今回は株式会社COME TREES代表、二木春香氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社COME TREES |
代表者 | 二木春香 |
設立 | 2017年12月27日 |
主な事業 | 広報コンサルティング/SNS広報運用代行/講師 |
社員数 | 11名(取材時/役員・業務委託含む) |
会社所在地 | 島根県松江市比津が丘3-9-17
東京都中央区銀座1丁目3番3号 G1ビル7階 |
会社HP | https://cometrees.jp/ |
事業内容を教えてください
株式会社COME TREESでは、広報のコンサルティング事業、SNS広報運用代行、広報担当者育成の講座の三本柱で事業を展開しています。
当社は島根のお客様が9割、県外のお客様が1割と地元に密着した事業展開をしております。創業135年の和菓子屋さんなど、地元の老舗企業を中心にSNSを起点とした利益を上げるための商品開発やチーム作りなどをサポートしています。
地方の中小企業は少数精鋭で業務を遂行しているところも多く、業務効率を上げないと情報発信に割く時間も作れないことが多くありますので、ただSNSの発信方法を伝えるのではなく、SNSを活用して売上にもつなげられる、成果を出すためのトータルサポートを行っています。地方企業は自分達の実力を過小評価していることもあり、素晴らしい仕事をされているのに自信がなかったり、発信ができていなかったりします。だからこそ当社が客観的にお客様の魅力を発掘し、発信すべきポイントを伝えています。
研修ではどのようなことをお伝えしているのでしょうか?
行政や商工会議所等から依頼を受けて事業者に情報発信についてお話しています。また、自社では広報担当者を育成するための年間講座を開催しています。1年間のプログラムではInstagramを中心としたSNSの使い方を指導しているほか、マーケティングの動線やプレスリリースの書き方など広報担当者が持っておきたい、成果につながるスキルの全てをお伝えしています。
経営者にありがちなのが、「若い世代なら誰でもSNSを使えるでしょ」という思い込みです。企業としてのSNSの使い方があるので、広報担当者はしっかりとSNSの戦略を持って発信していく必要があります。何も理解していない状態でSNSを発信しても、正しく効果が出ません。中小企業は労力を無駄にしている場合ではないので、最大限情報発信を活かしていただけるように工夫しています。
何かPRしたいことはありますか?
最近、メルマガを始めました。広報担当者として知っておきたいお役立ち情報を発信していますので、よろしければご登録ください。
URL:https://cometreesmail.com/
ここからは二木社長のことをお聞かせください。学生時代に思い出に残っている出来事はありますか?
私は中学生の時に「世界を飛び回って仕事がしたい」と母に相談したことがあります。すると母からは「女性は出産や育児があるから難しい」と言われました。
島根という田舎で育っているので、親族の集まりがあると男性は座って食事をしている中、女性ばかりが配膳をしたり、片付けをしたりするのが当たり前の環境でした。他にもさまざまな慣習があり、女性だからと諦めなければいけないことがあるのは、とても嫌だと感じながら育ちました。
学生時代に何か熱中したことはありますか?
大学時代は勉強はほどほどに、バンド活動に夢中になっていました。そこでチームで動くことの喜びや難しさや、面白さを経験したと思います。そして人前に出るのが恥ずかしい、自信のない自分と表現したい自分がいることにも気がつきました。
学業としては国際的な支援や政治に興味があり、国際関係を勉強するために政治学を専攻していました。
卒業後の進路を教えてください
私は就職氷河期に就職活動をしたので、選択肢が多くない中でスーパーのダイエーに就職しました。
まだ当時は将来社長になりたいという思いはぼんやりとしたもので、親族が安定志向なこともあり、まずは規模の大きな会社に就職しようと思っていました。
私が入社した時にはダイエーの経営は傾いていました。なぜそれを分かっていながら入社をしたかというと、大企業の経営再建を内側から見れる機会はなかなかないと思ったからです。入社後は外部で開催される会長の講演会に自腹で参加したり、そこからのご縁で、社内で改革を進める先輩方と繋がって情報交換をしていました。社内での人脈が後押ししてくれて、社内の花形部署といわれる不動産店舗開発部に女性社員で初めての配属が決まりました。自分の思いを、小さなことから行動に移すことで、想像以上の現実を叶えていくという成功体験ができました。
不動産店舗開発部では社外の方とも積極的にコミュニケーションを取るので、より豊かな人脈を築くことができました。しかし、会社組織の一員として働いているので、お客様のためというよりも社内政治のために時間とパワーを使っていると感じることもあり、自分の思いの通りに仕事がしたいのであれば独立するしかないのだろうなと感じていました。
最初はどのような事業を展開したのでしょうか?
料理教室の先生として独立しました。私が元々幼いころからアトピーがあり、薬を使い続けることに抵抗がありました。社会人になると忙しく働いてコンビニのお弁当を食べて、毎日チョコドーナツを食べるような生活でしたが、そんな中、プライベートでの出会いを通して食の大切さを教えてもらいました。自分の食生活を見直し、心身が健康になったことで、もっとみんなに食の大切さを教えたいと思ったことが料理教室を開くきっかけでした。
第1子の妊娠・出産をきっかけに食について勉強をして、育休中にお試し起業をしてうまくいったら良いなと軽い気持ちでスタートしました。
しかし、儲けが出るどころか身を削るばかりだったので、あらためて起業について学び、起業塾を開講しました。いつか会社を作りたいという思いを実現するなら今だと思い、株式会社COME TREESを設立しました。社名には「みなさんの想いの種が木になる」=「COME:成る」「TREES:木々に」=「想いの実現をサポートする会社」という意味を込めました。
その後、「広報PR」という仕事に出会い、「地元企業の知名度を上げて全国区のブランドにしていく」という手法が「地方を底上げしたい」という私の想いを実現でき、地元・島根を含めた地方企業の活性化にもつながるのではないかと考えました。東京のPR塾に入塾し、広報・PRについて学んだ後、自分自身でも手法を実践し、地元のテレビや新聞に掲載されることで地道に信頼を積み重ねながら、少しずつ実績を作ってきました。
経営をするなかで大変だったことを教えてください
元々自分が育った家庭はサラリーマン家庭で、私もずっと会社員経験しかなかったため、起業をしてから適正な価格設定ができずに苦労しました。経営者としての知識を身につけるために、経営者の勉強会に参加し、経営者と接する機会を持つようにしました。
特に地方ではSNSなどの情報発信にお金をかける文化がなく、営業しても「うちはまだいいや」と言われることが多くありました。マーケットがなかったところからブレずに、コツコツと実績を積み上げていきました。
具体的にはどのようなことをされたのでしょうか?
国の事業を活用し、企業側にとっては無料で専門家の助言を受けられる制度を使い、指導させていただく中で、SNS発信やマーケティング実践の効果を実感してもらいました。自分自身もプレスリリースを書いて、自社の取り組みについてメディアに取り上げていただきました。メディアに取り上げられると信頼性が上がります。するとコンサルの依頼を少しずついただき、外部講師としても呼んでいただくようになりました。
経営をするうえで大切にしていることを教えてください
経営者の本当の課題に寄り添うことです。例えばSNS集客に困っていると相談がきますが、それは表面的な一部のお困りごとにすぎません。そもそも社内の協力体制が作れていなかったり、商品作りの過程に問題があったりするので、お話を伺いながら、常に本質的な課題解決を意識しています。
そして、線引きをしないことも大切にしています。お客様に関わるからには、私ができることや知識は全てお伝えしていますし、できることはなるべく全部実行するように心掛けています。
今後の展望を教えてください
当社はビジョンとして「文化資産が次世代に引き継がれる社会」、ミッションが「地域活性化を牽引する」、バリューが「適材適所で、得意が発揮される企業と地域作り」を掲げています。これらを本気で実現していきます。全国の会社の本当に価値ある商品が、情報発信の力で世に知られることで売れる世の中にしていきたいです。
そして私一人ではビジョンは実現しないので、自社の総合力も上げていき、全国の地方の活性化に関わることを目指します。
経営者におすすめの本を教えてください
古田憲司さん著書の『鯱もなかの逆襲』がおすすめです。明治創業の名古屋の老舗和菓子店の話で、コロナ禍で売上が大きく減少して経営を辞めようと思った時に娘夫婦が後継して、V字回復していく実話がまとめられています。私が日頃お客様にお伝えしているような内容と重なる部分も多く、地道に施作を実行していく大切さが書かれています。私のコンサル先のお客様にもおすすめしている1冊ですので、ぜひご覧ください。
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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