今回は株式会社アイディエーション代表、白石章兼氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 |
株式会社アイディエーション |
代表者 |
白石章兼 |
設立 |
2015年11月11日 |
主な事業 |
マーケティング・リサーチ事業 |
社員数 |
20名(取材時) |
会社所在地 |
東京都渋谷区恵比寿4丁目4−6MARIX恵比寿ビル4F |
会社HP |
事業内容を教えてください
当社は2015年に設立した会社で、定性調査に強みをおいた調査会社です。社内モデレーターがインタビューを実施するだけではなく、調査設計、リクルーティング、レポート作成までプロジェクトのすべての工程を管理しています。なお、社内にリクルーティング専用のコールセンターを保有しているため、モデレーターとコールスタッフが連携を取りながら調査対象者の選定が可能です。
案件の内容を深く理解した者がモデレーターを行うことで、より的確な深堀り、必要なファインディングスを得ることができます。
お客様で多いのは、順に建設・不動産、その後にアパレル、金融、保険、自動車となっています。オールジャンルの調査ができるので、どこの業界でも調査が可能なのが強みです。
例えば、事業会社さまが新商品開発を企画された際に、商品コンセプトのどこに魅力を感じるか、または複数案考案したコンセプトの中で、どれがターゲット顧客に受容されるかなどをインタビューして、分析レポートを作成し、商品開発にお役立ていただいております。
調査会社は日本に大体300社ぐらいありますが、その中でも定性調査が強い調査会社は希少性が高いです。
他にも強みはありますか?
お客様からはレポートのクオリティを高く評価いただいています。定性調査で1時間のインタビューをすると、Wordで7枚ぐらいの発言録になりますが、それを構造化して分かりやすくし、次に何をすれば良いのかまでレポートに落とし込んでいきます。
業界ではモデレーターの高齢化問題が起こっていますが、当社はモデレーターがシニアに偏ることなく、男女、20~40代までの様々な業界知識を持ったモデレーターが在籍しているため、幅広い種類の案件への対応が可能です。あえてリサーチに全く関係のない業界から社員を採用し、1から育成しています。
また、万が一担当モデレーターが体調不良となった場合でも代理のモデレーターを立てて遅延なく業務を遂行しております。お客様にご負担がかからないよう万全の体制を整えているところも選ばれる理由です。
当社のサービスについての詳細は下記URLをご覧ください。
当社のモデレーターは下記よりご確認いただけます
https://www.ideation.co.jp/moderator/
アンケート調査などもできるのでしょうか?
はい。定量調査も可能です。
定量調査は仮説検証パートでよく利用される調査手法です。仮説抽出を定性調査で行って、そこから定量調査で検証を行う流れが調査のセオリーとなっておりますが、弊社の定量調査は、インタビューを実施したモデレーターがアンケートに使用する調査票を作成する点もユニークなポイントとなります。
また、定量調査を安く、簡単に、継続的に実施する仕組みとして、SaaSのビジネスで、ホテル向けのアンケートシステム「Voice for Hotels」を開発しました。ホテルの宿泊者が客室に置いてあるアンケートに回答し、ホテルの評価をするもので、時系列で満足度を追えるサービスになっています。
アンケートの集計・分析作業を導入企業様が行う必要はなく、Voice for Hotelsのダッシュボード画面を見るだけで、施設の状況がひと目でわかるところが特徴です。
「Voice for Hotels」の詳細は下記URLをご参照くださいませ。
https://www.ideation.co.jp/voice/
ここからは白石社長のことをお聞かせください。学生時代はどのようにお過ごしでしたか?
とにかく全力で遊んでいました。ゲームや部活もやりながら、休みの日はボーリング、ビリヤードをして過ごしていましたね。ゲームの調査の時は、昔の遊びが役に立っており、コミュニケーション能力も遊びを通して身につけました。
学生時代に打ち込んだことはありますか?
飲食業でのアルバイトに打ち込んでおり、ほとんど学校に行かずに社員のように働いていました。客商売について理解を深めることができたことが、いまお客様と接するときにも通じていると思います。ちなみに、稼いだお金は遊びに使っていました。
学生時代に起業について考えていましたか?
車がとても好きで、本田宗一郎氏に関連する文献を読み込んでいました。そして、本田氏独自の経営路線を歩んでいくスタイルを知ったことで、起業について考えるようになりましたね。
特に「世の中を便利にしたい」という思いに強く共感していました。
新卒はどちらの会社でキャリアをスタートするのでしょうか?
不動産のデベロッパーに入社しました。
社長になるためには圧倒的な営業力が必要だと知り、高額物件を売れるようになれば営業力が身に着くと考えたことがきっかけです。また、当時は泥臭い営業をしている会社が多く、飛び込み営業を経験すると精神的に強くなると聞いたので、自分が独立した時に礎になると確信しました。
入社後は4000万円から2億円までの物件を扱っていましたが、運が良く入社3日目の飛び込み営業研修でお客様を捕まえることができ、分譲マンションの契約を獲得できました。不動産の仕事は商談能力が必要です。お客様の情報を聞き出して、アレンジした上で交渉を行いますが、今のインタビューの仕事も同じで、相手の本音を引き出す仕事なので、私の基礎を作ってくれた仕事だと感じております。
転職はされましたか?
2003年に楽天インサイトの前身の会社へ当時の上司からの紹介で転職しました。不動産会社からITネット企業への転職でしたが、当時はサイバーエージェントや楽天が急成長していた時代で、独立するならこの業界を主戦場にしたほうが良いとわくわくしました。楽天インサイトでは、目標を達成するためにはどのように因数分解をしていくかを学ぶことができました。いかにミッションをやり切るかや、組織の作り方も身につけることができました。
いつ起業をしたのでしょうか?
2015年です。
楽天インサイトでは最初、ビジネスの仕組みをつくり、その後は新卒のメンターやマーケティング全般を任され要職に就いていました。前職が楽天に買収されたタイミングで辞めようと思ったのですが、そこでメンターを任されたことから、責任感や愛着が生まれ、その後もなかなか辞めることができずにいました。
しかし、このまま続けていても、自分が目指したい「地方創生」に近づくことができないと感じたことから、何も決まっていないまま仕事を辞めて2014年にフリーランスになりました。
そこからどのように事業を作るのでしょうか?
私の経験からできることは、不動産とリサーチだったので、リサーチ事業を展開していきました。自身の得意分野は定性調査だったため、まずは定性調査に特化した調査会社を作ろうと思い、当時モデレーターの高齢化が業界の課題であったため、若手モデレーターを育成し組織化していくことを目標としました。そして、地方創生の一貫として東京で取ってきた仕事を松山で受けて、松山の社員の給与水準を東京並に上げるべく松山の未来ある若者を採用していきました。
社長になってから大変だったことを教えてください
組織作りが大変でした。
創業後、売り上げは順調に伸びていきましたが、社員はしばらく4名のままで事業を回していました。仕事をする核となるモデレーターは専門職になるため、いきなり新人を育てる自信がなかったことが積極的な採用活動に至らなかった理由です。楽天のときにも新人の教育はしていましたが、当時はそこだけに集中することができました。しかし、起業をすると会社の経営や自身の案件もこなしながらになるため、雇った後、私が教育に時間を割けるかが大きな課題でした。
また、経験者を採用すると職人のような方を入れるしかなく、なかなか上手くいきませんでした。
どのように乗り越えたのでしょうか?
新人を育てる覚悟を決めて、まずは銀行から融資を受けました。私が教育に集中すると、実業務の売上に影響がでるため、売上が下がっても耐えられる資金を確保しておく必要があったのです。それから新人を2名採用して徹底的に育ててその人たちが後輩を教育できるようにし、その後また2名を採用していく手法を取りました。最初に採用した未経験者の2人は今ではマネージャーになっており、クライアントからご指名をいただけるリサーチャーに育っています。1人は私がこれまでに見てきた履歴書の中で、最も秀逸な履歴書で、その履歴書だけで採用したいと思ったくらいのものでした。手書きなのですが、丁寧で行間の使い方が素敵で書いてある内容も、文字量は多いのに読みやすく、すーっと頭に入ってくる印象を受けて、非常に読みやすかったです。これを見たときにこの人は調査レポートが上手に書ける人だと確信しました。
一方、もう1人の社員は最初すごく不真面目な履歴書が届いたので最初は落とそうと思っていましたが、人事をやっている兄から「彼は絶対取った方が良い」とアドバイスをもらったので面接をしました。会ってみると、非常に良い印象を受けたものの、その時に2名の採用定員で、既に2名決まっていたので、一度不採用を出しました。その後、彼が教えてもいないのに私のアドレス宛に直談判してきたことから、即採用を決めました。そこから彼は弊社にはなくてはならない存在となっています。この2名が弊社の成長を加速させたのは間違いありません。
現在は20名の構成になり、社員を育てられる環境が整っています。
良いモデレーターの定義はありますか?
人が好きということでしょうか。知的好奇心が旺盛で、知識欲求が高い人が良いモデレーターになると思います。
狭く深くよりも、広く浅く、とにかく知ることに喜びを感じる人だと最適です。
今後の展望を教えてください
最終的にはメーカーになることを目標にしています。3年から5年で社内でマーケティングリサーチャー育成をして、リサーチに長けた会社にしていきたいです。
マーケティング分野は幅広く、広告・商品開発などありますが最初のステップはマーケティング・リサーチです。だからこそ、マーケティング・リサーチができる会社は強くなると思っています。またこれを自社で賄えることからマーケティングのコストが下がるので、お客様にも還元できると思っています。自分たちがサービス作りや商品作りに注力できる会社を作っていきたいです。
地方創生での目標はありますか?
地方で働く人材を見出し、雇用を創出することです。雇用が創出できれば、地方で埋もれている商品のマーケティングをサポートしていくことができます。当社は地方勤務の社員の年収がその土地の平均年収より200万円高く、今後も東京と同じ水準で給与を渡していきたいです。
他の経営者におすすめの本はありますか?
池田 紀行さん著書の『売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント』がおすすめです。マーケティングについて網羅的に書かれており、非常にわかりやすい本ですので、ぜひご覧ください。
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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