今回はアテナ・パートナーズ株式会社代表、佐嘉田 英樹氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | アテナ・パートナーズ株式会社 |
代表者 | 佐嘉田 英樹 |
設立 | 2023年8月4日 |
主な事業 | 不動産コンサルティング事業 プロジェクト・マネジメント事業 不動産の売買・賃貸・仲介業 不動産投資顧問業 店舗施設開発事業 ソリューション事業 設計施工事業 損害保険代理業 |
社員数 | 1名(取材時) |
会社所在地 | 東京都新宿区西新宿7丁目21-9天翔西新宿ビル 402号 |
会社HP | https://athena-ptr.co.jp/ |
事業内容を教えてください
アテナ・パートナーズ株式会社はお客様の持っている土地を高齢者施設や介護福祉施設等へ土地活用する、不動産コンサルティング会社です。
お客様のニーズや目的を詳細にヒアリングして、詳細な物件調査を行ったうえで、所有不動産の有効活用、開発、建て替え、リノベーション・用途変更、売却、交換など最適なプランを企画立案し、プロジェクトの全段階にわたって戦略的なマネジメントを行っています。
強みは不動産市場のみならず、政治・経済・金融・社会・技術の動向やトレンド、地域特性等を分析しながら、法的・税務的なリスクを最小限に抑えてコストパフォーマンスを最大化するプランを立案・実行することです。企画計画から資金調達、テナント誘致、設計、工事、引き渡しまで一貫してプロジェクトのマネジメントを行います。
豊富な知識・技術力と実績を有した専門家とパートナーを組み、お客様が抱える課題を解決するための包括的なコンサルティング・サービスを提供しています。
どうしてこの事業を始めたのでしょうか?
私のキャリアの全てがこの事業を始めるきっかけに関係しています。
私は1991年(平成3年)に銀行に入行し、中小企業向けの融資営業担当をしていました。父が中小企業を経営していたこともあり、そうした企業を金融面から支える仕事に魅力を感じて入職しました。6年目に本部に異動して、個人マーケット向けのデータベース・マーケティングを行なっていましたが、そんな時にバブルが崩壊して地価が下落し、不動産向け融資の総量規制や、貸し剥がし・貸し渋りが起こり、自分のやりたい方向性と異なったことから銀行の退職を決断しました。そして2000年からは、父の経営していた内装材の卸やリフォーム、不動産関係の仕事に携わりました。その後、2012年に知人から声がかかり「東京で建築・不動産系の会社を立ち上げるから一緒にやらないか」と言われたのが今の事業に関わるきっかけです。知人は元ゼネコン出身で、介護福祉施設の建設に強みがあったことから介護福祉施設に特化した形でスタートしました。
そして、2023年7月、これまでご縁のあった方々のご理解とご支援が後押しとなり、前職を退職してアテナ・パートナーズを起業しました。
今後、賃貸アパートやマンションが今後人口減少でどうなるかわからないと言われていますが、高齢化は確実に進みますので、介護施設・福祉系の施設はこれから需要があると考えています。
介護福祉施設を建てる際、どのような方法をとるのでしょうか?
介護福祉施設の場合、一般的なのは地主さんが建物を立ててそれを介護施設の方に貸す「建て貸し」です。
「建て貸し」とは、テナントになる人(企業)をまず決めて、その人の求める設備の仕様に合わせた建物を建てていく方法です。賃貸借契約も融資期間を想定して20年、30年と長期間になりますし、中途解約は基本的にはできない契約を結ぶことがほとんどです。
また、駅から離れている土地でも需要があったり、利回りはマンションと比べると一般的に低くなるものの、長期一括借り上げによって空室リスクはなくなるため、長期間安定して家賃収入を得られるところがメリットです。
当社では「この土地どう活用したらいいかな?」というざっくりとした話にも、テナント決めから土地活用の企画、建物の設計・施工、資金計画や銀行との交渉、テナントとの契約まで全部一貫してサポートしています。
どのような相談が多いですか?
最近は、相続税対策や土地活用、老朽化しているアパートの建て替えのご相談が増えてきました。
当社ではただ単に「介護福祉施設をつくりましょう」というご提案はいたしません。どうしたらスムーズに活用できるのかを考え、お客様のご希望を聞きながら「ここは一部売却しましょう」「ここは駐車場として、月極め駐車場として使っていきましょう」など、柔軟に解決策を提示しています。
また地主のサポートだけでなく、開業されたいテナント企業の融資から施設開業までも一貫してサポートしています。
貸す側も借りる側も、最初から最後まで窓口一本で行えるので、負担も減りますし、安心にも繋がると考えています。
土地活用のご相談はぜひ下記よりご連絡ください。
ここからは佐嘉田社長のことをお聞かせください。学生時時代に頑張ったことはありますか?
幼い頃は学者や研究者を目指していました。理科系のことが好きで、天体観測・気象予報に夢中になっていました。そして興味が量子力学や原子力工学に向いたことから、高校、大学と理系に進学しました。しかし、教養課程時に哲学や思想にハマったことから、入学は東京大学教養学部理科第Ⅰ類、卒業時は文学部社会学科という人とは少し違う経歴になりました。
卒業論文では「権力構造論」という、「なぜ権力が発生するのか」というメカニズムを研究しました。例えば、1対1の会話の中でも上下関係はありますよね。声が大きい方が力強く見えたり、マウントを取りたがる人もいたりと、様々な人がいます。これは個人間だけでなく、国家と国民や権力者と被支配者との関係にも関わるものとして、この関係値をミクロな人間関係からマクロな権力構造まで論理的に展開した独自な権力構造論です。
当社は「なんでも屋さん」として仕事をしていることが多いのですが、知識を横断的に使って対応できるのは、学生時代の学問や知的好奇心で培ったものだと思います。お客様と専門家の間で、どういう選択肢があるのかを整理して、総合的に「このやり方が一番いいんじゃないでしょうか」と提案していきます。自分のポジションをしっかりと理解しているため、お客様に最適なものを提案することを心掛けています。
学生時代に将来起業したり、社長になることを考えていましたか?
就活中は銀行やデベロッパーをみており、社長になりたいというよりも、都市再開発といった大きなことや経営コンサルティングなどで中小企業の経営発展に貢献したいと考えるタイプです。しかし、いざ組織の中で働いてみると、サラリーマンの世界は社内調整が多く、お客様志向より社内志向、目先の利益優先主義の考えがはびこり、私には苦手な場面がありました。
家業を継ごうとは思っていなかったのでしょうか?
経営基盤がそこまで強くなかったので、継ぐことは考えていませんでした。人脈・継続性など自分の代で広げられればよかったのかもしれませんが、その当時はそこまでの自覚や覚悟がありませんでした。
また、もし起業するのであれば、理系出身だったこともあり、個人や中小企業の特許や知的財産を活用した売買や技術開発の支援をしたいと銀行員時代には思っている時期もありました。
銀行を退職し不動産業界へ転職される経緯を教えてください
2000年に銀行を辞めましたが、当時はまだ転職が一般的ではなかった時代でしたね。バブル崩壊や金融機関の再編、倒産などもあり、転職する人は徐々に増えていきましたが同期の中でも転職は早かったと思います。
そして、家業の建築・不動産会社で働くために実家の福岡に帰郷しました。しかし、今まで勤めていたメガバンクと信用力・資金力・組織力の違いに驚きました。
サラリーマン時代に経験したことで、今の仕事に活きているものはありますか?
建売やアパート開発など、開発関係の仕事の経験は非常に活きています。ファンド会社と組んで土地を取得して賃貸マンションを開発したり、破綻した商業ビルの再生プロジェクトにも参加したりしました。リーマンショックで再開発は最終的には頓挫してしましたが、すごく貴重な経験でした。
その後、転職はされますか?
はい。ヘッドハンディングで高齢者介護施設を運営・開発する企業に行きました。これが今の会社の経験に繋がっています。現在の少子高齢化社会を見据えて、これまでの経験を生かして、何か社会に貢献できないかと模索して今のビジネスにたどりつきました。
不動産コンサルタントになってから大変だったことを教えてください
不動産コンサルティングは扱う金額も大きく、信用が命の仕事なのでプレッシャーがあります。
サラリーマン時代はかなりスピード感がある会社だったことから、役所との協議や、開発許可の申請から許可が下りて、工事着工・完成させるまでのプロセスを短期間で進めることができました。しかし、スピード感のある進行であっても、いかにお客さまに安心してもらい、品質を落とさないで仕事をするのかが本当に大変でした。
起業されてからもスピード感のある進行ができましたか?
最初のプロジェクトは思うように進まず大変でしたね。
行政から「今年度中に完成・オープンさせてください」と依頼のあった仕事が、最初の予定から2〜3か月くらい遅れてしまいました。どこの役所も同じ進め方だと思われていますが、各役所によって申請や仕事の進め方のプロセスが異なります。様々な社外の関係者に無理を言って進めていったこともあり、本当に自分の工程の見積もりが甘かったと反省しました。行政との関係性や現場の呼吸感は積み上げが大切だと学び、今ではこの失敗から学んだことを当社の強みとしています。
プロジェクトをどうマネジメントしていくかを私たちの売りです。最近では、おかげさまで当社の知名度も徐々に上がってきて、不動産会社の方々ともつながりが増えてきました。営業として来てくださる方も多くいるので、不動産を売りたい人‐買いたい人、貸したい人‐借りたい人の間で、人と不動産情報をより効率的・効果的にマッチングができる仕組みを構築していきたいと考えています。
仕事のやりがいを教えてください
自分ひとりの力ではできないことです。プロジェクトを完成させるには、地主さん、テナント、工事会社、設計会社、金融機関、行政、地域住民などの多くの人が関わってくださいます。それぞれ立場が違うからこそ、利害の対立も出てきます。その対立をうまく調整して、プロジェクトをまとめ上げて完成させることにやりがいを感じています。
また、空き地空き家問題や、衰退している商店街の再生などの地域の社会課題の解決に取り組めることも大きな魅力です。単に建物を建てるだけでなく、その土地の歴史や文化、生活習慣、自然環境等を反映させて、街並みや景観をつくり、後世に残していくのは有意義なことだと感じています。また、権利関係や法的・技術的、あるいは感情的に様々なトラブルや課題を解決することによって、関係者が喜び、その不動産の潜在価値を最大限復活させる。そして、プロジェクトに関与する多くのパートナーと記憶・感動・共感を得られ、成功と幸福を分かち合えるプロジェクトとして完遂させたいと考えています。
今後の展望を教えてください
企業としては不動産建築に関連する社会課題の解決に取り組みながら、プロジェクトを通してまちづくりや携わる人々の幸せに貢献していきたいです。そのためにも同じ志をもってプロジェクトを一緒に取り組んでくれるパートナーをもっと増やしていきたいと思っています。社員や外部の専門家や協力会社の方、地主さんやクライアントといったパートナーといかに信頼関係を構築できるかが今後の鍵になります。オーナーや地域の人たちと一緒に社会貢献ができたと喜び合えるようなプロジェクトを進めていきたいです。
また、最近は中小企業が抱えている不動産活用にも関心を持っています。後継者問題や事業承継の課題があることから、所有する不動産を活用して新たな収益事業の柱をつくる提案をしていくのが今後の目標です。
そして何よりも、お客様に「アテナ・パートナーズなら任せて安心」だと思っていただけるよう、1つひとつの案件を丁寧に誠実にこなし、選んでいただける企業となるために邁進します。
経営者におすすめの本を教えてください
『呻吟語 (現代人の古典シリーズ 31)』がおすすめです。
『呻吟語』は、中国・明代の哲学者 呂坤(呂新吾)が遺した、為政者・指導者のための自己修養書です。現代の経営者にも通じる「人としてどうあるべきか」を静かに問いかけてきます。訳者・守屋洋氏の現代語訳は平易でありながら、深い洞察と品格を備えており、「志は高く、言葉は慎ましく」「心に欲なければ、面に威あり」など、組織を率いる者に必要な判断力・節度・包容力を養う言葉が随所に散りばめられています。目先の利益・成果や効率を求める日々の経営の中で、経営者が自らを律し、誠実でぶれない判断軸を持つための“座右の一冊”となっています。
ぜひご一読ください!
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企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。
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