今回は株式会社 チュウセツシステム代表、平田 稔氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください！
| 会社名称 | 株式会社 チュウセツシステム |
| 代表者 | 平田 稔 |
| 設立 | 平成6年4月5日 |
| 主な事業 | 介護施設・医療機関向けICT化構築サービス
ビジネスホンの販売/施工/メンテナンス ネットワーク構築サービス（Wi-Fi構築含む） LAN構築サービス セキュリティ対策工事（防犯カメラ/電気錠システム）、UTM ナースコール販売/施工/メンテナンス 複合機の販売/メンテナンス |
| 社員数 | 8名（取材時） |
| 会社所在地 | 広島県三次市十日市西1丁目3番6号 |
| 会社HP | https://chusetsu.com/ |
事業内容を教えてください
株式会社チュウセツシステムは広島県を中心にビジネスホンの設置やネットワークシステム構築などの情報通信設備や防犯カメラ、緊急通報装置などの防犯設備、ナースコールや見守りシステムなどのケアシステムを中心とした情報通信システムの設計、販売、施工、メンテナンスなどを行っています。
チュウセツシステムは1994年に父が創業した会社で、私は2004年に入社し、2010年に社長に就任しました。
現在注力されている事業はありますか？
介護施設のICT化にも注力しており、「介護施設‘丸ごと’ICT化パック」を提供しています。
なぜ介護施設のICT化に取り組んだかというと、携帯電話が普及したことによって、固定電話のビジネスの事業成長が見込めなくなることが予想されたためです。自社のスキルを掛け合わせて何か新しいことができないかと考えとき、本社がある地域が山間部で高齢者が多く介護施設との付き合いがあったことから、スマートフォンを活用して業務の効率化を図るサービスを考えました。
「介護施設‘丸ごと’ICT化パック」を商品化する際、どのようなことが大変でしたか？
当時は、PHSでナースコールを受信するシステムが業界の主流でしたが、技術の進化や利便性の面から、スマートフォンへの移行を模索し始めたのがきっかけでした。
ちょうどスマートフォンが医療・介護の現場でも注目され始めた頃で、私たちも「これからはスマートフォンを活用すべきだ」と考え、本格的にサービスの構想に取り掛かりました。しかし、実際の導入にあたってはさまざまな課題が立ちはだかりました。例えば、施設ごとに導入したい設備が違うためそれぞれの設備の連携確認に苦労しましたし、スマートフォンの操作に不慣れなスタッフへの研修も必要でした。また、セキュリティ面での懸念や、端末の管理方法など、これまでになかった対応が求められる場面も多々ありました。
それでも、現場の方々から「こういう仕組みを待っていた」といった声をいただく中で手応えを感じ、試行錯誤を重ねながら精度を高め、ようやく商品化にたどり着きました。
「介護施設‘丸ごと’ICT化パック」について具体的に教えてください
改めて「介護施設”丸ごと”ICT化パック」とは、介護施設や医療機関向けに情報通信技術（ICT）を活用した、業務効率化やサービス向上を総合的に支援するソリューションパッケージのことです。スマートフォン１台でナースコールの応答、内線外線の対応、介護記録の入力・閲覧、見守りカメラの映像を確認することができます。また、身守りセンサーを活用することで入居者や患者の睡眠状況や心拍・呼吸数などの把握を遠隔で行うことも可能です。
なお、現在は広島県内だけでの展開を考えています。なぜなら、我々が全部サポートするためには、手の届くところで管理する必要があるからです。システムを入れて終わりではなく、入れた後も何かあった時にすぐ駆けつけられるよう、まだ全国展開は考えておりません。ただし興味をもってくれる企業様があれば、ぜひお話しできればと思っております。これからは介護施設だけでなく病院にも広げていきたいです。
「介護施設‘丸ごと’ICT化パック」の詳細はこちらをご覧ください。
URL：https://kaigomarugotoict.com/
ここからは平田社長のことをお聞かせください。学生時代に頑張ったことはありますか？
学生時代はずっとサッカーをしていました。中学・高校では全国大会にも行きましたね。特に高校時代はサッカー強豪校にあえて進学しなかったので、その環境でも全国大会へ行くことができたのは特に嬉しかったです。
どうして強豪校を選択しなかったのでしょうか？
少し弱いチームであれば1年生から試合に出られると思ったからです。強豪校は、もちろん先輩たちもサッカーが上手なので、1年生の時は玉拾いばかりです。また上下関係も厳しく、大変な状況のなかサッカー部に所属する人達を見ていました。
しかし、元々はそこまでサッカーが強くなかったものの、私の入学時には運よく各中学校から優秀なプレーヤーが集まり、さらには監督が全国的にも有名な先生が配属される奇跡が起きました。当時の広島県の独自の進学システムが影響しているのですが、偶然にもとても強いチームを作ることができました。
また、その監督の影響もあり、1度は教師を目指して体育大学へ進み、教員免許を取りました。
新卒ではどのような企業に入社されましたか？
学習塾に入社しました。塾講師だけでなく塾内のサッカークラブのコーチとしても仕事をしていました。
当時の私は体育大学で学んでいたこともあり、ロールモデルが少なく、どのように就職活動をすれば良いか分かっていませんでした。そのため、広島でサッカーコーチの募集を見つけて、そこだけを受けました。
また、その頃には父がチュウセツシステムを創業していましたが、仕事を継ごうとは考えていませんでしたね。
その後は転職しますか？
コンピューターの販売会社に入職しました。前職でサッカークラブを作ったところ最終的には400名ほどの生徒が集まったことでやりきったと感じたことから、違う環境で仕事をすることを考えはじめました。しかし、正直なところあまり考えずに入社しました。コンピューターのことをほとんど分かっていなかったので、研修がしっかりしている会社が良いとは思っていました。最初の3ヶ月は大阪勤務で働きながら研修を受け、その後、オフィスに勤務していましたが、とてもブラックな環境で雰囲気が悪く大変でしたね。そんな時に東京への転勤の話がきましたが、結婚を控えていたので転勤が厳しく退職することを選びました。
すると父から「今後会社をどうしようか・・・」という相談の電話がありました。父親が60歳で始めた会社で自分だけが食べていければよいと思っていたそうですが、業績は順調でした。もし私が継ぐ気がないのであれば誰かに譲ろうと思っていたそうで、タイミングが良かったため、父の会社を継ぐことに決めました。
どうして継ぐことにしたのでしょうか？
長男であったことと、働いているうちに自分で会社経営をしてみたいと思ったからです。
社長に就任するまでにどのような仕事をされましたか？
全く通信の知識がないので、営業や現場など全てを経験しました。新規の飛び込みは本当に経験してよかったですね。自分が経験していないことは社員に伝えることはできません。飛び込み営業の大変さを知っているからこそ、社員の気持ちを理解することができていると思います。
社長になってから大変だったことを教えてください
当社の仕事のキャッシュフローは工事や建設業に近く、案件が終わると売り上げが０に戻ります。電話工事を毎年するお客様はいないので、ずっと売り上げが続くわけではなく、危機感を常に持っているのがこの仕事の難しさだと思います。達成感があったとしても、また売り上げが0になると、モチベーションが上がりにくくなるときもあります。
どのようにモチベーションを上げているのでしょうか？
私自身は自分の家族、社員とその家族を支える意識を強く持つことで、モチベーションを維持しています。
また社員には、年2回の賞与に加えて決算賞与を付与することで、利益を還元できるようにしています。私が1人だけで働いている会社ではないので、みんなが頑張ったらみんなに分配することが大切だと思っています。
今後の展望を教えてください
広島県内で介護のICT化を進めているのは当社が1番だと思っております。売り上げ10億円を目指して社員も増やしていきたいですね。さらに新しいことに挑戦をしながら事業拡大を目指していきます。
おすすめの本はありますか？
著書である『介護とテクノロジー:最新事例から学ぶICTの活用と働く人の支援』は老人ホームや介護施設の方に読んでいただきたい本です。私はよく施設に訪問していますが、本当にもったいない仕事の仕方をされていると感じることが多いです。例えばスマートフォンとPHSの2台持ちをしていたり、Wi-Fiが何種類もあったり、ITの導入が逆に現場の手間を増やしていたりする状況は本末転倒ではないでしょうか。ぜひ介護に従事されている全ての方、特に施設の経営層に読んでいただきたいです。
経営者におすすめの本はありますか？
三枝 匡さん著書の『戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ』は物語風になっておりとても読みやすいです。競合相手に立ち向かった時に、その相手に勝つためにはどういう戦略を取っていけば良いかが書かれています。少しずつ医療機器業界の中でシェアを取っていく内容です。ぜひ著書と合わせてご覧ください。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております！
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります！
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