今回は株式会社エム・イー代表、小畑貴志氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社エム・イー |
代表者 | 小畑貴志 |
設立 | 平成元年4月14日 |
主な事業 | 高度医療機器卸売業(循環器部門、心臓血管外科部門、内視鏡部門、透析・泌尿器部門、その他)
新規事業部門 1.電子カルテ販売業 2.医療DX支援事業 3.学会、研究会、研修会事務サポート (CV-NET 事務代行 CV-NETK 事務代行 CV-NETSS 事務代行 信州デバイス研究会 事務代行 信州グローバルバスキュラーインターベンション 事務代行) |
社員数 | 107名(取材時) |
会社所在地 | 長野県長野市篠井布施高田823-7 |
会社HP | https://kkmep.co.jp/ |
事業内容を教えてください
株式会社エム・イーは「医療DXで可能性と安心を広げる」をビジョンに掲げ、高度医療機器の卸業をメインに展開しながら、2年半前からは新規事業を立ち上げて、様々な展開を試み始めました。
当社の目標は「地域医療連携」を行い、大きな病院から末端の患者さんまでをITで繋げていくことです。それを実現するために、診療から経営、地域連携まで一体型で支援する 病院高度経営情報システム「HAMIS」の全国販売を開始しました。本システムの設計・開発は株式会社エスパイオン・メディカルテクノロジー(以下、エスパイオン)が行い、島田総合病院にて有効性の検証も終了しております。
病院高度経営情報システム「HAMIS」について詳しく教えてください
これは、診療・看護・検査・会計・一般業務・経営支援・地域連携まで一体型で構成されたシステムです。「HAMIS」は、韓国で展開されている一般的な電子カルテから着想を得て、エスパイオンにて約10年の月日を掛けて日本向けにアレンジされました。電子カルテの見やすさはもちろんのこと、経営に必要なデータの管理まで全て一元管理ができるシステムです。
日本の電子カルテと韓国の電子カルテはそもそもの目的が異なります。日本の電子カルテはとにかく使いやすさを重視しており、電子カルテを中心にオーダーシステムなど他のシステムを繋げています。一方で、韓国の電子カルテは取得したデータを経営管理に活用する目的があります。ですので、基本的には1つのベンダーが全システムの「分析」、「設計」、「開発」を行います。
<HAMISの特徴>
- 総合システム構造で病院全体システムデータを通じた経営管理可能なシステム
- 患者ニーズの十分な対応、待ち時間短縮等の患者中心の業務プロセス改善
- 返戻/減点再発防止、適正支出、材料及び人員管理を通じた費用節減のための業務プロセス改善
- 新規顧客確保のための地域医療連携システム提供
- 役職者別責務と業務成果指標管理を通じた業務活動管理体制改善の具現化
- 損益計算、キャッシュフローの有機的管理を通じた財務構造改善の具現化
当社とエスパイオンは、「 医療過疎地域の深刻化を防ぎ、在宅でも入院と同じ医療サービスを受けられるような世の中、社会にする」ことを目標に掲げ、今後も医療デバイスや、AI を使用したシステムを積極的に開発・販売してまいります。
病院、クリニックとしての競争力を強化したい、より現場で使いやすいシステムが欲しい、という医療機関様におすすめです。
詳細は下記URLをご覧ください。
素晴らしい試みですね
ありがとうございます。これは本当に唯一無ニの電子カルテと言っても過言ではなく、経営システムに近いと思っています。部署から数字を集めて経営に活かすことができるので、リアルタイムでどれだけ売り上げにつながるか、入院の回転率、診療科別の比率、原価などを見ることができます。ゆくゆくは待ち時間や会計時間が患者様にかからないシステムを導入予定です。
使いやすさはもちろん、今後の経営に興味のある医療関係の方には是非試していただきたいです。
経営のお悩みを抱えている病院がとても多くありますし、そもそも赤字になっている理由がわからない、というお悩みもよく聞きます。当社はコンサル事業も請け負っており、DX 化、ICTの利活用、オートメーション化、デジタルマーケティングを中心に、「サイバーセキュリティ対策」「光熱費対策」「PHSのスマホ化」「集患」「患者UX」「医師の働き方改革」の6つのテーマで病院経営の効率化を支援しています。全国的にも医療DX商材をマルチベンダーで扱う商社は珍しく、開始2年で約60商材を扱い、60施設以上を支援する事業となっています。
お役立ちできることも多いと思いますので、お気軽にご連絡いただけると嬉しいです。
「HAMIS」の導入は患者にもメリットがあるんですね!
はい。日本の医療は詳細な情報を持っているのに、生かしきれていないという問題があります。医療レベルは最先端ですが、サービスやITに関しては遅れをとっています。例えば、未だに紙カルテを使用しているクリニック、病院もあります。経営の価値観が昭和で止まっているところもまだまだ多いです。
だからこそ、AIを搭載した電子カルテにすることでさらに患者様、看護師、医師に寄り添ったサービスになると思っています。将来的には、患者様が在宅でも医療を受けられるところまで発展してほしいです。
ここからは小畑社長のことをお聞かせください。学生時代にどのような思い出がありますか?
野球ばかりの学生時代でした。
中学生の頃の担任の影響が多分強いのだと思いますが、高校の教師になって、子どもたちに野球を教えたいと思い、教員になることを志していました。しかし、両親の意向で高校も理数系を選択し、1度は理数系の大学へと進学しましたが、やはり教育課程で学びたいと考え、再び受験をして日本大学の文理学部の教育課程に進みました。ですが、4年生の時の教育実習で、先生たちがすごくサラリーマン的な働き方をしているように感じ、私の夢が壊れてしまいました。このまま教員になっても私から子どもに伝えられることはないと思い、人生経験を積むべく証券会社に就職しました。
証券会社で経験したお仕事のなかで、印象的だったものを教えてください
愛知県の新規店舗のオープンで、9ヶ月間雨の日も雪の日も飛び込み営業をやっていたことです。本当に大変でしたが、オープン月には700名ものお客様が来てくださいました。この経験が今の私をつくっていますね。数学と政治経済が好きだったこともあり、証券会社は私に合った職業でした。
どんどんと時代が変わりネット証券が出始めましたが、就職していた証券会社は頑なに新しいことにチャレンジしなかったので、退職を決めました。
そこからどちらに転職するのでしょうか?
医療機器メーカーである日本ガイダント株式会社(現:アボットメディカルジャパン合同会社)に転職しました。業界に入って3日間の研修後、すぐに北陸3県を任されました。何にもわからないまま担当してしまったので、45ヶ所の病院をひたすらまわりました。1年間とにかく医療業界を勉強しようと思って、緊急のオペも全部立ち会いをして、夜中でも呼ばれたら「僕行きます」と金沢から能登半島の七尾市まで飛んで行って病院のスタッフのように働いていました。すると3年目にはどのメーカーより1番信頼をされるようになっていました。
その後は北陸だけでなく、東海地方も任されるようになり、株式会社エム・イーの初代社長と出会いました。そこで「株式会社エム・イーの社長をやってみないか」とヘッドハンティングされましたが、メーカーとしてまだやりたかった事がたくさんあったので私はずっと断っていました。しかし、初代社長、2代目社長との交流は続いていました。
どうしてオファーを受けることにしたのでしょうか?
メーカーを卒業するタイミングで、再度株式会社エム・イーの2代目の社長に声をかけられたからです。ゆくゆくは社長に、ということで株式会社エム・イーに常務として入社しました。
手始めに株式会社エム・イーの良いところを残し、悪いところは変えていこうとブレストをしました。入社したころの当社はとにかくPCスキルも低く、エクセルは使えないし、メールは来るもので返すものではないという文化があったのをよく覚えています。私の中で伝説になっていることなのですが、半年の間に社員からメールの返信がきたのがたった6件でした。
本当にカルチャーショックで、これは本当にどうにかしなければいけないと決意し、エクセル勉強会を実施したり、経費精算も紙だったので私がマクロを組んだりして意識改革をして、どんどんペーパーレス化を進めていきました。パワーポイントも誰も知らなかったですね。拠点長会議で伝えたいことをパワーポイントにまとめてもらい発表してもらうことにしましたが、最初はWordのように文字がぎっしり詰まっていたので、1つひとつ添削をしたりと、地道に教えていきました。今ではみんなとても上手になっています。
他にも改革を進め、嫌われ役を自ら買って出て、会社を良くしていくために奮闘していきました。
社内で反発はなかったのでしょうか?
ありましたね。変化を嫌う人もいましたし、結果的に辞められた方もいらっしゃいます。私もそれは仕方のないことだと覚悟していましたし、基本的には止めないことにしていました。
ただみんなの話はしっかり聞きましたし、拠点マネージャーやリーダーに1回は必ずチャンスを与えました。それでも変わらないなら、私が変えていくという方針をとりました。
また、意識を変えるためには外から人をいれて、残ってくれている人と新しく採用した人の人数が半々にならないと風向きは変わらないと思いました。新卒採用にも力を入れ、今は平均年齢が36歳になっています。私が入社した時の平均年齢が48歳だったので、若返りは実現できましたね。
当時は48人の社員での50億円売上でしたが、現在は100名ほどで130億円の売り上げになったので、できることはやってきたと思います。4年で100億に到達できたのは色々なパートナーとの出会いが大きくありました。ビジネス運を活かしてこれからも大きく進歩していきたいです。
今後の展望を教えてください
卸業では、130億から150億間の売り上げ規模を維持していきたいです。医療機器の卸だけで200億円にしていくのは市場環境が厳しく難しいと思っています。逆に新規事業を伸ばして2035年までに300億円の売上規模に増やしていきたいと考えています。
当社の新規事業で最も目指しているのは、国全体の医療費削減です。今でさえ年間50兆円かかっていますが、2040年には70兆円になると言われています。このまま何もしなければ、日本の医療は破綻しかねないと危惧しています。
そんな中医療費の4割が入院費ですので、いかに入院日数を減らす方向性にもっていくかが重要になります。在宅でも入院してる時と同じくらい安心して療養できる仕組みを構築することが、地域の医療連携だと思います。私はITの力で、当社の目標を達成していきたいです。
経営者におすすめの本はありますか?
病院向けの書籍「監事」2025年の1月号に当社の特集を組んでいただきました。私が構想している地域医療連携が書かれていますので、是非読んでください!
https://www.zaikai.jp/magazines/detail/391 |
投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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