株式会社ウィット 佐野氏

今回は株式会社ウィット代表、佐野俊亮氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

会社名称株式会社ウィット
代表者佐野 俊亮
設立2016年11月4日
主な事業1. 経営コンサルタント
2. 営業業務に関するコンサルタント
3. インターネット、印刷媒体等に対する広告の企画、立案、制作業務
4. デザイン、広告宣伝の企画及び仲介及び請負
社員数14名(取材時)
会社所在地東京都品川区西五反田2-24-4 THE CROSS GOTANDA 4F
会社HPhttps://witservice.co.jp/
https://witservice.co.jp/factoring/
けんせつくんサイト:https://けんせつくん.jp
公式LINE:https://page.line.me/390esuzy

事業紹介をお願いします

株式会社ウィットは、中小企業や個人事業主の方を対象に、小口のファクタリングサービスを提供しています。請求書や注文書を活用し、資金を早期に現金化できる仕組みで、急な資金ニーズにも対応できる点が特徴です。手続きはすべてオンラインで完結し、最短2時間での資金化が可能なため、全国どこからでもご利用いただけます。信用情報に影響を与えず、取引先に知られることなく利用できる点も、多くの方に選ばれている理由の一つです。

当社のサービスは提供先を限定していませんが、私自身のバックグラウンドの影響もあり、結果として建設業界のお客様が多い状況です。

そのため、建設業界特化型サービスとして「けんせつくん」も展開しています。建設業の資金繰りや商習慣を理解したスタッフが対応し、現場の事情を踏まえたサポートを行っています。

当社が扱う取引金額は10万円から50万円のニーズが多くを占めており、他社では対応が難しい案件についても、独自の審査で柔軟に対応している点が強みです。現在は月間で約280社のお客様にご利用いただいており、その多くが継続して利用されています。

ファクタリングという仕組みを通じて、資金繰りに悩む事業者の方が事業を継続し、前に進むための選択肢を提供することが、当社の役割だと考えています。今後も、目の前のお客様一人ひとりの状況に向き合いながら、柔軟で迅速な資金調達支援を続けていきます。

当社のサービスの詳細は下記サイトをご参照ください。

サービスサイトhttps://witservice.co.jp/factoring/
けんせつくんサイトhttps://けんせつくん.jp

ここからは佐野社長のことをお聞かせください。子どもの頃に熱中していたことはありますか?

正直に言うと、子どもの頃に「これ一つに打ち込んでいた」と言えるものは、あまり記憶にありません。朝から晩まで外で遊んでいるような子どもで、特定の競技や習い事に熱中していたというよりは、とにかく遊び回っていた印象のほうが強いですね。遊びの内容も、鬼ごっこなど体を使って外で過ごすことが中心だったと思います。

今振り返ると、そうした子ども時代があったからこそ、一般的な就職という道を選ばず、自分で何かをしなければ生きていけない環境に自然と進んでいったのだと思っています。

独立される前までにご経験されたお仕事で、今に活きているものはありますか?

特定の仕事を挙げて「これが今に活きている」と言えるものは、正直あまりありません。ただ、独立前に経験してきた環境そのものが、今の自分をつくっているとは感じています。

私は、いわゆるホワイトカラーの職場ではなく、建築業界を中心としたブルーカラーの現場で働いてきました。現場では、怒鳴り声が飛び交うことも珍しくなく、今で言うところのパワハラのような状況も当たり前にある環境でした。そうした中で働いてきたことで、精神的に鍛えられた部分は大きいと思っています。

現在、会社で一緒に働いているのはホワイトカラーのメンバーが中心ですが、当時の経験があるからこそ、多少のことでは動じない自分があると感じています。良し悪しは別として、建築業界の現場を渡り歩いてきた経験が、今の自分の土台になっていることは間違いありません。

独立されたタイミングは、予定していたものだったのでしょうか?それとも自然な流れだったのでしょうか?

独立のタイミングについては、あらかじめ年数や時期を決めていたわけではありません。どちらかというと、「今だ」と感じたタイミングで独立したという感覚のほうが近いと思います。

当時を振り返ると、勉強して進学するという選択肢を取ってこなかった一方で、報酬については人並みに、あるいはそれ以上に欲しいという気持ちを持っていました。そうした気持ちと、自分で動かなければ生活できない環境が重なり合い、自然な流れの中で独立という選択に至ったのだと思います。

結果として、計画的に決めた独立ではありませんでしたが、自分自身の状況や考え方を踏まえると、当時の自分にとっては無理のない、現実的なタイミングだったと感じています。

大工として独立された際は、具体的にどのようなお仕事をされていましたか?

大工として独立した当初は、型枠大工として仕事をしていました。主にマンションなどの建設現場に入り、建物の型枠工事を担当していました。

働き方としては、一人親方として現場に入ることもありましたし、マンションなどの大きな現場では、複数の独立した親方が集まり、それぞれ担当する区画を分けて工事を進める形が多かったです。例えば、5階建てのマンションであれば、複数人の親方が集まり、各階や各住戸を分担して施工するようなイメージです。

そうした現場をいくつも渡り歩きながら、型枠工事を軸に仕事を続けていました。

ファクタリングについて興味関心を持ったきっかけを教えてください

ファクタリングに興味を持つようになったきっかけは、現場で一緒に働いていた仲間たちの資金繰りの状況でした。私自身は資金面で大きく困っていたわけではありませんが、独立して働く大工仲間の中には、未払いなどによって資金繰りが悪化し、頻繁に苦労している人が多くいました。業界全体として、お金の面でルーズな部分があり、そうした状況を日常的に目にしていたことが大きかったと思います。

そのため、現場ではお昼休みなどに自然と資金繰りの話題が出ることも多く、「どこでお金を借りられるのか」「どんな資金調達の方法があるのか」といった情報が飛び交っていました。その中で、ファクタリングという仕組みの話を耳にするようになったのが最初のきっかけです。

当時は今ほど一般的な仕組みではありませんでしたが、話を聞く中で、参入のハードルが比較的低いことや、貸金業のように免許や大きな資本金を必要としない点に特徴があると感じました。さらに、身近な知り合いにファクタリング業を営んでいる経営者がいたこともあり、その方と話をする中で、「やってみたら面白いのではないか」と思うようになりました。

こうした現場での実体験と、身近な人との会話を通じて、ファクタリングという仕組みに現実的な可能性を感じるようになったことが、興味関心を持つようになった背景です。

ウィットを起業する前、社長ご自身はファクタリングに関する仕事に携わっておられたのでしょうか?大工の仕事とは180度違う仕事なので、どのような経緯で起業されたのか気になります

ウィットを起業する前にファクタリングに関する仕事に携わっていた経験はありません。まったくのゼロからのスタートとなるため、実際に会社を立ち上げる際には先述したファクタリング業を営んでいる経営者にコンサルタントとして入ってもらい、地道にトライアンドエラーを繰り返しながら事業を展開してきました。

起業後はどのようなご苦労があったのでしょうか?

ウィットを起業してから最も苦労したのは、組織づくりやマネジメントです。

私はこれまで会社員として組織に属した経験がなく、営業以外の業務や、組織をどう運営していくのかという点については、ほとんどわからない状態でのスタートでした。

創業当初は建築時代の後輩と事務スタッフの3人で会社を立ち上げ、私自身も慣れないデスクワークをしながら、集客から対応までを手探りで進めていました。その後、事業が軌道に乗り、営業人員の採用を始めたものの、マネジメントの経験がなかったため右腕的な存在に組織運営を任せる形を取りました。

しかし、そのやり方がうまく機能したとは言えませんでした。数字を持つ営業力のある人材ではあった一方で、酒癖や言動の問題があり、社内で摩擦が生じるようになりました。話し合いを重ねた末に退職してもらう決断をしましたが、私自身、仲間を切るという選択に強い葛藤があり、体調を崩すほど精神的に追い詰められました。

その後、社内は一時的に落ち着いたものの、今度は緩さが目立つようになり、組織としてのバランスの難しさを改めて感じました。現在もマネジメントについては試行錯誤を続けており、周囲のメンバーの力を借りながら、少しずつ形を整えている段階です。起業後の苦労を振り返ると、事業そのものよりも、人と組織に向き合うことが最も大きな課題だったと感じています。

人や組織の課題に対して、どのように対応されていらっしゃるのでしょうか?

人や組織の課題に対しては、まず自分自身が動くことを大切にしてきました。マネジメントの正解がわからない中で、社内の雰囲気が緩んできたと感じた時期には、再び自分が営業の現場に立ち、行動で示す形を取りました。創業当初の思いを体現する、いわゆる「プレイングCEO」としての立ち位置に戻ることで、社内の意識を整えていこうと考えたのです。

同時に、社員同士が腹を割って話し合える環境づくりにも取り組んできました。特定のマネジメント人材がいない中でも、できるだけ風通しを良くし、協力しながら進められる体制を意識しています。その結果、以前に比べると社内のギスギスした空気は和らぎ、協力して仕事を進められる状態になってきたと感じています。

また、共通の価値観を持つための取り組みとして、ミッション・ビジョン・バリューの策定も行いました。これは私が日頃考えていることを社員に伝え、それを言葉として整理してもらう形でまとめたものです。全員が同じ方向を向いて仕事を進めるための、判断軸の一つとして活用しています。

現在はさらに一歩進めて、半年間の予定で外部のコンサルタントにも入ってもらい、マネジメントの強化に取り組んでいます。主体性や自走といった点を意識しながら、半年という期間の中で、社内に少しずつ変化を生み出していければと考えています。

現在はプレイングCEOではなく、現場を離れ経営者にしかできない仕事に注力されていますが、具体的にどのようなことをされているのでしょうか?

現在は、営業の現場対応から一度距離を取り、社内全体を見ることに時間を使っています。以前は自分が営業現場に出てお客様対応をしていましたが、今年(2026年)1月からは外部コンサルタントの助言もあり、手元の業務をできるだけ持たないようにしました。毎日会社には出ていますが、あえて現場業務には入らず、社員の動きや様子を見ることを意識しています。

具体的には、社員一人ひとりの業務の進め方や、どこで手が止まっていそうかといった点に目を配り、必要に応じて声をかけるようにしています。また、細かい部分に気づけるようになることを意識しながら、組織全体の流れを俯瞰して見ることに注力しています。

現時点では明確な成果が出ているとは言えませんが、社員が主体的に動ける状態をつくるための準備期間だと捉えています。自分が前に出て引っ張るのではなく、社員が自走できる環境を整えることが、今の自分に求められている役割だと考えています。

トップダウンではなく、社員一人ひとりが自走できるようにされているのはなぜでしょうか?

自分自身の特性と、これまでの経験からの判断です。正直に言うと、私自身がやろうと思えば、数字だけを追うゴリゴリの営業会社をつくることはできると思っています。ただ、そうした会社の姿は、これまで自分が見てきた中にしかなく、同じ形をなぞることにはあまり興味が持てませんでした。

また、起業時に関わってもらった外部コンサルタントの影響も大きかったと感じています。自分が前に出て引っ張る形にすれば、どうしても自分色の強い組織になりますが、それ以外のやり方については、正直なところ想像がつきませんでした。だからこそ、自分がやったことのない形に一度委ねてみて、どうなるのかを見てみたいという気持ちがありました。

現在一緒に働いている社員たちは、いわゆるホワイトカラーの仕事に慣れているメンバーが中心です。そうした人たちに合わせて、会社のあり方や社風をつくっていくほうが、無理がないと考えています。社員が納得し、自分で考えて動ける環境を整えることが、結果的に組織としても安定すると感じています。

このような背景から、トップダウンで指示を出すのではなく、社員一人ひとりが主体的に動ける会社の形を目指しています。

さまざまな人材課題を乗り越えてこられましたが、採用ではどのようなところを見ていますか?

採用においては、明確な基準を細かく定めているというよりも、既存のメンバーとの相性や調和を重視しています。創業当初は、知り合いの大工や建築業界のつながりから営業人員を採用するケースが多く、いわゆるリファラルに近い形で人が集まっていました。そのため、「こういう人を採る」といった明確な基準があったわけではありません。

現在も採用基準が完全に言語化されているわけではありませんが、迎え入れる際には今いる社員たちと無理なく協力できるかどうか、また、仕事に対する姿勢や意欲といった点を見ています。

採用方法についても、創業期とは変化しています。現在は一般的な求人媒体を通じた募集や面接を行い、いわゆる通常の採用活動を進めています。その中で、これまでの経験を踏まえ、「一緒に働いて大丈夫かどうか」という感覚的な部分も含めて判断しているのが実情です。

これまで人や組織で苦労してきたからこそ、個々の能力以上に、組織の中でどう関わっていけるかを重視するようになってきたと感じています。

今後のご展望を教えてください

今後については、事業の拡大以上に人と組織の土台をどう整えていくかに注力していきたいと考えています。これまでを振り返ると、事業そのものよりも、人や組織に関する部分で多くの試行錯誤がありました。その経験を踏まえ、今は組織のあり方を見直すフェーズにあると感じています。

私自身、子どもが生まれたことで価値観が変わり、仕事だけでなく、家族や生活も含めて一人ひとりに事情があるということを、より強く意識するようになりました。社員とも定期的に話をする場を設け、不安や考えを共有しながら、会社としての方向性を丁寧に伝えていきたいと考えています。

トップダウンで引っ張る組織ではなく、社員それぞれが納得したうえで動ける会社にしていくこと。そのための人材育成と組織づくりが、これからのウィットにとっての一番の展望です。

最後に、佐野社長が他の経営者におすすめする書籍を教えてください

私が他の経営者の方におすすめしたい一冊は、ゆる麻布氏の『こうやって、すぐに動ける人になる。 気づけば、ラクに成果が出てる「思考のコツ29」』です。

この本を知ったきっかけはSNSです。ゆる麻布さんの発信を以前から見ていて、「この人の言っていることは、ピンポイントでためになるな」と感じていたことから、この書籍を手に取りました。

そしてとても良い本だったので、社員全員に配りました。それくらい、仕事をする上で役に立つ考え方が詰まっていると感じています。

語り口としてはかなり特徴があり、少し癖の強い表現もありますが、内容自体はとても読みやすく、物事の判断の仕方や考え方について、さまざまな場面で使えるエッセンスがコンパクトにまとめられています。雇われる側の発想ではなく、自分の責任で物事を考え、引き受けていく起業家的な思考を持つことで、仕事もやりやすくなり、人生そのものも楽しくなる。そうした考え方が、具体的な形で書かれています。

ぜひみなさんもご一読ください。

『こうやって、すぐに動ける人になる。 気づけば、ラクに成果が出てる「思考のコツ29」』ゆる麻布(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4569860192

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『社長の履歴書』編集部
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