今回は株式会社スーツ代表取締役社長CEO、小松 裕介氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社スーツ |
代表者 | 小松 裕介 |
設立 | 2022年12月1日 |
主な事業 | 経営支援クラウド事業
経営支援事業 投資銀行事業 |
社員数 | 10名(取材時) |
会社所在地 | 東京都千代田区九段南4丁目6番13号ニュー九段マンション301号 |
会社HP | https://suits.co.jp/ |
事業内容を教えてください
株式会社スーツでは、中小企業向けにチームのタスク管理ツール「スーツアップ」の開発・運営を行っています。
「スーツアップ」の特徴は、毎日続けて使ってもらえるよう、表計算ソフトのような簡単な操作性でチームのタスクの見える化ができるところです。
日本の労働生産性はOECD加盟国38か国中29位となっており海外比較でも低く、大企業と中小企業で比較しても、中小企業は大企業の2分の1程度しか労働生産性がないというデータがあります。今後、日本は労働人口が大幅に減少することが見込まれているため、労働生産性の向上が経済規模の維持・成長には不可欠です。当社では、この労働生産性の向上を、チームのタスク管理ツール「スーツアップ」で実現しようと考えています。
スーツアップではどのようなことができるのでしょうか? 詳しく教えてください
タスク管理ツールは競合が多く、シンプルなものから多機能なものまで様々あります。その中でも圧倒的なシェアを占めているのは、タスク管理専用ツールではなく、操作性に優れたExcelやスプレッドシートのような表計算ソフトです。
使い勝手を考えると表計算ソフトのようなインターフェースで、なおかつ、タスク管理に特化した機能がついているものが最適だと考え、これを実現したのが「スーツアップ」です。
ツールの導入時に、何か新しい操作を覚える必要がなく、すぐに使っていただけます。
また、SlackやChatwork、Googleカレンダーなどとの連携ができるので、タスクの期限管理も簡単にできます。そして、弁護士、公認会計士や経営コンサルタントをはじめとした専門家とAIが作ったタスク雛型が6000個以上(2025年1月時点)あるため、様々な業種業態・職種の方や新規事業を始められる方にもおすすめです。
タスク管理の状況を分析する機能もついているので、ただ管理をするだけでなく、改善活動も行えます。
「スーツアップ」の詳細は下記よりご覧ください。
ここからは小松社長のことをお聞かせください。学生時代に熱中していたことはありますか?
学生時代は映像制作に取り組んでいました。エンターテイメントやメディアに興味があり、熱中して映像作品を作っていました。
しかし、作品作りをするなかで、自分はディレクションをする監督には向いていないことを痛感しました。
ですが、みんなをまとめる役割のプロデューサーには向いていると実感しました。そこで、将来的にはインディペンデントの映画プロデューサーになりたいと考え、新卒では上場企業の映画製作会社に入社しました。
入社後はどのような仕事をしていましたか?
当時は不景気で映画業界が傾いており、入社した映画会社は事業の多角化が経営課題でした。このような状況下で、私は事業部ではなく社長室に配属され、事業ポートフォリオの構築のため、M&Aと買収先・投資先の経営改善の仕事をしました。当初希望していた映画の仕事ではありませんでしたが、結果的に今の仕事に役に立っています。
何よりも、経営の多くを20代前半で任せてくれた会社には感謝しています。
どのような仕事をされたのでしょうか?
様々な企業再生に携わりましたが、特に印象に残っているのは26歳の時から行った、伊豆のシャボテン公園の企業再生です。その頃にはすでに上場企業の社長室長を任され経営の最前線にいたため「自分で会社を回さないとこの会社が立ち行かなくなる」と肌で感じていたこともあり、伊豆高原に引っ越し、真剣に取り組みました。やらされ感ではなく、自分がやらなくては、という覚悟と責任を持って伊豆に赴きました。
その企業再生の現場では、「カピバラの露天風呂」というカピバラが露天風呂に入るPRイベントを仕掛けマーケティングの成功も味わうことができました。
昔から経営者を目指していましたか?
いいえ。父がサラリーマンだったので、経営者は視野になかったです。
ですが、企業再生の仕事をしていく中で気持ちが変化していきました。
元々は映画プロデューサーになりたいと思っていましたが、扱う商品が映画からビジネスに変わっただけで、特に苦労することもなく自然に経営の仕事を続けることができました。
なぜ現在の会社を立ち上げたのでしょうか?
31歳の時に新卒で入社した上場企業の代表取締役社長になりましたが、その後、投資家に株を買い占められたため、敵対的買収という形で追い出されてしまったからです。今までM&Aや会社の企業価値を上げるバリューアップの仕事しかやっていなかったので、そのまま自分のやってきた仕事を続けようと思い自分の会社を設立しました。
経営者になってから大変だったことを教えてください
私はこれまでハンズオン型で経営支援をしてきました。
その中でも代表的な事例は、YouTuberプロダクションである株式会社VAZの立て直しです。
実はVAZでは、設立2ヶ月目から私も顧問として携わり、大手メディアやエンターテイメント企業との資本業務提携や10億円強の資金調達をまとめました。思った以上に大きい組織になましたが、創業者がコロナ禍のタイミングで「もう自分では経営を続けられない」と言ってきました。
想定外の出来事でしたが、大半の投資家を私が集めていましたし、企業再生に長年携わっていたことから、株主からの依頼もあり、社長に就任し企業再生を行うことになりました。
1年半かけて黒字化し、上場企業に同社をM&Aしてもらいました。今では経営成績も安定し優良子会社になっています。
企業再生にはかなりの時間と労力がかかったと思いますが、どのようなことが重要になるのでしょうか?
企業再生で行うことは決まっています。「組織の構築」「コミュニケーションの整備」「チームのタスク管理」の3つがカギです。時価総額100億円以下の企業は、そもそも組織がうまく構築できておらず、チームで協力し合えていないことが多いです。それに社内のコミュニケーションも整備されていないので、コミュニケーション・ツールや定例会議などの設定を通じて、社長の声が全スタッフに届くようにします。そして、チームのタスク管理を整備し、「誰が、何の仕事を、いつまでにすればいいか」を見える化します。これだけで、赤字企業を1億円の利益が出る企業に変えることができるようになります。
チームのタスク管理は、企業再生において重要だと理解できました。そのためスーツアップを開発されているのですね!
はい。様々な中小・中堅会社やスタートアップの企業再生をしてきた経験を活かし、スーツアップは、シンプルで直感的に使えて、簡単に使い続けられるツールにしました。また、スーツアップを使えばタスクの見える化が実現し、社員同士の協力が生まれ、業務が効率化されます。既に多くの企業から「これなら使えそうだ」と嬉しいお言葉をいただいています。
小松社長はプロ経営者として発信されていますが、「プロ経営者」とはどのような存在なのでしょうか?
プロ経営者とは、株式を持たずとも、強いリーダーシップで、企業の価値を上げることができる会社経営のプロフェッショナルです。
私が若い頃は「プロ経営者」というと大企業の経営者であることが前提でした。しかし、直近では中小企業の後継者不足が社会課題となり、特に事業承継の現場で、外部から招かれる「プロ経営者」のニーズが高まっています。
チームのタスク管理「スーツアップ」の開発・運営もそうですが、私は会社経営の専門家として、多くの中小企業の支援をしていきたいです。
Xでも積極的に情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
今後の展望を教えてください
チームのタスク管理「スーツアップ」を日本の中小・中堅企業やスタートアップに展開していきたいです。
しかし、中小企業のITリテラシーは必ずしも高くないため、ツールが浸透するのに10年や20年はかかると思います。そして、その後、この「スーツアップ」を日本だけでなく、世界に展開していきたいです。
日本のサラリーマンは本当に優秀で、上司の指示が曖昧でも、部下が自ら要件定義をして仕事をこなすという世界でも特殊なマーケットです。決して日本人はマネジメントが得意ではありません。外国ではこのような「忖度」はありませんから、上司が部下をしっかりマネジメントするのが当然で、タスク管理ツールも広く普及しています。なので、誰もが簡単に使えるタスク管理ツールという悩みは日本ならではで、ある意味では、世界最先端なマーケットだと考えています。
そのため、私たちがスーツアップでAIを使って業務の標準化を行い、誰でも簡単にチームのタスク管理を実現するツールにできれば、世界的にも普及する可能性があると考えています。
現在は、日本の中小企業向けですが、ゆくゆくは世界で勝負できるツールにできるよう磨きをかけていきます。
経営者へおすすめの本はありますか?
伊丹敬之先生の著書『経営を見る眼 日々の仕事の意味を知るための経営入門』です。伊丹敬之先生は著名な経営学の大家ですが、実務までしっかりと落とし込んで書かれているため、とてもわかりやすいです。会社経営の実務の世界は、登場人物の利害関係が複雑で、全員同じ船に乗っているように見えても、スキルも目線も時間軸も考え方も違います。このような複雑なパズルを、どうすれば上手に解けて、会社変革できるのかを知ることができる1冊です。
ぜひ読んでみてください。
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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