今回はアットストリームコンサルティング株式会社代表、渡邉 亘氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | アットストリームコンサルティング株式会社 |
代表者 | 渡邉 亘 |
設立 | 2018年(平成30年)4月24日 |
主な事業 | 経営コンサルティング アットストリームコンサルティングでは、戦略・業務・デジタルの3つを融合させた統合的な変革の提案と実行推進のご支援サービスを提供しています。 |
社員数 | 35名(取材時) |
会社所在地 | 東京都中央区京橋2-7-14 ビュレックス京橋7F |
会社HP | https://atstreamconsulting.co.jp/ |
事業内容を教えてください
アットストリームコンサルティング株式会社は「最もお客様に信頼されるブティックコンサルティングファーム」を目指して2001年に設立した経営コンサルティング会社です。20年以上にわたり一貫して「お客様の経営課題解決を第一に考える組織」としての姿勢を貫いてきました。
当社のお客様は製造業や商社といったBtoBビジネスを展開する企業が多く、戦略の立案、マネジメントと業務の改革、デジタル化の3つを融合させた統合的な提案と実行推進を支援しています。
私たちは“真の企業変革”とは、制度や仕組みを変えるだけでなく、お客様の考え方や行動、さらには企業風土まで変わることと捉えています。お客様の経営に深く長く寄り添い、文化の変革まで実現することが私たちの使命と考え、中期的な視座で共に困難を超えていく、お客様にとっての「身近な変革パートナー」でありたいと考えて、日々お客様に向き合っております。
現在どのような課題をお持ちのお客様が多くいらっしゃいますか?
コンサルティングに携わる中で感じるのは、経営課題がますます複雑化しているということです。これに伴い変革プロジェクトの難易度もどんどん高まっています。特に近年、デジタルを活用した変革を求めるお客様が多くいらっしゃいますが、前例のない取り組みに多くのお客様が苦戦されているようにお見受けします。
このような状況においては、お客様が未曽有の課題解決に挑戦される以上、私たちコンサルタントもお客様以上に挑戦し続ける必要があります。そうでなければ、真に価値のある提案をすることはできません。
また、このような挑戦を共に取り組むパートナーとして選んでいただくには、信頼関係を築くことが不可欠であり、当社は「品格のあるプロフェッショナル」であることをビジョンとして掲げています。
当社のビジョンは、ホームページでより詳しくご覧いただけます。
https://atstreamconsulting.co.jp/vision.html
ここからは渡邉社長のことをお聞かせください。学生時代に頑張っていたことはありますか?
私は大学に入ってアメリカンフットボール部に所属しました。試合には出場していませんでしたが、1年生の時にチームが日本一になったことが印象に残っています。国立大であるため、部員のほとんどが長い受験生活を経験しているので運動から遠ざかっていたり、そもそも運動が苦手な人も多かったのですが、大学スポーツでも戦略や戦術次第で一流選手がたくさん所属する私立大学にも勝てるのだということ、日本一になるための練習のレベルがいかに高いのかということを学びました。
しかしその後、厳しい練習についていけなくなって退部をしてしまい、大学生活にも馴染めず射幸性娯楽に時間を費やしていました。そんな生活が続いていた時「日本一を目指さないか」とのお誘いをいただきアメリカンフットボールの社会人チームに入ることになりました。メンバーは高校生から45歳くらいまでの様々な職業の方が集まっており、入部した当初は関西地区で上位に入るかどうかの順位でしたが、チームの練習事情やチームの特長を分析しながら得意とするプレースタイルを作り上げ、3年ほどで日本一を達成しました。アメリカンフットボールを通して、個のスキルは超一流でなくてもチームとして戦略をしっかり立てて進めば道は開けるのだということを、身をもって体験しその経験はその後の社会人としてのキャリアにも大きな影響があったと思います。
大学時代の専攻を教えてください
建築学科です。父親が不動産業を営んでいたので自宅に図面が多くあり、自分だったらこんな家を建てたいな、と想像することも多く、建築デザインに興味を持っていました。ところが、デザインの指導をしていただいていた教授から、「君にはデザインのセンスがない。そうだな、唯一いいところは誰も注力しないトイレをきれいに書いているところだ」と、暗にデザインとは違う道を薦められ、悩んだ末に建築デザインを諦めることになりました。この最初の挫折を経て、耐震構造計算などの物理系分野に転向し、何とか卒業しました。
一見すると苦労した経験のように映るかもしれませんが、耐震構造の計算でコンピューターを使った経験が、後のIT企業への就職につながり、今の私があります。振り返ると、これも神様の導きだったのかもしれません。
新卒ではどのようなお仕事に携わったのでしょうか?
国内外でITサービスを提供するTIS株式会社に入社しました。当時、成長期にあったコンピューター産業で働きたいという思いと、関西を離れたくないという気持ち強かったので同社の大阪拠点での採用だったことが決め手です。
入社後、私はインフラ導入といってITネットワークやサーバーのセットアップといったエンジニアとしての仕事に携わりました。インフラというのは少しでも問題が起こるとシステム全体に影響を及ぼすため、問題が生じると「何としても解決しなければ」という強い責任感を持ち、常に真剣に取り組んでいました。この「何としても」という考えは、今の仕事に対する考え方に少なからず影響していると思います。
当時は自分が経営者になるとは全く想像していませんでした。
印象的なお仕事の思い出はありますか?
あるアメリカの技術を日本に初導入するプロジェクトに参加しトラブルはありながらもなんとか成功させたことです。その実績をマイクロソフトから表彰されアメリカ本社に招待していただいたりもしました。若かりし自分が成長するきっかけになった仕事でしたし、当時も今もそのようなチャレンジする環境を与えてくれた当時の上司には感謝しています。何事も新しい技術や取組みにはリスクがありますが、同時に多くの可能性があることを学びました。
コンサルタントの仕事をするきっかけを教えていただきたいです
さきほどお話しした新しいことに挑戦することもあるのですが、当時私の担当していたシステムでは、リスクを避けて無難な選択をする傾向があることに気づきました。挑戦よりも安定稼働というのがとても大切だからです。
より本質的に経営を考える人々と働くことで自己成長できるのではないかと考え始めました。会社の将来や事業、仕組みを真剣に考えている経営者と、真剣勝負の仕事をしたいと思い、コンサルティング会社へ転職することにしました。
アットストリームに入社後、どのような経緯で代表に就任されたのでしょうか?
アットストリームでは2012~2013年頃から「次世代に向けた体制作り」が始まり、2018年には3社(持ち株会社であるアットストリーム、事業会社であるアットストリームコンサルティング株式会社、アットストリームパートナーズ合同会社)に分社化されました。分社後は経営を安定化させることに取り組みましたが、その目途がついてきた2022年頃から次期経営体制の始動に向けた準備を少しずつ進め、2024年10月にアットストリームコンサルティング株式会社代表取締役に私が就任することになりました。
社長という仕事は会社の顔として社内外に発信していく役割を担うため、専門性に加えてコミュニケーション能力や明るさ、親しみやすさ等が大切になるとのことで、人柄や発信力の面で評価したとのことでした。信頼して任せてくださった皆様のご期待に沿えるよう、日々精進しております。
経営者として仕事をしてきて大変だったことはありますか?
新サービスの立ち上げです。企業の経営指標や経営数値をどのように管理し、分析し、将来を予測するかという問題を解決できるサービスを開発しました。売上高が500億円以上の規模で多くの海外拠点を持つ企業の経営数値の可視化は非常に難しい課題だったのでそれを解決できるサービスを作ったのですが、なかなか良い反応は得られず、実は最初の2年間受注がありませんでした。
地道にお客様から頂いたフィードバックをもとに試行錯誤を重ね、何よりも一緒に取り組む仲間や応援してくれる仲間のおかげでやっと最初の受注をいただくことができました。
最初は社内からも不安の声があがっていましたが、現在は当社のサービスの柱になっています。諦めずに粘り強く続けてくれた仲間に本当に感謝しています。
新サービスが2年間受注できなかった原因はどこにあったのでしょうか?
振り返ると、私たちの視点で考えすぎていたことが原因だと思います。新サービス導入によってお客様の経営がどう変わるのかという視点が不足していました。例え提案したものが良いものだとしてもそれがお客様の社内に採用されるかどうかは別問題です。お客様がどのような不安を抱え、何が解消されれば一歩を踏み出していただけるのか、そこにたどり着いたことで道が開けたのだと思います。
いま、大変だと感じることを教えてください
アットストリームのメンバーが同じ方向を向いて挑戦する文化を作りたいと考えています。私は、「最高のパフォーマンスを発揮できるのは、やるべきこととやりたいことが一致したとき」と考えています。誰しもがやりたいことをやっている時に一番モチベーションとパフォーマンスが高まります。もちろんビジネスにおいてはお客様への貢献、つまり“やるべきこと”が最優先ですが、その中でやりたいと情熱を持つ要素を見つけることが重要だと考えています。
このため、全員が同じ方向を向いて日々の業務に挑めるように2023年にビジョンを刷新しました。「ビジョンがチームの力を最大限に引き出す根幹である」と信じていますので、ビジョンがメンバーの心の中に沁み込み腹落ちした状態にしていくことが今の私の挑戦であり、同時にとても大変なことだと感じています。
ビジョンを伝えるためにどのような取り組みをされていますか?
当社では年2回の全体会議でビジョンについて討議する場を設けています。私自身や経営層がビジョンを体現し、ビジョンを繰り返し伝えることで、それが定着していくのだと思います。アットストリーム創業メンバーから「誠実・貫徹・学習(お客様に誠実で、最後まで仕事をやり抜き、学び続ける)」という言葉とその大切さを何度も教えてもらいました。その結果、私自身や今の経営層にはこの考えが浸透し、今では会社のDNAとなっています。創業メンバーを手本に、私もビジョンを伝え続けていきたいと考えています。
今後の展望を教えてください
私たちのビジョンは「企業変革を通して世の中に変化をもたらす原動力となる」ことです。日本の生産性は世界の主要国と比較すると依然として低迷しており、私たちの世の中への貢献が十分でない現状には危機感を抱いており、より一層の貢献を目指していく必要があると考えております。
中期目標としては、新たなサービスを拡大し、メンバーを100人規模に拡充していくことを考えています。有難いことに、ほとんどのお客様からリピートのご依頼を頂いております。より良いサービスを提供するため、会社の体制を強化してまいります。
経営者におすすめの書籍はありますか?
新渡戸稲造の『武士道』です。
経営をするなかで、自分の行動一つひとつがメンバーに影響することを実感し、心のあり方が本当に大切だと感じています。この本の中で「義を見て為さざるは勇なきなり」という孔子の言葉が紹介されていますが、これは「正しいと知りながら行動しないのは、勇気がないということだ」という意味です。仕事においても、お客様にとって本当に良いと思うことを提案する姿勢は私たちの存在意義に関わります。時にはお客様の意見と相反する可能性もあり、勇気が必要な場面もあります。しかし、正しいと信じることを提案し続けることこそが、お客様への誠意であり、プロフェッショナルとしての役割だと考えています。
いかに人間性を高めるかを学べる本でして、自身の修養のため何度も読み返しています。
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投稿者プロフィール

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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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