今回は株式会社ボーダレス・ジャパン「For Good」事業代表、小松 航大氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社ボーダレス・ジャパン「For Good」事業 |
代表者 | 小松 航大 |
設立 | 2007年3月20日 |
主な事業 | 事業内容 掲載手数料0円のクラウドファンディング For Good |
社員数 | 30名(取材時) |
会社所在地 | 福岡県福岡市中央区天神3-1-1 天神フタタビル4FソーシャルベンチャーPARK福岡 |
会社HP | 株式会社ボーダレス・ジャパンHP
https://www.borderless-japan.com/ ForGood HP ForGood サービススタートページ |
ボーダレス・ジャパンとForGoodについて教えてください
株式会社ボーダレス・ジャパンは「社会問題をビジネスで解決する」ソーシャルビジネス領域で事業を展開しているグループ会社です。世界14カ国で51事業が展開されており、難民支援や食料支援、教育・福祉の問題、動物愛護などの社会課題に対してアプローチしています。
そして、私はボーダレス・ジャパンの事業の中の「For Good」というソーシャルグッドに特化したクラウドファンディングサービスの代表をしています。社会課題に取り組む方々の資金調達をサポートしており、2022年に創業したまだまだ若いサービスですが、これまで10万人以上の方々が支援者が参加し、10億円以上の支援金がFor Goodを通して社会課題解決に使われています。
For Goodではどのようなプロジェクトが立ち上がっているのでしょうか?
教育機関や行政、NPO法人、個人の方など幅広い層の皆様が様々なプロジェクトを立ち上げてくださっています。
現在(2024年11月)はガザのデザイナーを応援するプロジェクトや猫の殺処分ゼロを目指すシェルター開設のクラウドファンディングがオープンしています。
特に最近では、子供や教育に関して社会的な関心が高くなっています。寄付はハードルが高い分野ですが、クラウドファンディングの支援であれば、より気軽に社会課題の解決に一歩踏み出せるのではないでしょうか。
詳しくはぜひサイトをご覧いただけますと嬉しいです。
For Goodのクラウドファンディングの特徴を教えてください
一番大きな特徴は決済手数料が0円なことだと思います。
従来のクラウドファンディングでは、集まった金額の9~17%程度が手数料として差し引かれていましたが、ForGoodでは支援者がプロジェクト実行者の代わりに掲載手数料を支払うことで、プロジェクト実行者が支援金を全額受け取ることができるよう運営しています。
また、サポートが手厚いのも特徴です。企画の無料相談からプロジェクトの伴走までサポートしており、お客様と社会課題をどのように解決していくかを一緒に考えて目標を達成する仕組みを作っています。
For Goodは社会課題解決の民主化を目指しています。
もし社会課題に対して考えていることがありましたら、お気軽にご連絡ください。
URL:https://www.borderless-japan.com/social-business/for-good/
クラウドファンディングをしたい方におすすめの情報はありますか?
当社では毎月4日に今までプロジェクトを立ち上げた方が発表する機会を設けています。「Social Action Pitch」というもので、社会課題を解決するために立ち上がったFor Goodの実行者4名が登壇し、課題の現状や、クラウドファンディングを通じて解決するためのプランを発表します。
無料でご覧いただけますのでご興味のある方はぜひご参加ください!
For GoodのPeatix(Social Action Pitchの申し込みはこちらから):https://peatix.com/group/11672338
ここからは小松社長ご自身のことをお聞きしたいです。学生時代に熱中していたことはありますか?
私は香川出身なのですが、田んぼと山に囲まれた環境で育ったため、学校や周辺のコミュニティだけの世界はとても狭く、もっと世界を広げたいと思っていました。そして高校生でヒッチハイクを始め、大学生からはバックパッカーになりました。
バックパッカーをしていた時、中東・南米・アフリカを中心に26カ国へ行きました。その際、子どもが働いているのを見て、生まれた環境が違うだけで生活が全く異なってしまうのだと感じたことから、貧困問題への関心が高まりました。この経験が今の事業にも活きています。
他にも頑張ったことはありますか?
実際に世界で見てきた社会の不条理を大きく変えたいと思ったことがきっかけで、帰国後、学生起業をしました。
丁度、新型コロナウイルスの拡大により通学ができず、大学で友人ができないという悩みを聞くようになったことから、大学近隣のレストランで営業していない時間帯にコワーキングスペースとして開放してもらい、大学生同士でコミュニケーションを取れる事業を始めました。3店舗ほど契約してくださる飲食点がありましたが、あまり上手くいきませんでした。
また、在日アフリカ人に向けたシェアハウス事業にも挑戦しました。日本には1万6000人ほどのアフリカ人がいますが、差別の問題や孤独を感じている方が多くいます。それを知った私は、当時シェアハウスを転々とする生活だったこともあって、運営側にまわって助けることはできないかと模索していました。
ただ、目の前の売上だけを追っている中で「なんのためにこの事業をやっているのか?」と分からなくなることが何度もあり、ビジネススキルも足りなかったため、事業撤退をしました。
その後、就職活動はされましたか?
その当時は、目の前の生活費を稼ぐことはできるけど大きく事業が展開していく未来が見えない中、事業を撤退したはいいものの、自分が次にどうしたらいいかが見えず、暗闇の中を彷徨っているような期間が1ヶ月ほど続きました。ただ、自分が就職したい会社も特に見つけることができず、納得感がない会社に就職するよりは自分でビジネスを始めようと、地元に戻って細々と商売を始めることも検討しました。
しかし、ソーシャルビジネスの「社会の仕組みや問題をビジネスで解決する」という概念を知り、私のやりたかったことはコレだと思いました。
当時、ボーダレス・ジャパンが社会起業家を採用する取り組みをしており、私の好きなプランを描けそうだと思って、ビジネスプランを提出し、採用試験を受けました。
どのようなビジネスプランを提出されましたか?
アフリカのエチオピアでの女性労働問題についてのビジネスプランをまとめました。エチオピアの貧困女性は監禁や、体罰、給与の未払いを受けながら労働しており、さらには人身売買の被害に遭うこともあります。アフリカにある資源を活用して、女性に雇用を作りながらビジネスができないかを考えました。
しかし、エチオピアの女性問題について深く調べていくと、貧困問題は労働や福祉などとも紐付いていることに気がつき、根本的な問題解決をするには大きな影響力を持たなければ実現できないと感じました。
ForGoodはどのようにスタートしたのでしょうか?
For Goodはボーダレス・ジャパンに新卒入社した6人で立ち上げた事業です。
当時から世界の誰よりもFor Goodについて考えて、熱量を持って仕事をしてきました。
大変なこともありましたが、振り返ってみると全部楽しかったです。
また、最初はリーダーは決まっていない状態でしたが、しばらくするとFor Goodの代表になってみないかと声がかかり、代表に就任しました。
実を言うと、3年ほどボーダレス・ジャパンでビジネス経験を積んだらアフリカに行って起業しようと計画していたためとても悩んだのですが、自分が今持ってる選択肢の中で社会に対してインパクトが残せるのは代表になることなのではと思い、就任することを決めました。
創業当初はとても大変な環境だったと思いますが、なぜ全力で頑張れたのでしょうか?
「人間はいつか死ぬ」ということを実感していることが大きいと思います。海外で殺されそうになった時色々と考えさせられたのですが、後悔して死ぬのが1番嫌だと思いました。
だからこそいつでも全力で仕事に向き合っていたいんです。
代表に就任してから大変だったことはありますか?
スタッフの人数が増えていくごとに見える世界が全く変わるため、都度課題を感じていました。
そして、その課題を乗り越えるためにミッション・ビジョン・バリューの行動土台を何度も思い出し、目指していく方向性へ改善を繰り返していきました。また、これらを社内で定着させるために、さらに10個の行動指針を作りました。
基本的にFor Goodに参加してくれるメンバーは社会課題解決について熱量を持ってくれているので、間違った道を進みそうになってもお互いで声をかければ修正し、より良い方向へ進んでこれたと思います。
今後の展望を教えてください
社会の課題は1人ひとりどこかしらに関わっていると思います。ForGoodを多くの人に知っていただき、自分の手で、小さくても社会を変えていけると実感してもらえる機会を広めていきたいです。
他の経営者におすすめの本を教えてください
中国古典の『貞観政要』(じょうがんせいよう)です。源頼朝、北条政子、徳川家康、明治天皇などもこの本を読んで学んだと言われており、リーダー論や国を統治するするための帝王説が書かれています。
人間の脳は1万3000年前から仕組みは変わっていません。悩んでいることや立ちはだかる壁は、普遍性があります。過去の人が経験したことをこの本で学ぶことができます。
ぜひ一度読んでみてください!
【Amazon URL】 |
投稿者プロフィール
-
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
最新の投稿
- 仕事11/28/2024キングソフト株式会社代表 瀬沼悠氏
- 仕事11/28/2024妊娠前デトックスラボ株式会社代表 松田 絢子氏
- 人材11/27/2024株式会社ボーダレス・ジャパン「For Good」事業代表 小松 航大氏
- 仕事11/25/2024アドカラーズ株式会社代表 冨岡 龍也氏