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株式会社INREVO代表 南 晴仁氏

今回は株式会社INREVO代表、南 晴仁氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

会社名称 株式会社INREVO
代表者 南 晴仁(みなみ はるひと)
設立 2024年1月23日
主な事業 ・ホテル運営に活用されるハードウェア
・ソフトウェアの企画、開発、制作、販売及び保守
・ウェブサイト、ウェブコンテンツの企画、制作、保守及び管理
・人材育成のための教育コンテンツ作成、研修及び指導
・人事測定および教育訓練事業
・インターネットメディア事業
・前各号に付帯関連する一切の事業
社員数 101名(取材時/業務委託含む)
会社所在地 福岡県福岡市博多区博多駅前3‐4‐25 アクロスキューブ博多駅前
会社HP https://inrevo.co.jp/

 

事業内容について教えてください

株式会社INREVOは、2024年1月に設立した会社です。私たちのミッションは「日本の再興・第二産業革命への挑戦」で、かつて世界をリードした日本企業が再び世界の舞台で輝くために、企業の「不得意」を「得意」へと転換し、新たな産業革命を牽引するためのイノベーションを創出しています。

当社の事業領域は多岐にわたり、ホテル運営で活用されるハードウェア ・ソフトウェアの開発、教育コンテンツの制作、人材育成支援、インターネットメディア事業まで幅広く展開しています。その中核にあるのが、採用・育成・定着の内製化を支援する業界初の成果報酬型RPOサービス『ヒトトレ採用』です。

『ヒトトレ採用』は成果報酬型の採用支援サービスで、開始からわずか1年半で150社を超える企業に導入され、採用成功率は90%を記録しています。人材紹介とは異なり、「採用が成功するまで企業に伴走する」という保証型スキームを導入し、採用市場に新たな選択肢を提示しています。

 

採用代行サービス『ヒトトレ採用』の特徴を教えてください

料金は成果報酬型で、クライアントのリスクを最小化しています(採用が決まらなければ費用は発生しません)。月額は試しやすい水準に設定し、導入のハードルを下げています。

専門チームでクライアントを支援しており、各領域が一点集中で質の高いPDCAを回せる体制を敷いています。

【チーム構成】

ストラテジーチーム:全体戦略・設計を統括

ディレクションチーム:ターゲット別の施策設計

アナリティクスチーム:費用対効果の分析と改善提案

クリエイティブチーム:媒体特性に合わせた求人表現・スカウト文の制作

カスタマーサクセスチーム:クライアントとの連携・伴走支援

オペレーションチーム:スカウト配信、候補者対応、面談調整など実務推進

 

立ち上げ当初から成果報酬で勝負できる手応えはあり、これまで数百社規模の採用支援に成功してきました。特に建築関連など採用難度の高い職種でも結果を出しています。

どのような業種でも成果を出してきていますので、採用にお困りの方はぜひ一度ご連絡をいただけますと幸いです。

 

事業内容全体に関するお問い合わせはこちら:https://inrevo.co.jp/contact

 

ヒトトレ採用サービスページhttps://inrevo.co.jp/hitotore-recruit

ヒトトレ採用無料相談のお申込みはこちら:https://inrevo.co.jp/hitotore-recruit/contact

 

ここからは南社長のことをお聞かせください。学生時代の思い出はありますか?

中学生まではとにかくスポーツが大好きで、サッカー、バスケットボール、そして空手に熱中していました。サッカーでは地元・横浜のマリノスと一緒にプレーさせていただく機会もありましたし、空手では全国大会に出場するなど、本当に競技に打ち込んでいましたね。勉強も同じくらい好きで、遊びよりもスポーツと勉強に時間を費やす日々でした。

高校、大学に進学してからは、打ち込む対象が大きく変わりました。音楽にのめり込むようになったのです。もともと音楽は好きでしたが、高校時代から本格的にバンド活動を始め、大学時代にはCDをリリースしたり、東京で数多くのライブに出演したりしました。将来は音楽で生きていこうかと考えるほど本気で取り組んでいました。

しかし大学時代に指を骨折したため音楽活動はやむなく断念しました。

 

ちなみに、当時から明確に「起業したい」という目標を掲げていたわけではありません。ただ、自分にとって一番楽しいと感じる瞬間は、新しいことを発想したり、自分がやりたいと思ったことを形にする時でした。そうしたクリエイティブな取り組みこそが、自分の楽しみややりがいと直結していたのです。

そのため、起業にこだわっていたわけではなく、例えば社内ベンチャーのような形で新しい挑戦ができる環境でも良いと思っていました。しかし結果的には、自分の想いを実現する最も自然な道として「経営者」という立場に行き着いた、というのが正直なところです。

 

就職活動のときはどのような企業を見ていましたか?

就職活動では主にコンサルティングファームを中心に応募し、複数社から内定をいただきました。ただ、どの企業も大手が中心であり、自分に合うかどうかを考えたときに疑問を持ちました。

実際にインターンにも参加しましたが、スピード感や優秀な方々の多さには大きな刺激を受けた一方で、「クリエイティブかどうか」と問われると少し違うと感じました。

例えば、既に確立された型が存在し、その型をいかに早く正確に回すかというスキルが求められる場面が多く見られました。もちろんそれは非常に重要な能力ですが、自分が「仕事を楽しむ」という感覚とは方向性が異なっていたのです。

そこで改めて「自分が最も自由に、やりたいことを形にできる環境はどこだろう」と考えたとき、やはりベンチャー企業が最適ではないかという結論に至りました。結果的に、就職先としてベンチャー企業を志向するようになったのです。

 

実際にベンチャー企業で働かれていかがでしたか?

最初にベンチャー企業で働いて驚いたのは、「こんなに整備されていなくても会社は成り立つのか」という点でした。これまで接してきた大手企業の話や、実際に大手へ就職した同期の様子と比べると、まるで別世界に感じたほどです。正直、「これで会社と呼べるのか」と思う場面もありました。

しかし一方で、それは大きな気づきでもありました。仕組みや制度が未整備だからこそ、自由に想像し、形にしていく余地がたくさんある。自分のアイデアや工夫次第で新しいことを生み出せる環境だとわかったのです。そこには、挑戦できる仕事やクリエイティブな余白が無数に転がっていました。その事実に強い感動を覚え、「ここには自分がやりたいことを実現できる可能性がある」と確信しました。

 

ベンチャー企業から転職された理由を教えてください

当時勤めていたベンチャー企業がIPOを目指さない方針だと知ったことが転職のきっかけでした。「この会社ではこれ以上成長のステージに進めないかもしれない」と感じ、次の挑戦を求めるようになったのです。入社当初から「自分が事業を動かすことでIPOを実現したい」という思いは強く持っていました。

そのため、次の転職先に選んだのは、エンジニア向けスクールを展開する大手企業でした。役員や社長から直接「一緒に働こう」と声をかけていただき、IPOを目指していると伺ったことが決め手です。すでにグループ全体で1,000人規模でしたが、さらに成長を加速させていこうというビジョンに強く惹かれました。

1社目は30人規模の環境でしたが、2社目は1,000人規模。リソースが潤沢な反面、「仕事が足りない」という新たな課題に直面したのは驚きでした。新しい案件を獲得する方法や、余剰リソースをどう活用するか、新規事業の立ち上げをどう進めるか――環境が変わると悩みの方向性が180度違うことを実感しました。さらに予算規模も桁違いで、スケールの大きさに大きな刺激を受けました。規模の違いによってビジネスの幅やアプローチが根本的に変わることを学んだ経験でした。

 

独立を決意された理由は何でしょうか?

独立を決めたのは、山口社長との出会いがきっかけです。助成金を活用したビジネスを展開されていた時期に意気投合し、「一緒にビジネスをしよう」となりました。

当初はシステム一本での事業展開を想定し、販売にも取り組みましたが、持続的にスケールできるモデルではありませんでした。黒字化はしていたものの、人材を積極的に採用し成長を加速させるには力不足だと感じたため、そこで「自分の求めるスピード感に届く事業は何か」と考え、人材領域に挑戦することを決意しました。

 

経営者としてこれまでに直面した苦労と、その乗り越え方を教えてください

現在の大きな課題は「権限移譲」と「システム構築」です。社員数は60名を超え、自分の目が届かない領域が急速に増えています。しかし、人材の増加スピードに対して権限移譲や仕組みづくりが追いついていないのが現状です。その結果、自分自身がオーバーワークで補わざるを得ない場面が多く発生しています。

とはいえ、この状況を持続させることはできません。最終的には「自分と同じ判断ができる人材を育てること」と「システムで回るフローを整備すること」が不可欠です。ただ、その仕組みを整える時間すら足りない中で、現場をフォローしつつ、同時並行で構築も進めなければならない。このスピード感は想定以上で、今まで経験したことのない難しさを痛感しています。

 

案件数と人員のバランスの問題ではなく、権限移譲や仕組み化が追い付いていないんですね

はい。案件数と人員のバランス自体は適正に保てています。ただ、想定以上のスピードで案件が増加しており、そこに大きな課題を感じています。ありがたいことに採用応募は順調で、計画通りの人員確保は実現できています。しかし、RPO事業で現在40名ほどの人材を抱える状況となり、全員を私自身が直接マネジメントすることは現実的に不可能な状況となりました。

5名程度であれば十分に目が行き届き、15名程度であっても管理は可能です。しかし、一気に40名規模となると、適切な指導とマネジメントを担えるマネージャー層を配置し、その上で全体を統括できる仕組みを整える必要があります。現在は、そのフローや管理システムの構築を急ピッチで進めている状況です。

さらに、案件数の伸びも想定を大きく上回っています。当初は月10社程度の増加を想定していましたが、実際には20〜25社と倍近いペースで増え続けています。非常にありがたい一方で、現場としては「嬉しい悲鳴」とも言える状況です。

これまで私は、スケールを前提に綿密に計算し、フローを整えて事業を拡大してきました。しかし今回は、想定を超える急成長に直面し、自分自身のマンパワーに頼らざるを得ない場面が正直多い状況です。計算が甘かった部分もあったと思います。現在進行形で大変な状況ではありますが、それを乗り越えることが次のステージにつながると信じています。

 

人材育成で最も大切にしていることを教えてください

前職・前々職の頃と比べると、今の答えは少し変わっています。現在重視しているのは大きく二点です。

1つ目は 判断の“軸”をぶらさず、目的をそろえることです。
最終的なアウトプットが同じに見えても、そこに至る「方程式(Why/目的)」が異なると、成果はまったく別物になります。
たとえば「人を育成する」という結論が同じでも、私の意図が「クライアント体験を高めるため」であるのに対して、マネージャーが「業務効率化のため」と理解していれば、その先の打ち手は食い違います。極端な話、「AIでプロンプトを作らせて自動出力すればよい」という方向に寄ってしまい、本来実現したい価値から外れていきます。
だからこそ、**「なぜこの判断なのか」「なぜこの選択なのか」**という目的レベルを丁寧にそろえることを徹底しています。

2つ目は「やりたい」を叶え、ストレスを減らすことです。
人は、仕事として“やらされる”状態よりも、好きなこと・得意なことに取り組めるときに最大の力を発揮します。私自身が前向きに働けているのも、やりたいことをできているからです。
そのため、メンバーには志向性や関心領域を丁寧にヒアリングし、教育の方向性や業務の割り当てを細かくチューニングしています。どれだけ適切にチューニングできたかで生産性は大きく変わると考えており、この点を人材育成・方針決定の中核に置いています。

 

今後の展望について教えてください

現在、当社のクライアント数はおよそ150~160社ですが、来期にはこの規模を約3倍に拡大する事業計画を立てています。まずは「RPO領域でナンバーワン」という地位を確立することを、近い将来の目標として掲げています。

また、新規事業としてエンジニアスクールの開設を2025年の年末から2026年にかけて予定しています。将来的には学校法人化も視野に入れ、社会的な信頼を得られる取り組みを進めていきます。

会社として大切にしているのは、「企業が本来の強みを発揮できる環境を整えること」です。特に地方企業の中には、採用やITリテラシーの不足といった要因で、本来の事業価値を十分に発揮できていないケースが少なくありません。実際に「Excelが使えない」「社内にPCがほとんどない」といった企業も存在します。そうした“やらなくてもよい業務”を私たちが代行・支援することで、クライアント企業は自社のコア業務に集中できるようになります。

この取り組みを通じて、単に“売り方が上手いだけ”の事業ではなく、本質的に価値ある事業が残る社会をつくることを目指しています。私たちは「地方企業の支援といえばINREVO」という立ち位置を築き、日本経済の健全な発展に貢献していきたいと考えています。その延長線上に、上場の実現も視野に入れています。

私たちはこれからも一社一社のクライアントに寄り添い、価値のある事業を共に育て、社会全体に貢献していくことを使命として取り組んでいきます。

 

経営者におすすめの本を教えてください

読者の方の中にもご存じの方が多いかもしれませんが、まず一冊目は 『THE MODEL』 です。私は会社の組織形態や仕組みづくりにあたり、この本を大いに参考にしてきました。非常に理にかなった制度設計・会社づくりのフレームワークが示されており、実務に落とし込みやすい点が大きな魅力だと思います。経営に携わる方には強くおすすめしたい一冊です。

もう一冊は、『リーダーの仮面』 です。もちろん賛否両論ある内容ではありますし、私自身もすべてを実践しているわけではありません。ただ、これから経営者を目指す方やマネジメントに携わる方にとっては、一つのマインドセットとして読んでおく価値があると思います。

いずれの書籍も、会社づくりやリーダーシップのあり方を考えるうえで、自分なりの指針を得られる本です。

ぜひ2冊合わせてご一読ください。

『THE MODEL』福田 康隆 (著)

https://www.amazon.co.jp/dp/479815816X

『リーダーの仮面』安藤広大 (著)

https://www.amazon.co.jp/dp/4478110514

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。

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