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日本流通管理支援機構株式会社代表 佐野 正登氏

  • 08/07/2025
  • 08/05/2025
  • 仕事
  • 36回

今回は日本流通管理支援機構株式会社代表、佐野 正登氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 日本流通管理支援機構 株式会社
代表者 佐野 正登
設立 2020年01月15日
主な事業 01.模造品対策

02.転売/流通管理

03.次世代原産地証明

04.農産物トレサビ
流通や大量データの処理を得意としたIT&バイオの会社です。

会社所在地 東京都世田谷区北沢2-30-8 クレセント下北沢2F
会社HP https://jdmso.co.jp/

 

事業内容を教えてください

当社は、①偽造防止技術(真贋判定証明)、②転売や横流し対策、③トレーサビリティの為の機材やクラウドソフトウェア開発というIT分野と、④ダイヤモンド産地鑑定技術を応用した産地証明を行っております。

これらの技術の裏には、APIやAIを活用した先進的なシステム開発力があります。例えば、真贋証明シールの情報をお客様のシステムとシームレスに連携したり、トレーサビリティのための特別なコンベアを開発するなど、お客様の課題解決に焦点を当てた仕組みづくりが我々の強みです。
日本の輸出企業に真贋判定とその上位のマーケティングツールを提供し、世界中の消費者に本物の日本製品を理解し、愛する機会を提供することを目的としています。

 

日本ではあまり真贋判定の重要さは広まっていないように思いますが、なぜこの事業をはじめたのでしょうか?

元々私は化粧品等の輸出事業を行ってきました。その際、海外のバイヤーから多く寄せられたのが「日本の商品を買いたいが、メーカーが模倣品対策を行っていない」という声です。

実際にあった話なのですが、香港のとある会社から日本の美顔器メーカーを紹介してほしいと連絡があり、いよいよこれから発売となった時に、価格が10分の1の見た目がそっくりな商品が他社から出ました。いわゆる模造品です。日本のメーカーは、商品は取引をした香港の会社に売れているので問題として深く捉えませんでしたが、結局消費者は安い方を買い、結果的に香港の会社は大損しました。日本の商品が好きだし、それを多くの人に知って欲しいから取り扱ったのにこのような事態になってしまい、先方は「取引をしなければよかった」「真贋判定ができないから真面目に取引するのが馬鹿らしくなっちゃう」と言っていました。

その時、世の日本企業にもっと真剣に模造品対策に取り組んで欲しいと考え、日本企業への啓蒙と日本製品の信頼性とブランド価値の向上実現のために起業しました。

 

日本産の証明は食品でも大切なことだと思いますが、どのような取り組みをされていらっしゃいますか?

例えば、果物や野菜を海外に輸出するとき、到着した現地で「腐ってた」と言われるケースがあり、これまでは損害費用を日本側が負担してきましたが、きちんとデータをとることによってどの団体(JA)の誰の農作物が腐敗しやすいという事実を数字で確認してQCの向上も可能ですし、相手国のバイヤーとの交渉にも役立ちます。

また、科学的産地特定も可能です。例えば、「魚沼産コシヒカリ」と書かれているお米を産地特定をしたくても、「コシヒカリ」という品種自体はDNAで証明できますが、魚沼で育ったかどうかはDNAではわからない為、これまでは産地偽装がされていてもそれを証明する手段がありませんでした。

しかし、当社の「産地の認証™」を使うことで、産地まで証明することができ、ブランドを守ることができます。

近年は農林水産省関連の仕事も増えてきました。

 

どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?

「日本産」といえば高く売れるからです。

海外市場では偽造品がコンビニエンスストアやデパートに平然と陳列されていることから、 偽物を購入してトラブルにあった消費者からの訴訟を防ぐために真贋判定が必要となる場合が多々あります。だからこそ日常的に偽造品から守る戦略が採用されていますが、日本では模造品が陳列される事例が少ないため、そこまで意識が回っていない企業がほとんどです。

また、日本の企業の中には、ホログラムシールやQRコードを用いた真贋対策を「これがあれば絶対に安全」と信じて実施する誠実なサプライヤーも存在します。しかし、消費者が認識できないホログラムシールや 誰でも作成可能なQRコードを使用した真贋判定は、結果的に偽造シールが作られ、失敗に終わるケース も多いです。 その結果、「対策は最終的には無駄だ」という印象が強まり、新しい技術や対策への取り組みが企業内 で難しくなる状況も見受けられます。

だからこそ、当社ではシステム会社としての技術を強みに、知財保護×海外向けマーケティングの視点でコンサルテ ィングを行い、メーカー、ブランドの偽造防止を支援しています。

詳細は下記URLをご参照ください。

https://jdmso.co.jp/

 

また、当社の事業については紹介動画もご用意しています。ぜひご覧ください。

■農水トレーサビリティ

輸出者のトラブルリスクの軽減や品質向上の為の取り組み

https://www.youtube.com/watch?v=LikvLjJcl4Q&t=25s

■科学的原産地証明

種や苗が盗まれたり、梱包資材の中身入替問題の解決

https://www.youtube.com/watch?v=TfFoUKySR1Q

■海外用タグマケ

模造品対策と海外マーケティングを同時に

https://www.youtube.com/watch?v=QynUztbw7tk&t=14s

■一般社団法人 企業価値協会

2022年 農水省のプロジェクトにてトレーサビリティ機材開発

https://valueprize.jp/2025-1-1/

 

ここからは佐野社長のことをお聞かせください。学生時代に熱中していたことはありますか?

学生時代はTVゲームばかりでした。RPGとか信長の野望のような歴史SLGとか。親にはしょっちゅう怒られていました。田舎そだちでしたが両親はコンピューターを覚えさせたかったようで小学3年生でアルファベットも小学校で勉強していない僕をプログラミング教室(今のようなものではなくデスクトップもない青い画面に文字を打つだけ)を夏休み中通わせたりしてました。
そんな父親がある日、Windows95のパソコンを買ってきたことの影響がおおきかったと思います。
当時60万円?ほどのパソコンを買ってきて、自分では使わない時に僕が使うようになりました。
なぜかというとゲームが入ってるんです。なぜか両親はパソコンのゲームを触っている時はよくわかってないのか何も言わなかったので良くわかってないながらとにかく使いましたね。
インターネットもネットにつなぐだけでなぞのぴーひょろひょろという謎の音がなるものでした。
好奇心はそこからインターネットに向かい、自然とキーボード操作を覚えていきました。そして、パソコンの面白さを知った私は情報系の科目のある商業高校に進学しました。そこでシステムアドミニストレーターの資格取得を目指しました。プログラマーと一般利用者の橋渡しをするような役割で、当時としてはまだ珍しいものでしたが、資格取得をきっかけに「この業界は面白いかもしれない」と思うようになりました。

 

卒業後はどのようなキャリアを歩まれるのでしょうか?

一度は地元で就職しましたが、「自分は本当にここで働きたかったのか?」という疑問があり、思い切って東京に出る決意をしました。車を買った直後だったので迷いもありましたが、車を父に譲って飛行機で東京へ向かいました。

最初は学生時代の友人の家に転がり込み、システム系の仕事をやろうとECの会社に入社しました。6名ほどの会社でしたが、半年も経たないうちに100人規模の企業に成長していきました。

しかし、急成長する会社にいたものの、自分のやりたいことが分からなくなると感じたことから、独立を決意しました。そして、当時の営業部長と上司と一緒にシステム会社を創業しました。

 

社会人になってから学んだことを教えてください

「お客様は意外と簡単なことで悩んでいる」ということです。専門家でなければ、ちょっとした知識の差が大きな壁になりますよね。仕事を通して、複雑なツールを使わなくてもシンプルな提案だけで解決できることが多いことを学びました。

 

起業後はどのような事業をするのでしょうか?

最初は前職に迷惑がかからないよう、ホームページ制作や流通補助ツールの提供などを手掛けていましたが、東日本大震災による水の供給不足を目の当たりにしたことをきっかけに、物資流通や商材の輸入なども始めました。中国の「爆買いブーム」とタイミングが重なり、当時4人で、18億円ほど売っていました。その後、どんどん流通の仕事が大きくなったため、分社化しました。最初の会社は現在も経営を続けており、私は役員として携わっています。

 

どうして日本流通管理支援機構株式会社を立ち上げるのでしょうか?

海外取引が増えていく中で、海外渡航も多くなっていきました。日本の化粧品メーカーさんとの間に入り総代理店契約の仲介なども行いました。(総代理店というのはそのメーカーさんの商品をその国のバイヤーさんだけに卸売りしてその国における日本メーカーの総代理業務を行うという専売契約です。)
バイヤーさんの本音を聞くことも多い立場でした。そんな中彼らが言うのは「偽物を購入して販売する事もできるだろうが日本の商品がすきなのでわざわざ日本に赴き契約をして売ろうとしている。その商品は数か月で偽物がうまれて半分以下の価格でうられるわけだが、そういう偽物との真贋判定を出来るようにするなどなぜ、相手国側の私たちの商品価値を守ろうとしてくれないのか?」と言われたことがきっかけでした。

 

株式会社にして良かったことはありますか?

他社があまり行っていない事業であり、新しいことに挑戦していかなければならないので迅速な判断が度々必要になりました。 また模造品対策だけではなくこれまでの流通管理やトレーサビリティなどの知識を活かして 生鮮食品を子ども食堂に安全に寄贈できるプラットフォーム作りなどにも挑戦しています。

 

パーソナルトレーニングもやっているんですね

僕はとにかく習慣化タイプでして、パーソナルトレーニングなどを毎週曜日をきめて必ずやっています。そんな中、専属のトレーナーと色々な話をするようになり独立したいという話からサポートしています。独立をしたいという気持ちは知っていました。トレーニングしながら色々な案だしも何カ月もやりましたね。 そうして激戦区の大手含む17店舗ある下北沢でオープンしました。

そういう感じで支援、参加しいてる事業はいくつもあります。私の特技は普通の会社なら購入したりサービス契約したりしなければならない事を自分でつくったり また設計して発注することが出来るので実現と運用コストがとても下げられるし人と違うことが出来る。

違う事業をサポートすると新しい見方やアイデアも増えるので大変勉強になっています。
それこそ今は隙間バイトのアプリなんかもあるので本当は色々参加してみたい気持ちです。

ベホマ・パーソナルジム(下北沢駅前店) https://behoma.me/

ベホマ・鍼灸マッサージ整体(下北沢駅前店)https://healing.behoma.me/

 

子ども食堂への支援を始めたきっかけは何ですか?

私は釣りが趣味なのですが、大きな魚を釣ったときに「これを子ども食堂に届けられないか」と考えました。しかし、調べてみると生鮮品は腐りやすく、契約やリスク管理の面で非常に難しいことが分かりました。

そのため、子ども食堂で提供されている食事は小麦粉や乾物など日持ちのする食品が中心で生鮮食品やタンパク質が不足しています。それを解決するために、2025年は寄付から利用までの流通のトレーサビリティのプラットフォームを提供できるように現場のレベルに合わせて開発を行っています。

 

起業してから苦労したことを教えてください

起業してからの話であればたくさん苦労しました。私は卒業して1,2年程度の社会人経験で1つめの会社を起業しましたのでそれは苦労しました。20年くらい前なので今みたいにスマホもないですしまさに昭和でしたので常識を知らなかった僕は手探りでぶつかりながらの人生でした。
その代わり、1つひとつの失敗イベントが大規模すぎてそのたびに必死に勉強しました。
とにかく自分が知らなければ誰かにお金を払わなくちゃいけなかったので、自分で出来るようになるように勉強しましたし習慣になりました。結果的にそれが今は良かったと思います。

この会社は比較的私個人からすると、社会人後期につくった会社なのでそういう意味での苦労はありません。課題としては万人向けのサービスではないのですがそれはどこにでもある課題ですね

 

今後の展望を教えてください

模造品対策と流通管理の対策専門会社として、さらに技術をさらに進化させていきたいです。そしてこの技術を日本国内だけでなく海外にも広めていくのが目標です。

また子ども食堂支援のように、技術やネットワークを社会課題の解決に生かす活動を増やしていきたいです。

仕事柄AIなども扱いますが、目で見える解析分析はAIで出来ますがAIが日本の農産物の成分を勝手に分析して解析は出来ないので ITやバイオ技術をうまく組み合わせて社会課題を解決していきたいです。

 

経営者におすすめの本を教えてください

経営者になってからの本はたくさん色々ありますが、初心者経営者のときに出会えてよかった本は以下になります。

■『その気にさせる質問力トレーニング』(ドロシー・リーズ)

その気にさせる質問力トレーニング『その気にさせる質問力トレーニング』は、「人は質問されると無意識に答えようとする」という心理を活かし、相手の本音や行動を自然に引き出す技術を解説する本です。言葉以外の“パラクライン”(表情・声色・態度など)にも注目し、質問の仕方次第で相手の反応が大きく変わることを事例で示します。営業・交渉・人間関係の改善にも役立つ、実践的な質問術トレーニング書です。
【Amzon URL】
https://www.amazon.co.jp/dp/4887592523

■『仕事は楽しいかね』(デイル・ドーテン)

『仕事は楽しいかね?』は、成功や成長の本質を老賢人と若者の対話形式で描いたビジネス寓話です。「試してみることに失敗はない」「計画より偶然を大切に」など、固定観念にとらわれない柔軟な発想を促します。変化を恐れずチャレンジしたい人、働き方やキャリアにモヤモヤしている人、毎日を惰性で過ごしていると感じるビジネスパーソンに特におすすめです。
【Amazon URL】
https://www.amazon.co.jp/dp/4877710787

きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」(田内 学)

『きみのお金は誰のため』は、お金とは何か、なぜ働くのか、なぜ税金を払うのか――といった根源的な問いを、物語形式で中高生にもわかりやすく解き明かす一冊。資本主義や社会の仕組みを「自分ごと」として考える視点を育みます。
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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
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