今回は株式会社コラボハウス代表、松坂 直樹氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社コラボハウス |
代表者 | 松坂 直樹 |
設立 | 平成20年6月2日 |
主な事業 | 住宅・店舗の設計・工事及びメンテナンス リフォーム工事 |
社員数 | 137名(取材時) |
会社所在地 | 愛媛県松山市北井門2丁目12-5 |
会社HP | https://collabohouse.info/ |
事業内容を教えてください
当社は新築注文住宅を手掛けている会社です。本社が愛媛県松山市にあることから、四国や山陽地方を中心に秋田や大阪などにも支社を置き、現在は6府県へ13スタジオを展開しています。
また、会社としては、お客様が希望される住宅のデザインに合わせてコラボハウスとシンプルデザインホームの2社で事業を展開しております。完全自由設計の注文住宅を手掛けているのがコラボハウスで、ご予算の許す限り、本当になんでも願いを叶えられます。一方でシンプルデザインホームはご予算が限られてらっしゃるお客様向けに、設計の自由度はある程度下がりますが、低価格でデザイナーズ住宅をお届けしています。
他社と差別化されている点はありますか?
ハウスメーカーは総合展示場にたくさんの会社が立派なモデルハウスを作って、魅力的な特典を用意して集客するのが通常です。しかし当社はモデルハウスを作っていません。家づくりを検討されているお客さまには直接スタジオにお越しいただき、カタログ等をもとにプラン提案をさせていただくスタイルをとっています。
創業者は、これまでの最適化されたビジネスモデルをやめて、設計する人とお客さまが分断されない家づくりを目指しました。通常は、住宅営業の方が間取り作成まで担うことが多いのですが、私たちは設計の専門家だからこそできる提案があると考えています。お客様のライフスタイルやこだわり、ちょっとした雑談に出る夢やアイデアまで、設計士が直接聞き取り、その場で図面に落とし込む。だからこそ、より細やかで、お客さまらしい一棟が生まれるのです。また、営業から設計士に情報連携をする際に、情報が落ちることもあります。例えば、ご家族がどんな思いで家をつくることになった経緯、趣味の話など、情報リレーの中で落ちてしまいます。だからこそ、当社では設計士が直接お客様とお話しして図面を書き起こすことにこだわっています。
設計士へ直接希望を伝えることは、普通のハウスメーカーではできないんですね
設計士へ直接希望を伝えられるのは、実は一般的なハウスメーカーではなかなかできない体験です。私たちは、住まいづくりの中心にお客様の想いを据えるため、営業マンを置かないスタイルを選びました。
今の時代、お客様自身がSNSや口コミ、施工事例など豊富な情報に触れ、自分たちの理想やこだわりをしっかり考えられるようになっています。そんなお客様と向き合う私たちの役割は、情報を提供することだけはなく、その希望や夢をどうカタチにしていくかを一緒に考えること。だからこそ、最初から設計のプロが寄り添い、対話を重ねながら一棟一棟を作り上げています。
すばらしいですね! ただ営業マンがいない場合はどのように集客をするのでしょうか?
売上を上げるには、営業で販売力を高めることと、マーケティングでお客さまの購買意欲を高めることが必要です。ただ、私たちは営業マンを置かない選択をしてきたからこそ、マーケティング力を磨き、デザイン性や提案力の高い家づくりを徹底的してきました。魅力ある家が人を惹きつけ、「この家に住みたい」と思っていただける仕組みを築いてきたのです。
また、住宅展示場を持たない分、「実物を見たい」というお客様には、完成前のお家をご案内できるようにしています。実際の暮らしに近い空気感や質感を体験していただけるのも、私たちならではの大切な価値のひとつです。
売上も増加されており、勢いがありますね
売上100億円突破に、いよいよ手が届きそうなところまで来ました。ここまで順調に成長できているのは、ビジネスモデルがしっかり支えてくれているからです。モデルハウスを持たない分、土地や建物にかかる固定費が不要で、財務面でも身軽さがあります。この健全な経営が、お客様にとっても大きなメリットになります。余計な固定費を価格に上乗せする必要がないため、同じ予算でも他社より質の高い家をつくることができるからです。
唯一無二のハウスメーカーですね
ありがとうございます。当社は「あらゆる場所にファンを」をミッションにしています。家作りを通じて我々が成し遂げたいミッションは、笑顔を増やして、家族との生活を楽しんでいただき、地域を元気にしていくことです。目の前の1人から喜びのFUNを作り、その方がFANになってほしいという2つの意味があります。
また私たちは今、 「Next LOCAL New LIFE」というビジョンを掲げ、地域社会の新しい形を創造することを目指しています。ほとんどの事業を地方で展開する私たちは、人口減少や若者の流出といった社会課題に直面しています。新築住宅の着工数も年々減少し、業界全体が価格競争や標準性能の過剰な引き上げによる消耗戦に巻き込まれています。このままでは業界全体が共倒れし、地域の活力も失われていく危機感を私たちは強く抱いています。
そこで私たちは、「家づくりカンパニー」から「まちづくりカンパニー」へと進化し、魅力ある住宅を提供することで、地域全体の価値を高めていきます。魅力的な住まいが増えることで「ここに住みたい」と思う人が増え、結果として住宅需要が生まれ、地域と業界の持続的な成長につながります。私たちのモデルは、大手企業が撤退していくようなエリアでも収益を上げることが可能です。だからこそ、私たちが地方の暮らしの新たなあり方を定義し、地域とともに浸透させていくリーダーになっていきたいです。
ここからは松坂代表のことをお聞かせください。大学時代に思い出に残っていることはありますか?
大学時代に17か国をバックパックで旅をしたことが思い出に残っています。そこでの体験が今の自分にはやっぱり原点です。
なかでも、モロッコのサハラ砂漠が印象的です。サハラ砂漠でベルベル人と一緒に泊まって見た景色は忘れられません。360度の天然プラネタリウムで宇宙にいる感覚でした。日本で社会人として生活をするとなかなかまとまった休暇がとれないので、大学時代に行っておいてよかったですね。バックパッカーを通して日本で日本人に生まれてよかったと感じました。外国では子どもがお金を騙し取ろうとするのを目の当たりにして、国の成長に貢献していくことが仕事として自分がやるべきことではないかと感じていました。
学生時代から起業したいと考えていらっしゃったのでしょうか?
学生の時は考えてはなかったです。しかし、ビジネスの全体感を掴んでいくことはしたかったので、大前研一さんの本を沢山読んでいました。
社会基盤を整えていくような仕事がしたいと思っていたので、プラント系や重工メーカーを見ていました。その中で鉄鋼メーカーであるJFEスチールに入社しました。なぜこの会社に決めたかというと、インドに製鉄所を作る計画があることを聞いて、やりたいこととマッチしていたからです。入社3年目の終わりぐらいにはもうインドに行かせてもらえて、早くに自分の実現したいことを叶えることができました。
インドの後はどのような仕事をしたのでしょうか?
次に与えられた仕事が、データサイエンスの仕事でした。本当にどハマりしてしまい、休日も開館から閉館まで図書館にこもり「明日会社に行ったらこの統計モデルで分析してみよう」と、気が狂ったように勉強していましたね。データが読めるようになると専門家とも対等に話せるようになりましたが、そのうちに鉄鋼メーカーの1つの製造プロセスだけでなく、いろいろな会社で試してみたくなり、当時の上司に本社の全社横断的な組織を作って、そこに僕を1人置いてくれと直談判しました。しかし上司からは「それをすると王道のキャリアパスから離れることになるからやめておけ」と反対されてしまい、だったら自分の考えたことが王道のキャリアになる会社で働いてみたいと考え、転職することにしました。
どちらに転職するのでしょうか?
元々コンサルティング業界に興味があり、アクセンチュアに転職しました。データサイエンスでも先頭を走っているコンサルティング会社で、面白そうだと思っていました。実際入社してみると、みんながギラギラしており、何者かになろうと兵隊のように働いていました。大きな刺激を受けながら、負けないように必死に食らいつく日々でした。そして、7年ほど勤めてコラボハウスに入社しました。
どうして現在の会社の代表になったのでしょうか?
友人から紹介されたことが元々のきっかけです。紹介してくれた人はアクセンチュアで一緒に仕事をしていたメンバーでした。
当時のコラボハウスは、創業者2人が会社を引っ張ってきたので、後継者が育たないという問題がありました。また、支店も増え、社員が100人を超えていくとガバナンスが効かなくなっていき、ここからどうやって会社を成長させれば良いのか、大きな壁にあたっていました。そんな課題を解決できる人材を探していた中で私に繋がりました。
これまで住宅事業に従事された経験はなかったと思いますが、抵抗はありませんでしたか?
ほとんどなかったですね。私にとって事業内容よりも社風と会社の成長軌道が描けるかが重要でした。地方でこれだけ財務的に健全で成長し続けてる会社は稀でしたし、今後の社会貢献につながるビジョンが描けました。
ホームページを見ても会社の雰囲気がとても良さそうで、実際に社員の方と会ってみても、平均年齢が若くて柔軟な方も多く、この会社であれば新しい方向性を吸収して、成長してくれそうだと確信しました。
代表になって最初に取り組んだことは何ですか?
人事制度をしっかり設けることです。当時はまだ明確な評価・報酬制度がなく、ボーナスや制度が曖昧なままでした。不公平感を感じることが社員同士でもあったそうで、新しく人事制度を整えることにしました。また、ある程度権限を渡していきながらマネジメント人材を育てていくことに注力しました。
代表になって大変だったことを教えてください
CEOとCOOの違いを認識していなかったことが最大の反省です。コンサルティングをやってきたことから、助言や実行を担う仕事が多かったため、最初はその延長線上で仕事をしてしまって、プロジェクトをどんどん前に動かそうとしてしまいました。しかし、社長は実行役ではなくビジョンを発信し、どういう方向に会社が進んでいくかを示すのが役目です。私自身が考えてることをしっかり伝えていくことが代表には必要なことだと後から気がつきました。私の言葉から発信しないと、社員の皆さんを不安にさせてしまう。そこに気づいてからは頭を切り替えて、発信することを心がけています。
今後の展望を教えてください
コラボハウスのファン自体を増やしていきたいです。地方都市を中心に事業展開を行い、引き続きエリアを拡張していきます。そして、将来的にはコラボハウスの家づくりを通じた魅力ある家づくりをする企業が増えていき、どんどん地方の魅力が高まっていく、そんな地域社会の実現を目指しています。
おすすめの書籍を教えてください
森岡 毅さんの著書『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』をおすすめします。戦略的な考え方は読んでいておもしろいですね。マーケティングのお手本に反旗を翻す内容で、ターゲティングを広める考え方が書かれています。当社も注文住宅やおしゃれなデザイン住宅だけを手掛ける会社だけではターゲットが狭まるので、ターゲットをとにかく広めていく考え方は大切にしていこうと思っています。
ぜひご覧ください!
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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