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株式会社弘栄ドリームワークス会長 船橋吾一氏

  • 06/23/2025
  • 06/17/2025
  • 人材
  • 17回

今回は株式会社弘栄ドリームワークス会長、船橋吾一氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

会社名称 株式会社弘栄ドリームワークス
代表者 会長:船橋吾一

社長:菅原康弘

設立 2019年11月27日
主な事業 建設業プラットフォーム 「何とかしたいを何とかします!」の運営

パイプ探査ロボット「配管くん」の開発と販売

AI漏水検知システム「音とりくん」の開発と販売

省エネルギーに関するコンサルティング業務

リース、レンタル業 他

社員数 14名(取材時)
会社所在地 山形県山形市風間地蔵山下2068
会社HP  https://koeidreamworks.jp/

 

 

事業内容を教えてください

株式会社弘栄ドリームワークスはコエルグループ(旧:弘栄グループ)の1つとしてパイプ探査ロボット『配管くん』や、漏水診断システム『音とりくん』などの開発・販売などを行っています。

当社の事業で特に有名なのが配管くん・音とりくんです。

パイプ探査ロボット「配管くん」は立命館大学と共同で開発しました。 複数のパーツを繋ぐことで芋虫のような動きができるこの長細いロボットは、配管の中を自在に動き回りながら探索し、高性能カメラで配管の様子を確認すると同時に、位置センサで配管全体の図面を作成します。古い建物では所有者が変わるうちに図面がなくなり、水漏れなどの修理に大がかりな工事が必要になるといったことがよくあります。配管の場所がわからないために、本来なら故障箇所の修繕だけで済むものが、全てを交換しなければならなくなるケースも少なくありません。しかし「配管くん」なら、故障箇所を特定することができます。

土木業界ではドローンを使った地形の調査や測量など、ICTを取り入れることで生産性を大きく向上させています。また漏水検知システム「音とりくん」では検出した振動データを独自のアルゴリズムで漏水確率を判定しています。

配管くん、音とりくんの実際の動きや性能は、ぜひYoutubeをぜひご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=7UuZLt7tC6c

https://www.youtube.com/watch?v=t6QWodESCSc

 

建物の配管のお悩みに特化したサービスの会社なのですね!

配管の老朽化は、今や世界中で深刻な問題となっています。当社では、配管調査を通じてお客様の建物に関わる悩みを解決することを大きなミッションとして掲げています。

その実現に向け、まずは配管点検ロボット「配管くん」をより多くの方に知っていただかなければなりません。

加えて、ただ「配管くん」を知ってもらうだけでなく、この技術を軸とした協業によって自らの力で持続的に成長していける設備会社を始め専門工事業を増やし、建設設備業界全体を盛り上げていかなければなりません。

そのために現在は「配管くん」技術を活用していただけるパートナー企業を募集しています。持続可能な発展を実現したい、複数の事業軸を築いて強固な経営基盤を目指したい、営業力を高めて新たな顧客を開拓したいとお考えの方は、ぜひ下記URLよりご連絡ください。

URL(パートナー募集):https://koeidreamworks.jp/partner-building-solutions/

 

ここからは船橋会長のことをお聞かせください。学生時時代の思い出はどのようなものがありますか?

私は生まれてから高校まで山形で過ごしました。父の教育方針で小学校1年から自宅の庭で道着を着て空手の稽古をしており、高校では空手部がなかったので小林寺拳法を学びました。その後は、体育推薦をいただき大阪の大学に進学しました。山形のど田舎の人間が大阪に馴染めるか最初は不安でしたが、部活動やアルバイトを通して様々な人と交流をすることができました。親元を離れて都会の大学生活を満喫していましたね。

 

新卒ではどのような会社に就職しましたか?

父の推薦もあって日立に入社しました。

元々弘栄ドリームワークスの大元である株式会社KOEI(旧:弘栄設備工業㈱)は祖父が開業して、父が継いでいたのでいずれは私が社長になるのかもしれないと感じてはいました。親から継いで欲しいと言われることはありませんでしたが、父にはいずれ家業を継ぐために修行してくると、自分の意思を伝えていました。

 

いつ家業に入られるのでしょうか?

新卒から5年経った時に、家業へ転職しました。

受け入れることや認め合う、協力し合うなどの弘栄の社風を入社当時から感じました。

私の父は技術者上がりなので、非常に豊富な経験を持っていましたが、本人的には社長としての人脈やスキルを持ち合わせていないところが欠点だと感じていたそうです。そのため私は現場研修を終えた後からずっと営業を叩き込まれました。営業イコール中小企業の経営に繋がるので、業務を通して人脈作りをしていました。まずは青年会議所のメンバーになり、次から次へと役職を預けられて、最終的には2011年度に理事長を任せていただきました。しかし、その年は震災があったため、とても大変でした。私の住む街も被災しましたが、救援物資や炊き出しなどの支援を行い、地域のために何ができるかを考え動いた時期でもあります。

 

社長になってから大変だったことはありますか?

社長になる前までは営業だけで良かったのですが、社長となると社内からの信頼を得なければいけません。就任時に決意表明のスピーチをして自分のなかでは良いスタートを切ったと思っていたのですが、アンケートを取ってみると、会社や私への印象はズタボロでした。このままではまずい・・・と思い、経営塾に入り5年間勉強をしました。私が思っていることをどのように社員に伝えて、どのように理解をしてもらうのかを課題として、日々取り組んでいました。

そして、どのようにすれば同じ方向性を向いてもらえるかを考えた末に、環境整備をすることにしました。環境整備を徹底するためにグループ会社を回り、一人ひとりの社員と向き合っていきました。

 

環境整備とはなんでしょうか?

例えば引き出しの中の鉛筆を入れる場所、向きを決めるなどです。ペンの向きで評価が変わることもあります。こんな小さなことをしてもしょうがないと思う方もいると思いますが、鉛筆の向きを揃えるのはやればできる話で、社員の鉛筆の向きも揃えられない社長が会社の方針を伝えられないというのがこの環境整備を行う本質です。

このような経営項目を100個ほど作り、少しずつ社員と心を揃えていきました。他にも社長勉強会やバースデーカードなど様々なことに取り組みました。

すると人間関係の距離感がどんどん縮まって、売り上げの目標数字もどんどん上がっていき、13年前に40億円だった売り上げが、今では100億超えが見えてきました。変化を少しずつ感じることで、この努力は無駄じゃなかったと思えます。

 

「配管くん」は販売までに7年の月日をかけた商品とのことですが、どのような経緯があったのでしょうか?

これを作ろうと思ったきっかけは、お客様からの「配管の見える化をして修理をしてほしい」というご依頼です。設備のことで知らないことはないと自信を持っていたのですが、初めて「YES」と答えることができませんでした。その時、お客様が一番困っているところにチャンスがあると考え、本格的にプロジェクトとしてスタートしようと決意しました。

そして、社長就任直後に役員会で配管点検ロボットの開発プロジェクトを提案したのですが、役員たちからは怒号がとんできました。外の活動に注力し、社内での信頼や人間関係の構築をしてこなかったため、何を言っても聞き入れてもらうことができなかったです。そこから先述した環境整備など社員との向き合い方を変え、自分の想いや経営方針の浸透に注力しました。その後、立命館大学に技術協力をいただき、配管くんが誕生しました。

2011年に構想してから試行錯誤を重ね、2019年に具体的な形となり、ようやく実用化、市場投入ができる段階にまでなりました。

おかげさまで「配管くん」は様々なメディアからも注目をいただいており、2019年5月にはテレビ東京の「WBS(ワールド・ビジネス・ サテライト)」でも紹介されました。2019年の「トレたま(トレンドたまご)」年間大賞候補10作品にも選ばれ、大きな反響を得ています。さらに2024年にはBSテレ東「グロース翼」、2025年には日本テレビ「博士は今日も嫉妬する」、フジテレビ「live news イット!」の「アスヨク」のコーナーでも取り上げられ、注目し続けられています。

 

今後の展望を教えてください

建設業界もおかげさまで去年から働き方改革がスタートしました。その中で社員のみんなが仕事と向き合える、そんな会社にしていきたいです。売り上げを伸ばすということだけではなくて、しっかりと利益を生める体制作りが必要だと思っています。会社は生き物なので止まってはいられません。当然ながら方向性は変えていきながら、売上志向から利益志向など、時代に合わせて社風を変えていきたいです。業態に合わせて成長できるような会社作りを続けていきたいと考えています。

 

おすすめの本を教えてください

アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・べス著『Good Luck』がおすすめです。

私はこの本をとある社長さんから35歳の時にいただきました。

生きているなかで何に一番時間を使っているかというと、仕事が大半を占めます。そのため、仕事で幸せにならないと幸せな人生を歩むことはできません。また、仕事を作る社長は、仕事場を「幸せを作れる場」にしなければいけないと思っています。だからこそ、私は日々仕事に対してやりがいや向き合い方を伝え、社員の家族もチームだと思って接しています。そして、結婚をする社員には必ずこの本をプレゼントしています。

この本は本当の幸せについて考えることができるので、気になった方はぜひ読んでみてください。

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4591081451

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!