今回は株式会社すずらん動物病院代表、栗栖 亜矢佳氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社すずらん動物病院 |
代表者 | 栗栖 亜矢佳(くりす あやか) |
設立 | 2001年 |
主な事業 | 診察、ペットホテル、トリミング
事業内容 動物病院、ドックラン、カフェ、トリミングサロン、ペットホテルの運営。 |
社員数 | 15名 |
会社所在地 | 北海道音更町木野大通東13-4-4 |
会社HP | https://suzurann-ah.com/ |
事業内容を教えてください
株式会社すずらん動物病院は北海道十勝で動物病院、ドッグラン、トリミングサロン、ぺットホテル、カフェを運営しています。特徴は約1400坪の広い敷地の中に全ての施設があることです。ペットと飼い主さんにとっての「拠点」のような場所になっています。
特に500坪あるドッグランではよく遊びにきていただいており、その中でコミュニケーションが盛んです。ワンちゃん同士も仲良くなれたり、約2ヶ月に1回「犬種別のオフ会」も開催していたりと交流に広がりがあります。ノーリードで安心して遊べる場所は十勝の中でもあまりないので、ぜひお立ち寄りください。
動物病院としては、犬猫だけでなく、鳥やウサギ、エキゾチックアニマルなども診療しています。より快適なペットライフが送れるよう、飼い主の気持ちに寄り添って一緒に小さな生命を守っていけるようにスタッフ一同、思いやりと愛情を込めたサービスを心がけています。
施設の詳細は下記URLをご参照ください。
ここからは栗栖院長のことをお聞かせください。どのような学生時代でしたか?
幼いころから動物が好きで、動物に囲まれて生活してきました。そして、小学生の頃に飼ったばかりの猫がすぐ亡くなってしまい、将来こういう子を助けられるようになりたいと思い、獣医を目指すようになりました。
東京で暮らしていましたが、中学二年生の時には「将来十勝で獣医として働きたい」と公言するようになりました。
これまで十勝に訪れたことはなかったのですが、偶然テレビで見た風景に心が動いたことがきっかけです。
その後、十勝の大学を受けるも落ちてしまい、麻布大学獣医学部に進学しました。当時は十勝で働くとは思っていませんでしたが、5年生の時に1つ上の主人と出会い、「卒業したら北海道に戻らなきゃいけないんだけど一緒に来れる?」と聞かれた際に初めて十勝出身であることを知りました。主人の卒業間際にお付き合いが始まったので、本当ギリギリのタイミングでしたね。
勤務医時代に経験しておいてよかったエピソードありますか?
大学卒業後、最初は帯広で勤務医として働いていました。
動物病院は様々な特色がありますが、私が勤務した病院はとにかく手術が多い病院でした。言い方が悪いですが、安価であることがウリだったので、丁寧に見るというよりは余計な検査はせずに素早く診療を行うことが求められていました。なので、1日10頭ほど流れ作業みたいに手術していましたね。様々な症例を任せてもらい、出張や週末泊まりがけでの手術も経験しました。
しかし、その次の病院は前院とは異なり、とにかく丁寧に、少しでも気になるところがあったらきちんと検査をする病院でした。飼い主さんも「この子のためならいくらでも出すから治して欲しい」という方ばかりでした。
そこまで診療スタイルが違うんですね。戸惑いも大きかったと思います
はい。最初の病院が獣医師として初めての病院でしたし、東京ではなく北海道ということもあり、「北海道はペットに対して家族という認識は薄いのかな?」と思いましたし、「ペットにお金をかけない」という価値観が刷り込まれてしまいました。
なので、次の病院では家族のようにペットを大切にする飼い主ばかりで前院との違いに驚きましたが、当然の事だと思い知ることができました。
飼い主によってペットに対する見解が違うのは当たり前のことです。ペットは話すことができないので、見極めるのは獣医の仕事だと考えています。
しかし、苦しんでる命を救いたい気持ちがあるなら、飼い主ともちゃんと向き合わなくてはいけないと思っています。
先生ご自身の動物との印象深いエピソードはありますか?
当院の看板猫「サンタ」との出会いは特別です。
サンタは三毛猫なのですが、珍しいのは雄であることです。実は三毛猫はほとんどが雌で、雄は3万頭に1頭の確立でしか生まれません。その希少性から「幸運を呼ぶ猫」と呼ばれています。
サンタは元々、とあるご家族が経営している牧場で拾われた子です。子猫の時に診療のために当院に連れてこられました。性別を判断してほしいと言われ、三毛猫であれば雌だろうと思っていたのですが、雄であることが分かりました。連れてこられたご家族は事前にそのことを知っていたのでしょう。私はご家族に「獣医の私でも一生に一度会えるか分からない、とても価値のある猫なので大事に育ててあげてください」と伝えました。
下世話な話になりますが、雄の三毛猫は2000万円ほどの価値があります。そのため、悪質な人間の手に渡らないよう気を付けて欲しいとも伝えました。
診察をしてから1週間後、再度そのご家族が訪れて、「やっぱり先生にこの子を飼ってほしい」と仰いました。
困惑しましたが、これもご縁だと思い、大切に育てることにしました。
サンタは幸運を呼んだのでしょうか?
はい。もう驚くほどに運気が上がりました。
例えば、以前は自宅に併設している10坪ほどの病院だったので、駐車場も狭く待合室も手狭でした。
しかし、サンタが来てすぐに今の広い土地を紹介され、移転のチャンスに恵まれました。
今は1400坪ですが、元々は770坪と660坪の2区画で売られていました。どちらを購入しようか迷っており、色々と規制もあるので踏ん切りがつかなかったのですが、買おうとしていた隣の土地をまさかの同業者が買おうとしていました。
それを知った時はもう勢いで「両方買います」と言ってしまったんです。
最初はあまりにも広すぎる土地をどうしようかと考えあぐねていましたが、サンタが引き寄せてくれて、ドッグランと病院だけでなく、カフェも作ることができました。
カフェはやったことがなかったのですが、運よく人気店の店主を紹介してもらうことができ、共同運営することができました。
広い土地なので、購入する際の負担が大きかったと思いますが、どのように工面されたのですか?
そうですね。もう勢いで買うと言ってしまったので、まずは買うだけのお金をどこから借りようかを考えました。
早く買わなければと思ったその日に丁度とある異業種交流の場に出向し、各銀行の支店長も集まる打ち上げに参加させてもらったところ、様々な銀行から声をかけてもらえました。次の日にある銀行の支店長が事業計画書まで作って「これで借りられますので、うちで借りてください」と仰ってくださいました。2週間で資金が手に入り、あれよあれよという間に大きな病院が出来上がりました。
その後も田舎ですが周りに大手企業のお店がどんどんできて、それに合わせて多くのお客様にお立ち寄りいただけるようになりました。
本当にサンタが来てくれたおかげで、全て上手く進んだと感じています。
勤務医をご経験されましたが、なぜ独立しようと思われたのですか?
子どもができたことが大きな理由です。子どもを育てながら仕事をするのであれば、自宅に病院を併設して近所の犬猫の診療をしたいと思いました。
独立してから大変だったのは、自宅に病院を併設しているため、診察時間外にもお客さまが来てしまうことです。
もちろん夜中の急変等はあることなので仕方がないのですが、子育てをしながらだったのでキツイ時期はありました。
現在は法人にもなり人も増え、会計や労務の仕事は専門家にも頼れるようになりました。さすがにこの規模を1人で見るのは不可能ですし、何でもかんでも抱え込んでたら潰れてしまうので、ある程度線引きするようにしています。
今は息子も成長して、長男とそのお嫁さんが獣医で、一緒に診察をしておりとても心強いです。
今後の展望を教えてください
実はまだ500坪ほど土地が余っています。なので、そこをペットと一緒に泊まれる宿泊施設にしようと考えています。また、私の子どもの1番上は獣医ですが、その他2人は薬学部で勉強中なので、いつかペットの処方箋と人間の処方箋同時に対応できるドラッグストアを開業したいです。
おすすめの本を教えてください
実は、現在著書を執筆中です。
犬の散歩に限定した内容で書いています。たとえば、小型犬を連れてる飼い主さんがスマホをいじっていて、犬の動き全然見てなかったり、犬が行きたい方向と逆に引っ張ってたり、あとはアスファルトが暑いのに歩かせてたりと日常的にNGな散歩に気がついていないこともあります。気づいてないけど大事な散歩のメソッドを伝えていきたいです。
近日発売予定ですので、楽しみにお待ちください。
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企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。
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