今回は株式会社ソルディ代表、國枝 弘美氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社ソルディ (旧:株式会社日の丸繊維) |
代表者 | 國枝 弘美 |
設立 | 1961年 |
主な事業 | ユニフォーム製造販売
エコマーク認定商品(続服・サロペット・エプロン・帽子・ワーキングウェア・オフィスウェア・クリーンルームウェア・白衣・制服・手袋・タオル・PR用品) |
社員数 | 34名(取材時・パートを含む) |
会社所在地 | 岐阜県大垣市日の出町1丁目5番地 |
会社HP | https://sundisk.jp/ |
会社について教えてください。事業内容と社名変更の背景は何でしょうか?
株式会社ソルディ(旧:株式会社日の丸繊維)は1959年に創業し、65年以上つなぎ服を中心とした作業服メーカーとして医療現場から工場、建設業界までの幅広い分野で現場で働く方々のユニフォームを製造・販売してきました。
そして2025年7月15日には、社名を『日の丸繊維』から『ソルディ』へ変更しました。代替わりをしたことから、これからの時代に合わせて印象を変えようと思ってのことです。
新社名である「ソルディ(SOL:D)」」は日の丸繊維時代に使っていたブランド『SUNDISK』の頭文字“S・D”を受け継ぎました。「SOLD」当社の商品が爆発的に売れるように、「SOL」太陽のようにエネルギー溢れる会社になるように、「SOLUTION」お客様の課題を解決し続けられるように、「:D」関わる人達を笑顔にできるように、と4つの意味を込めています。
新社名を決める際は様々な人の意見を聞き、結果的に娘が提案してくれた案を採用しました。今後も若い感性を会社経営に反映させていくことで、持続可能な経営を目指します。
時代の流れに乗る経営を目指されていらっしゃいますが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
今から5~6年前に会長が体調不良のため現役を退き、一時トップが不在の状況がありました。コロナ禍もあり、会社としても閉鎖的な守りに入った状況がしばらく続きましたが、会長からの「赤は出すな」という命令を忠実に守り、数年もの間会社を存続させてくれたのは今も残ってくれている社員たちです。
この期間はトップがいないため新しい取り組みも積極的には行えず、業界でも少し後れをとってしまったので、現在はスピード感を持って時代の一歩先に立ちリードしていく立場になりたいと考えています。
ここからは國枝社長のことをお聞かせください。学生時代はどのように過ごされましたか?
小中高を通してテニスに打ち込んでいました。自宅近くに大きなテニスコートがあったことで興味を持ちました。小さいころはソフトテニスをして、高校生になってからは硬式テニスを経験しました。負けず嫌いで、とにかく必死に練習していましたね。
テニスを続けてきましたが、プロになろうと思ったことはありませんでしたし、将来についても
子どもの頃から“弟が跡取り”と決まっていたため、私はいずれ家を出る人間だと思っていましたので、家業に関わることは一切考えていませんでした。
しかし、幼いころから父が一生懸命日の丸繊維の仕事に取り組む姿を見てきたので、自分も何か手伝えたら良いな、支えたいなと思っていました。
また、成長するにつれ東京への憧れを持ち始め、大学進学を機に上京しました。
実際に東京で暮らしてみていかがでしたか?
行ったら行ったで都会に合わないことを実感しましたね。
都会の慌ただしさやさらっとした人間関係などが合わなかったです。そのため、大学卒業後は地元に戻ろうと考えていました。
社会人時代はどのようなキャリアを歩まれましたか?
家政学科で被服を学んだ後、名古屋の学習塾でアシスタントをしていました。大学の学科は嫁入り道具の1つのような感覚で選んでいましたし、就活の際もやりたい仕事も目指す目標も特にありませんでした。
その後、自分の店を持つ夢を抱いてエステサロンで修行していた時期もありましたが、諸事情から断念せざるを得ませんでした。その後は結婚、出産を経て、3人の子どもを育てる専業主婦として長い時間を過ごしました。
社会人時代に経験をしたことで、印象に残っていることはありますか?
計画通りにいかないことばかりでしたが、振り返るとその時々で直感を信じ、臨機応変に動いてきたことが、いまの自分につながっていると感じています。
何事もタイミングを逃さずに行動することが大事です。計画にしがみつきすぎるとトラブルが起きたときに心身に影響がでるので、信念や思いは強く持つものの、その時の環境で自分ができることを1つずつ実行していくことが良いと思います。
社長に就任された経緯を教えてください。
2021年9月に社長に就任しました。冒頭でもお伝えした通り、会長である父が病に伏せたことで一時期トップ不在の期間がありました。
弟が継ぐ予定でしたが辞退の申し出があったこともあり、予定していた計画が白紙となりました。そのため、株主たちには会社を畳むしかないのではないか、という雰囲気もありましたし、またM&Aはしたくないという会長の意向もあり、誰か良い人がいないかと探していました。
私も後継者探しをしていたのですが、ある時、突然「私がやるのが一番ふさわしいのではないか」と閃きました。こんなことを言ったら父からは怒られるかと思っていたのですが、勇気を出して伝えた結果、「次の株主総会で発表しようか」とすんなり了承してくれました。
そこからはとんとん拍子に進んでいきました。
就任当初、どのように社員の皆さんと向き合われましたか?
急に決まったことなので十分な準備もできず、あれこれ考える暇がない状態で就任しました。
社長就任の挨拶で、『社長になるための準備が不足している人間です。ですが、この会社を愛する気持ちを社員の皆さんと一緒に引き継いで、会社を残していきたいです。1つひとつ勉強していくので教えてください。』と正直に状況と思いを伝え、頭を下げました。社長になったからと言って偉そうに振る舞うのではなく、素直に自分の不安や至らなさを伝えて協力を求めた結果、優秀な社員達が支えてくれて、そのお陰で現在も会社を経営できています。
専業主婦から57歳での社長就任という考えもしなかった転機でしたが、私自身も自主的に勉強を重ね、経営者にしかできない交流の場に足を運んだりと、社名と顔を広げられるように努めています。
経営者として、どのような苦労を経験されましたか?
社長になってからは大小さまざまな決断を日々迫られます。方向性を誤れば社員全員に影響が及ぶため常に不安はあります。しかし、社長が揺らいではいけないので、自分の直感を信じ決断してきました。
情報を集めすぎても迷うばかりになってしまうので、必要な情報は把握しつつも、最後は自分の感覚で判断するようにしています。そして迷ったときは、社員や周囲に素直に相談していますが、頑固な性格なので、相談をしても自分がこうだと思ったらそこを通しています。
当社は現在、トップ不在時の後始末的な仕事と並行して未来を切り開く仕事もしています。私の経営者としての決断の結果は今後出てきますし、社員を落胆させてしまう可能性もなきにしもあらずです。しかし私が直感を信じることができているのも人に恵まれているからですので、周りに感謝をしながら、足りない部分は助けていただきながら、この会社を若い世代に引き継ぐその日まで責務を全うしていきます。
今後の展望について教えてください。
新しい社名『ソルディ』の知名度を高め、名前にふさわしい会社に育てたいと考えています。そして、現在全盛期よりも少し落ちている業績を回復させ、2桁成長を達成し、ECや新商品の開発にも挑戦していきたいです。
社員と一緒に次のステージへ進み、次代へつなぐ土台を築けるよう、精進します。
経営者としておすすめの本はありますか?
森岡毅さんの『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』と『マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド』がおすすめです。
経営経験が浅い私に『やれる』と自信を与えてくれた本で、社員と一緒に会社を成長させたいという思いを後押ししてくれました。
ぜひご一読ください!
『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』 森岡毅 (著) | 『マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド』森岡 毅 (著) |
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