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株式会社NEWOLD CAPITAL取締役COO 塚田 壮一朗氏

今回は株式会社NEWOLD CAPITAL取締役COO、塚田 壮一朗氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 株式会社NEWOLD CAPITAL
代表者 栗原 弘行
設立 2022年6月10日
主な事業 ・M&A実行支援事業 NEWOLD Advisory
・経営幹部人材紹介事業 NEWOLD Agent
・エキスパート活用ソリューション事業 NEWOLD Exparts
社員数 70名(2025年5月時点) ※派遣社員等含む
会社所在地 東京本社
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2丁目11番5号 クロスオフィス渋谷メディオ

福岡支社
〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神4丁目3番8号 ミーナ天神8階

会社HP https://newold.co.jp/

https://www.youtube.com/@newoldcapital/videos

 

 

事業内容について教えてください

NEWOLD CAPITALはM&A実行支援、経営幹部人材紹介、エキスパート活用ソリューションのサービスを提供しています。

当社は長年大手M&A仲介会社にて、M&A支援業務を行っていたメンバーによって創業した会社です。

「『企業・人・地域』の成長を実現し次世代の幸せを増やす。」という志のもと、すべての企業・人・地域に対し、今まで(OLD)を踏まえたうえで、成長戦略(NEW)を提案し、その実現を支援しています。

そして、次世代のために持続可能な成長を追求します。

 

M&A事業において、どのような信念を持ってお仕事をされていますか?

当社ではM&Aを「企業の変革における最大のソリューション」だと捉えています。

長年M&Aに携わっていますが、近年、売買を目的とした取引や事業を展開している会社のみが増えているということ自体に違和感を覚えていますし、疑問を感じています。

だからこそ、M&Aを単なる売買としてではなく、企業変革や企業の成長の実現に対するアプローチの一つとして捉え、支援することを大切にしています。

そのため、M&Aの実行に先立ち、エキスパートを活用したソリューションを提供する「NEWOLD Exparts」や、経営人材・経営幹部人材の採用を支援する「NEWOLD Agent」などのサービスを展開しています。

企業の成長を実現するためのサービス提供を行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせいただると嬉しいです。

 

当社のサービスや実績につきましては、下記URLをご参照くださいませ。

NEWOLD CAPITAL コーポレートサイト:https://newold.co.jp/

 

また、YouTubeでの情報発信にも注力しています。

皆様のお役に立てるようなM&Aの情報や、M&A業界の課題をアップデートすべく立ち上げたNEWOLD CAPITALの取り組みをお届けしていますので、併せてご覧ください。

NEWOLD CHANNEL:https://www.youtube.com/@newoldcapital

 

ここからは塚田様のことをお聞かせください。学生時代はどのようにお過ごしでしたか?

長野県長野市出身で、ずっと野球に打ち込んでいました。

ビジネスについて意識し始めたのは中学生の頃です。

父が自営業という形で飲食店を開業するために家族会議が開かれた時、私はそれまで「社会に出る=サラリーマン」という価値観がありましたが、このことがきっかけで、自らの手で事業を立ち上げることは、思っていたほど高いハードルではないことを実感したのです。

その後、商業高校へ進学し、野球と並行しながら簿記の勉強に励みましたが、当時はそこまで財務的な知識を身につけることを意識したわけではありませんでした。

また、怪我を経験したことで、次第に野球から音楽に熱意が移りました。

東洋大学に進学してからは、自分でイベントを開催したり、ビジネスをしたりと自分の力でお金を稼ぐことを経験しました。こうした経験を通じて、いずれは経営者になりたいという思いが強くなっていきました。

 

大学生の頃に、どのような事業で起業したい、といった明確なイメージはありましたか?

明確なイメージはありませんでした。

ただ、当時は経営者という生き方そのものに非常に価値があると考えていました。

雇用の創出や実現した世界に挑戦できる生き方がカッコイイと感じていたからです。

とはいえ、飲食店や小売、サービス業など自分がこれまで生活の中で関わった世界でしかビジネスを思いつかなかったので、社会に対してインパクトを与えられる事業に出会いたいと考えて就職先を探していました。

 

新卒ではどちらの会社に入社されたのでしょうか?

経営者になることを目標に必要なキャリアを逆算した結果、経営者と一緒に仕事ができること、経営に必要なお金の部分を知ることができるところを基準に探し、会計事務所で働くことに決めて、地元長野県の税理士法人成迫会計事務所に入所しました。

 

会計事務所でご経験されたことの中で、特に印象に残っていることはありますか?

会計事務所での業務は、毎月、過去の実績を数字化して、それを報告したうえで税金の話や、経営の黄色信号、赤信号がないかを経営者とディスカッションすることが中心でした。

私自身は未来志向が強いタイプですが、仕事柄、過去を振り返る仕事や税金の計算についての話が中心であったため、「もっとこうやったほうが良い」という話ができませんでした。

会計事務所で培った財務や税務などの知識は今でも役立っていますが、なかなか自分の得意な領域で仕事をすることができなかったので、もっとバリューを発揮できるところを模索していました。

そんな中、新規で創業をする際の創業補助金を申請する仕事があったので挑戦したところ、会計事務所の中で採択第一号になることができました。

「こういうお店をつくりたい」「こういう事業を始めたい」という思いに応えて成果を出すことができたことから、これが私のコンサルティングの第一歩だったと思います。

 

会計事務所で働かれている最中にM&Aについて業務の中で触れる機会はあったのでしょうか?

事業承継に困っている企業様がいらっしゃったら、連携先の日本M&Aセンターのセミナーへご案内することはありましたが、具体的に業務で携わったり勉強をしたりということはありませんでした。

というのも、当時の私のM&Aは、プロフェッショナルな人たちが集まり、専門性の高い業務をしている印象が強く、自分にはこの仕事ができるというイメージがそもそも湧いていなかったからです。

その後、ご縁をいただいて株式会社ジェイエイシーリクルートメントでM&A領域の転職や採用支援を担当させていただき、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーなどに入社される、ハイクラス人材の方々と接する機会を得ました。

しかし、一定の成果が上げられるようになった頃、「私が優秀なのではなく、転職する方々が優秀であるから結果が出ている」と気づいたことから、自身の付加価値について考えるようになりました。

そして、会計事務所にいた経験や、ハイクラス人材の転職支援を通じてM&Aについて話せることから、中小企業のM&Aができるのではないかと思い、株式会社日本M&Aセンターに転職しました。

 

NEWOLD CAPITALではM&Aと人材事業の2本柱で事業を展開されていらっしゃいますが、ジェイエイシーリクルートメントでのご経験はどのようなところで活かされていますか?

働いていたのは2年間でしたが、人材紹介とM&Aは利害関係が「三方よし」が理想というビジネス構造が同じです。

人材紹介では、求職者と採用したい企業と仲介会社、M&Aは売りたい企業と買いたい企業と仲介会社という三者が満足できる状態を目指すことから、個人的には大きく異なる仕事をしているという認識はありません。むしろ、人材紹介の延長にM&A仲介があったというイメージです。

当社でも人材紹介事業を立ち上げる際に責任者として動きましたが、以前の経験を踏まえ、リクルーティングから仕組み化まで実行することができました。

 

日本M&Aセンターに転職後、実際にM&Aに携わってどのような印象を持たれましたか?

営業活動という意味合いの大変さと、専門的な仕事という大変さが掛け合わさる、総合格闘技のような印象を持ちました。

営業活動については人材紹介に携わっていた時も行っていましたが、やはり活動量やアプローチする層が大きく異なりました。

意思決定権者に会いに行く、気持ちを動かすという営業になるので、得意ではあるものの難しさを感じる場面も多々ありました。

また、専門的な仕事という部分では、常々プロジェクトの中で一つひとつ解決しながら経験を積んでいきました。

 

M&Aは財務や税務の知識だけでなく、法務や労務、各業界の知識などが必要です。

だからこそ、個人で戦うのではなく、仲間を増やしてチームで困難を乗り越えてきましたし、そのメンバーは今も一緒にNEWOLD CAPITALで働いています。

代表の栗原、CSOの大野、CQOの岩木など、それぞれ強みを持っている人間と一緒に壁を乗り越えていくことで、一つずつ自分の能力も上がっていきました。

 

NEWOLD CAPITALを創業されるきっかけについて教えてください

2018年頃に大野や岩木と自分たちで会社を作る構想がありました。

しかし、皆それぞれ重役を担っており、なかなか前職を離れるタイミングを掴めずにいました。

そこから、いろいろとタイミングが重なり、2022年6月に当社を設立する運びとなりました。

M&Aに携わる中で、M&Aだけを提供する、いわばM&Aしか提供できないこの環境は弱いと感じていたからこそ、ワンストップで企業変革や成長戦略のご支援ができる会社を作りたいと思い、自分たちのビジョンをダイレクトに経営に活かせる起業という選択をしました。

 

創業当時のことを教えてください

当社のビジネスは企業の情報を扱うので、起業するとやはり情報量は少なくなります。

そのため、情報を集めるところから始めました。

本当に0からのスタートでしたね。

しかし、私含め当社の創業メンバーは業界歴も長いですし、お客様と信頼関係をしっかりと築いてきたので、ありがたいことに看板が変わろうと、以前と同じように支えてくださる方がたくさんいらっしゃいました。

 

栗原社長と塚田さんは事業を行う際どのような関係性なのでしょうか?

栗原と私は補完関係がある、という前提のもと仕事をしています。

 

例えば、栗原の強みは私よりも長くこの業界で活躍してきたことから、人脈が広く長年の実績と信頼・評判を持っているところです。

また、勇気のある意思決定ができる人物だと思っています。

勇気ある意思決定は見る人からすればネガティブなものもありますし、ポジティブなものもあります。複雑な利害関係者全員が納得する意思決定ばかりであれば経営者は楽な仕事ですが、そのほとんどはそう簡単なものではありません。ですが、栗原はそれらすべてを会社の成長という軸を側面から合理的に意思決定できる人物であり、社長という役職にふさわしいと考えています。

 

一方私は彼よりも広い守備範囲の中で、さまざまな情報を収集し、チャレンジ精神のもとに提案をすることで、社長により多くの意志決定の機会を与えることを得意としています。

また、現場のマネジメントや組織づくりも得意なので、お互いの長所も短所も上手くかみ合っているのが、現在の経営の実態だと感じています。

また、私と栗原だけでなく、メンバー全員が補完関係であるところも当社が強い部分ですね。M&Aはチームで戦うことが勝ち筋になるので、私1人の評判ではなく、我々の評判で強い影響力を持てるようにしています。

 

経営をする中で苦労したことはありましたか?

補完関係のあるメンバーと創業をしたので、ある程度阿吽の呼吸で経営をしてきたのですが、規模が大きくなるにつれ、その阿吽の呼吸が届かない範囲が出てきました。

そのため、従来のやり方を否定して、新しいやり方にチャレンジした際、失敗を経験しました。

しかし、その経験があったからこそ今成長できている実感があります。

 

他の業界や競合他社の良い部分を参考にして取り入れたり、上手くいかなかったものは自社ならではのやり方を模索したりしてきていますが、反省も多く、すべての経験が今の成長、成功に繋がっています。

 

人材のマネジメントで軸にされていることはありますか?

前職の頃から、ハイクラス人材を採用し、強力なオーナーシップ、リーダーシップを発揮し、高い視座を見せ続けてきました。

まずはやってみせて、真似させて、組織を作ってくることをしてきたのでそれが得意ですし、我々は教育ができる組織だと思っていました。

しかし、スタートアップとして立ち上げてから一番の失敗は、「我々は教育が得意だ」という前提で組織づくりを始めたことです。

 

前職では多くの人を採用し、全員を一人前のM&Aアドバイザーに育ててきた自負があるので、どのようなバックグラウンドの人材でも育てられるという仮説がありました。

しかし、蓋を開けてみると、我々は採用をしていた人たちが優秀だったからこそ想定する時間軸で成長していただけで、決して自分たちに教育力があるわけではないことに気が付きました。

しかしながら創業してから3年経ち、やっと新卒で採用したメンバーや他業種から採用したメンバーたちが一人前になり始めてきています。

当初想定していたよりも時間はかかってしまいましたが、その分互いに苦戦してきた創業メンバーたちとの信頼関係は非常に強いと感じています。

 

もちろん、彼らからすると辛い時期もあったと思いますが、お互いに諦めない気持ちを持ち続けてきたからこそ、今の信頼関係を築くことができました。

結果として、時間はかかったこそあきらめずについてきてくれたメンバーが創る我々との信頼関係、空気感こそが会社のカルチャーに進化していると思います。

 

他業種からの人材を採用した結果、プラスになったことはありますか?

わかりやすい部分で話すと、男性が多い業界であることから、チームに女性がいることで当たり前の基準や常識力がレベルアップしていると感じています。

男性同士ではざっくりと物事を伝えることが多いですが、そこをしっかりと言語化していくようになりました。

例えば、「頑張ってやれよ」という一言であっても、どんな目的で、なぜこのタイミングで、どのように頑張ったらどんな成果があるか、という部分まで発言の意図を落としていく努力は、マネジメント層もメンバーも必然的に必要となります。

結果として、我々は経営者の心を動かすという仕事をしていますが、言葉の選び方やアプロ―チの仕方までより細かいところに気が付き対応できるように日々の常識レベルが高まっていると感じますし、さまざまなバックグラウンドのある人たちがいることでより強いチームになっていると確信しています。

 

今後の展望を教えてください

NEWOLD CAPITALでは、M&A実行支援事業、経営幹部紹介事業、エキスパート活用ソリューション事業を展開していますが、まずはこれら一つひとつに存在感を持たせて、成長実現ファームという独自のポジショニングを持つ会社になっていきたいと思っています。

そして、成長実現ファームという存在感を出す会社になれた暁には、我々自身が買収や出資、新規事業の創出を重ねることで、多くの経営者を輩出していきたいです。

私は最高執行責任者として、今後5年で売上100億円規模の会社になることを1つの目標として、企業・人・地域の成長を実現してまいります。

 

経営者におすすめの書籍のご紹介をお願いします

僭越ながら、2025年8月21日に発売する、『中小企業変革物語 AIか? M&Aか?』をおすすめいたします。。

この本は中小企業がAIを活用しながら、組織変革と成長戦略をどう描くべきかを実践的に解説した一冊です。AIによる意思決定の高度化、業務効率の革新、そしてM&Aを活用した飛躍の道筋までを、私が実際に経験した多くの事実からなるフィクションとして、ストーリーと解説を交えてわかりやすくお伝えしています。

変化の時代に、経営者は何を問い、どう選択すべきかはとても重要な決断です。

AIとM&Aを武器にした経営変革のリアルがここにありますので、ぜひご覧ください。

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4434362046

 

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。

企業出版のノウハウを活かした記事制作を行うことで、社長のブランディング、企業の信頼度向上に貢献してまいります。