフランチャイズ企業に就職しました。その後は25歳で梅田の店舗の店長に抜擢され、実績を出すことや人を育成することを学んで、起業の準備ができたと思います。
経営者になってから大変だったことはありますか?
大変だったことは2つあります。
1つは育成です。
私はもともと目標を設定したらその目標に向かって突き進むタイプなのですが、みんながみんなそう簡単にできることではない、ということを実感しました。女性従業員が多くいますが、仕事に対するスタンスは人それぞれです。仕事とプライベートをきっちり分けたい人もいました。そのため、私と同じようには働けないという理由から、離職率が高くなってしまい大変な時期もありました。
私自身マネジメントスキルが不足していたこともあり、従業員にはかなりの負担をかけてしまったこともありますが、当時のメンバーが戻ってきてくれて、今は元気に働いてくれています。
また起業当初は、全員が年上の従業員ばかりで、どこかで年齢や経験の差に悩むこともありました。
2つ目は資金についてです。
歯科医師ではなく歯科衛生士の起業だったこともあり、なかなか銀行からお金を借りることができずに苦労しました。創業してからの約5年間は自転車操業で苦労しましたが、段々と会社の信頼もついてきたことから、大きな借り入れができるようになりました。
また、ずっと雇われだったので、独立してから初めて税金やマネタイズの解像度も上がりましたね。
1つひとつ学びながら経営を続けてきました。
人材の定着はどのように改善されましたか?
2つ工夫をしました。
1つ目は採用です。当社では女性の自立や成長、挑戦をとても大切にしています。なので、ここに共感をしていただける方だけを採用するようにしました。理念採用を行ったことで、意識の高い従業員が定着するようになりました。
2つ目は女性のライフステージに合わせた柔軟な働き方ができる環境づくりです。
女性は結婚、出産、介護など、ライフステージが変わることで仕事に変化が必要になるので、ライフスタイルに合わせた働き方を提案しています。例えば、週休3日や週休2.5日など、柔軟な勤務形態を選べます。お子さんがいるスタッフには在宅勤務や早く帰れる仕組みを導入しています。
働きやすさと働きがいのバランスを取ることを大事にすることが、人材定着に必要なことだと考え、仕組みづくりや教育に注力しています。
どのように会社の信頼を積み上げましたか?
長期的な視点を大切にしていました。目の前の患者さんやクライアントに対して、常に誠意を尽くし、日々コツコツと実績を積み重ねてきました。社会に対して良いことをしていれば、必ずその努力は評価されると思います。信頼があるからこそ、ご縁がつながり会社が大きくなってきました。
今後の展望を教えてください
今後は1人ひとりの強みを生かす舞台を作りたいです。2030年までに50名の講師を育成することを目標にしています。
その後はチャレンジを通して業界の悩みを解決貢献していきたいです。歯科業界では女性の雇用問題や育成課題があります。実際、歯科衛生士は29万人もいる中で、働いているのはわずか47%、14万人しかいません。日本の歯科医院は7万院ありますので、多くの歯科医師が雇用や育成に苦しんでいるからこそ、私たちの教育コンテンツを使って、お悩みを解決したいと考えています。
また、歯科医師の平均年齢は60歳で、若手の歯科医師が不足している状況です。これからは事業継承などにも取り組んでいきたいです。
私たちのビジョンは、「自立した働く女性の幸せを体験する」ことです。クリニック内の衛生士が中心となってクリニックを運営する体制を作りたいと思っています。女性が活躍できる場所を作り、稼げる女性を増やすことを目指し邁進しています。
他の経営者におすすめの本を教えてください
下記3冊をおすすめします。
『戦略を超える理念経営』青木仁志 (著)
経営者は理念づくりからはじめなさい、という内容が書かれています。理念がないと、従業員はどのような方向に進むべきか分からないため、迷いが生じてしまいます。だからこそ、経営者が企業理念を明確にすることが大切です。また、経営者がなぜ一貫性を通すことが大切なのかも書かれています。
『心。』 稲盛和夫 (著)
人としてのあり方を教えてくれます。目の前の問題はすべて自分の心の投影である、ということが書かれており、ぜひ読んで深い部分まで知っていただきたいです。
『部下をもったらいちばん最初に読む本』 橋本拓也 (著)
スタッフを採用し、育成する経営者にとって必須の内容が盛り込まれています。マネジメントの基本が学べる本なので、採用やマネジメントをされている方にもぜひ読んでほしいです。
3冊合わせてぜひご覧ください。
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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